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2021年5月10日月曜日

「バタクラン・ライヴ 1973」カン(CAN)


ドイツのバンド、カン(CAN)が、フランスのパリのバタクラン劇場で、1973年3月に行ったライヴ映像。

[members]
Holger Czukay:ベース
Michael Karoli:ギター
Jaki Liebezeit:ドラムス
Irmin Schmidt:キーボード
Damo Suzuki:ボーカル

[setlist]
1. Spoon
2. Pinch
3. Sing Swan Song

曲はすべて4th「Ege Bamyyasi」(1972)収録曲です。

「Monster Movie」(1969)でデビューした時には、ボーカルにマルコム・ムーニーを迎え、トライバルなビートとマルコムの持つリズム感を活かし、同じリズムやフレーズを延々とくり返しながら、プリミティブなグルーヴを生み出していたカン。

続くアルバム「Tago Mago」(1971)でボーカルがダモ鈴木に交代し、アナログ2枚組で10分以上の大作を3曲も収録しましたが、続く「Ege Bamyyasi」では曲がコンパクトにり、ある意味とっつきやすくになりました。

そして「Spoon」は先行シングルとしてリリースされ、ドイツのチャートで6位に入るヒットソングになるのです。

どの曲もアレンジやテンポがアルバムと異なり、即興の迫力が半端なく、特にJaki Liebezeitの叩き出すビートが素晴らしいです。

思いの外聞き入ってしまったのが、Michael Karoliのギター。全体がカッチリしたアンサンブルになることを拒むかのような、先の読めないアナーキーなプレイが最高でした。

そして混沌としていて荒々しいラスト。Irmin Schmidtのブチ切れたようなキーボードが印象的でした。

2013年10月24日木曜日

「Live in Sporthalle Cologne」カン



ドイツ(当時は西ドイツ)のエクスペリメンタル・ロックバンドCanが、1972年にケルンのシュポルトハレ(Sporthalle)で行なったコンサートの映像。

曲は「Ege Bamyasi」(1972)収録の「Spoon」。

[members]
Holger Czukay(ベース、エレクトロニクス)
Michael Karoli(ギター、ボーカル、バイオリン)
Jaki Liebezeit(ドラムス、パーカッション)
Irmin Schmidt(キーボード、ボーカル)
Damo Suzuki(ボーカル)

この「Spoon」という曲はスリラードラマ「Das Messer」の主題歌として作られ、国内チャート6位の大ヒットとなったそうです。この成功により彼らは1972年2月にフリーコンサートを開催。この映像はその時のものです。

何と言ってもダモ鈴木が歌っている映像だというところが貴重でしょう。当時の国際派ヒッピー日本人を代表するような人物であるダモ鈴木は、世界各地を放浪の末、ミュージカル「ヘアー」出演のためにミュンヘンに滞在、路上でギターを弾きながら寄生を上げていたところろヤキ・リーベツァイトとホルガー・チューカイによって“発見”されたとのこと。そのまま即日ライヴに参加、以降1973年までCanの正式メンバーとなりました。

サイケデリックな音がミニマルミュージックのように淡々と続いていく当時のCanのサウンドに、メロディーも歌詞も判然としないダモ鈴木のボーカル・スタイルはフィットし、やがて「Future Days」(1973)という傑作が生まれることになります。

長髪の黒髪に赤とピンクのツートーンカラーの全身タイツというダモ鈴木の風貌は、元々アカデミック集団であったメンバーの中ではインパクト大です。他のメンバーが服装もステージングも地味なので、くねくね踊るダモ鈴木の異様さが目立ちます。

バンドのアンサンブルは完璧で、リズム・セクションは正確無比。そこにフリーフォームにギターの音を重ねるミヒャエル・カローニ、何かに取り憑かれたように笑いながら演奏するアーミン・シュミット、そして意味不明なジャグラー。構築と混沌が入り交じったステージです。

2013年3月29日金曜日

「Old Grey Whistle Test 1975」カン(CAN)



ドイツのロックバンドCANがイギリスBBCのTV番組「Old Grey Whistle Test」に出演した時のスタジオ・ライヴ。曲は「Landed」(1975)から「Vernal Equinox」。 

このライヴでのVernal Equinox」は、アルバム・ヴァージョン以上に歯切れの良いリズム・アンサンブルを聴くことが出来ます。

[members]
Holger Czukay(ベース)
Michael Karoli (ギター)
Jaki Liebezeit (ドラムス)
Irmin Schmidt(キーボード)

「Landed」は、マルコム・ムーニー(Malcolm Mooney)、ダモ鈴木といった専任ボーカリストが脱退し、残りのメンバーでボーカルを担当して作り上げた作品。CAN流ポップス/ハードロックアルバムとも言われます。でもテクニックがあるのに飄々としたリズム・セクションは相変わらずやっぱりCANです。

そのリズムを支えているのはベースのホルガー・チューカイとドラムスのヤキ・リーベツァイト。特にジャズ・ドラマーとし活躍していたヤキの、軽やかで切れのある、流れるようなドラミングが素晴らしいです。 

その鉄壁のリズムの上で、ミヒャエル・カローリのギターとイルミン・シュミットのキーボードが、自由に音を乗せていきます。イルミン・シュミットのパーカーションのようなキーボードさばきが、動画で見ると絵になりますね。

アルバムほど音を重ねていないため、どこかしらアンビエント寄りの名作「Future Days」(1973)のような浮遊感も感じられるのもまた面白いところです。

  翻译: