伊吹せんろみち
７月２日 米原フォトライド。
みっちゃん・トモちゃん夫妻からお誘いがありました。
フォトライドのお誘いです。
フォトライドというのは，写真スポットを巡るサイクリングです。
「写真を撮っている時間がどうしても長くなるので，なかなか進まないけれど，それを承知で来てね」 というニュアンスもあります。
そして，「気兼ねなく撮影に時間を取っていいよ」「それなりにおもしろいポイントを用意したよ」 という意味でもあります。
ぼくとしては大歓迎。
そして，トモちゃんの引くコースはマニアックでおもしろいので，ワクワクしながら当日を迎えました。
米原を走るということでしたが，関ヶ原あたりと，琵琶湖沿岸，醒ヶ井は走ったことがあります。
今回走るのは，それらの場所からほど近いところではありますが，まったく走ったことのない地域。どんなところなのかイメージさえもありません。
本当にここでいいのかという，何のためにあるのかもわからない駐車場に車を止めさせてもらいます。
少し待っていると二人が到着してホッとしました。
走り出すとすぐにケヤキの並木のきれいな道でした。
あまり見たことがありません。
すぐに集落の細い道に入りこみ，ほどなくして到着したのは小さな神社。
小さな鳥居の横を抜けて階段を上ると，驚きの光景が待っていました。
社までは細くて急な階段が続いているのですが，その両側に杉の巨木が並んでいました。
堂々たるものです。
説明を読むと，秀吉が，秀頼の生まれたお礼として，長野から苗木を取り寄せて寄進したとありました。
樹齢は400年ほど。
この杉並木は，神社の前を通る細い道からは一切見えないので，人を案内したら大いに驚いてもらえるポイントですね。
この集落をもう少し進むと，こんどはケヤキの大木がありました。
「王街道の欅」，もしくは 「西山の欅」 と呼ばれています。
背は高くないのですが，太さと幹の傷み具合から，長い年月の風雪に耐えてきた貫禄が感じられます。
雷が落ちて，上部が失われ，内部に大きな空洞ができたそうです。
すぐ前には王街道塚古墳とよばれる古墳があったけれど，墳丘は失われてしまったらしいです。
いずれにしても，長い歴史を見てきた古木が，今も元気に葉を茂らせている姿は植物のたくましさを感じさせます。
ここから少し太い道を走り，次に目指すのは廃線跡だそうです。
と，その入り口まで来ると，新幹線の線路が目の前に。
トモちゃんにポーズを取ってもらって，新幹線とともにパチリ。
シャッタースピードはどれくらいで新幹線を止められるかなと試してみると，1/2000秒で止まりました。
ここから，廃線跡に入ります。
「伊吹せんろみち」（住友大阪セメント廃線跡）。
すぐ近くにある伊吹山は石灰岩の山で，古くから採掘されていましたが，その石灰岩から作るセメントを運び出す専用の線路として1999年まで使われていたそうです。大阪セメント伊吹工場も，その後操業を停止し，閉鎖されたとのことです。
廃線跡の道は各地にありますが，どこもおもしろいです。
車が入ってこられない場合が多く，走りやすく，なんといっても気楽です。
そして，往時を偲ばせる雰囲気が好きです。
進むにつれて薄暗くなっていき，やがて２連の隧道が現れました。
やや新しい感じではありませんが，やはり隧道はおもしろいです。
道端にクサイチゴを見つけていただきました。
野いちごの中では一番好きです。
ここが終着駅。
人を運んでいた鉄道ではないはずですが，これはあとから付けたすように作られたのでしょうか。
ここだけには線路が残されていて，あっと思いました。
線路のバラスト （敷石） が石灰石でした。
石灰石のバラストは他では見たことがありません。さすがに産地ですね。
── つづく
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