出会いを生む自転車エネルギー （２）
７月３日 岡崎で坂練 楽しい出会い
さあ，山へ。
長い坂を登る。
この日は 「坂練」 なのだ。
まず，７km の登り。
ゆっくり目だけど一定のペースで登るのは心地よい。
でも，暑い！
でも，こんな光景が現れると思わず声が出る。
坂道の先が緑に輝いていた。
なんて美しい緑。
苔や木々が自ら発光しているかのよう。
こういう瞬間に出会えるから山が好きだ。
途中，農村舞台がある神明神社で休憩。
日陰がうれしい。
さらに，どんどん登る。
「今年はまだアジサイを見ていない」
という楓さん。
平地ではすっかり終わっているけれさど、山の紫陽花が待っていてくれた。
もうすぐでピーク，というところで左手にカフェが見えた。
あまり情報がないカフェで，楓さんもどんなところなのか知らないとのこと。
しかし，「氷」 の旗が見えてしまった。
店の玄関先によくつるしてある，あれだ。
立ち寄ること決定！
ところが！
僕らの声に気づいて出てきたお店のご主人曰く
「ああ，今日，定休日なんです」
何？ 定休日ぃ～？
氷が食べられると思いこんでいる汗だく一同からは，悲鳴にも似た声が上がる。
「ああ，食べたかった～」
「残念～」
そして，ご主人を見つめる。
傍から見たら，その視線は怖いものだったかも知れない （笑）
すると，人の善さそうなご主人が
「ええっと，テイクアウトなら，かき氷作りましょうか」
と言ってくださるではないか！
（ 無理やり言わせたか… ）
一同，大喜び！
注文を済ませてご主人と話していると，この店は宿泊もできるそうだ。
夕食も提供してもらえるとのこと。
なんなら車を停めてサイクリングの出発地にしてもらってもいいなどと，うれしい話まで飛び出した。
楽しいサイクリングの計画ができそうで，一同，大盛り上がり。
カウンターの反対側にはステージもあって，ライブができるようになっている。
音楽イベントも開催されるとのこと。
ご主人はサザンの大ファンで，「額田佳祐」 と名乗ってライブに出ることもあるそうだ。
ちなみに，この辺りは 「額田（ぬかた）郡」なので，この名前にしたのだという。
さてさて，かき氷だ。
予想よりもずっと大きなかき氷が出てきた。
暑い中，ずっと登ってきたので，美味いのなんの。
ほとんど店などない山の中でかき氷。
聞けば，裏山の湧き水で氷を作っているそうだ。
最高。
みんなで気持ちよくといただいていると，ステージにあるアンプのスイッチが入った。
え？
とステージを見ると，なんとエレキベースを抱えた奥様が調弦を始めた。
続いて，ご主人（額田佳祐）がアコギをかき鳴らしながら登場。
そして，サザンの歌を２曲も熱唱してくれた。
観客は４人だけれど，さながらライブ会場のような盛り上がり。
いやいや，またまた楽しい出会いとなった。
「テイクアウトなら」 と作ってくれたかき氷だったけれど，ちゃっかり店内でいただき，おまけに生演奏まで聴かせてもらった。
ぼくらの楽しいおしゃべりが影響しただろうか。
ここを拠点にこんなライドはどうだろう，みんなを連れてきたらびっくりするだろう，お泊まりライドもいいかも，などと，にぎやかにサイクリングの計画をしていたから，サービスしてくれたんじゃないかと思う。
楽しさは相互に影響を与えて，さらに大きな楽しさへとふくらむ。
そうそう，ここの店，メニューもおもしろい。
サザンファンならずとも，このメニューが曲名のもじりであることがわかるかも知れない。
お二人に手を振ってもらって，出発。
ああ，楽しい時間だった。
このあとは，16km の登り！
長い長い登りだけど，前を走る楓さんとトモチンのおしゃべりが楽しい。
明るく，楽しい声，にぎやかな笑い声。
聞いているだけで飽きない。
まるでバッハのブランデンブルク協奏曲第５番のようだ。
（わかりにくいたとえでゴメンナサイ）
苦しいはずの長い登りが楽に感じる。
登りきったら，あとは下り。
ずっと登ってきたので，ピークから岡崎までは 30km 以上の下り基調。
下りの速い楓さん先頭で，気持ちよく下る。
岡崎が近くなると，標高が下がってくるので，もう暑い暑い。
籠田公園にキッチンカーを出している hiro cafe さんの飲み物で締め。
と思ったら，ユカさんがいた！
最近，少し調子が悪かったそうだけど，元気よく走っている。
安心した。
みんなで楽しくおしゃべりして，解散。
いい一日だった。
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