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2024/08/24
海岸の散歩を終えた類が別荘に戻ると直ぐに夕食となった。
それを食べながらも三人はやはり今日のウインドサーフィンの話になる。
「風もねぇのにジッとボードの上に立つのは難しいだろ?」
「風があった方が難しいんじゃね?」
「まあ明日の勝負はあきらと類で良い勝負なんじゃね?」
「だろうな。」
あきらは決して運動神経が悪い訳では無い。
サーフィンもそうだが波が無いとボードの上には乗れない。
それと同じ原理だろう。
「まっ、俺はボードの上じゃなく女を上に乗せる方が好きだけどな。」
ここぞとばかりに自慢気な顔をしながらあきらが告げる。
その言葉に総二郎はにやりと口角をあげ、司は不思議そうな顔をする。
「女を上に乗せる?」
「司はまだお子様だからなぁ。女を上に乗せるとは、あれの時の体位だよ。」
司に分かるように説明する総二郎。
途端、司の顔は赤く染まる。
「おまっ/// それってついに、、、やったのか?」
「まあな。俺達も15歳だし、そろそろ経験を積んでおくべきだろ?」
「何時済ませたんだ?」
「春休みにあきらとな。 もちろん相手は別々だぜ?」
司は身を乗り出して聞き出す。
一番興味がある年頃だ。
「どこでだ?」
「渋谷で綺麗なお姉さんとご飯を食べて、、、そのまま?」
「どうだった?」
「俺の場合は、お姉さんが優しく導いてくれる感じ?
もちろん知識を総動員してアレコレしていたんだけど、やっぱり実際に体験すると違うんだよな。
ほらっ、感触がさ。」
「俺の場合もお姉さんが色々教えてくれた感じだな。
焦らなくてもいいとか、そこはもっと優しく触れて欲しいとかさ。
後は挿入するタイミング? いきなり突っ込むのはNGと言われてさ。」
司はその話だけで生唾を飲み込む。
「もしかしてそれ目的でお姉さんと食事したのか?」
「まあな。 初めてを捨てるにはそれなりに経験を積んだ女性が良いだろ?
ほらっ、社会人女性は色々な鬱憤を溜めているみてぇでさ。
とにかくそれを発散させたいという目的の人もいるしさ。
もちろん後腐れはねぇ。
お姉さん的にはストレス発散出来たし、可愛い弟を一人前の男にしてやったという満足感もあったみたいだしさ。」
「それが終わった後は一緒にシャワーを浴びてさ。
こういうことは好きな女性とやってね、、と言いながら、手と口で色々とさ。
とにかく知識じゃ得られない気持ち良さと感覚?
あれは経験しないと分からないし、経験したら技術を磨きたくなるんだ。」
「技術、、、」
「そうだぜ。
初めてはお姉さん相手に緊張しながらアレコレしたけど、どうしても動きがぎこちないし自分本位になると言うか相手を喜ばせる事が出来ないんだ。
挿入後もとにかく動かすだけだったし、あっという間に終わるしさ。」
「挿入後は動かすだけだろ? あっという間に終わるのは、まあ我慢しろとしか言えねぇよなぁ。」
「司も経験したらわかるけど、ほんとに全然違うぜ?
挿入後単に動かすだけじゃダメなんだ。 強弱とか浅く深くというか。
それに挿入後あまりにも気持ち良くてすぐに達してしまうんだ。
自分でする時とは全然違うんだぜ?」
「全然違う、、、のか。」
「あぁ。 それから春休みの間に、総二郎と二人で色々と経験を積んできたから今じゃそれなりの腕前にはなったと思うけどな。」
「これでもし本気で好きな女性が現れても失敗はしないだろうし、喜ばせる事は出来るぐれぇにはなったと思うぜ。」
「なあ。 そう言う女性を見つけるにはどうしたら良いんだ?」
司は照れながらも二人に尋ねる。
もちろん二人は口角をあげ司を見る。
「だったらこの後、鎌倉にでも行くか? まずは女性を探さねぇとな。」
「やるなら今だと思うぜ? これが年齢が上がってくると、その年齢でこの技量?と思われちまうからな。」
「そうか? そうだよな。」
司は恥ずかしくはあるものの、それに興味がある。
それに今まではエッチな本やDVDを貸し借りしたり、アレの中がどんな感じなのか妄想話をしたりという同士だった。
それが一歩先を行かれた感じだ。
総二郎の言う通り今ならチェリーでも許されるが、これから歳を重ねるごとに焦りが出てくるのは間違いない。
それにアレに技量が必要だと言うのを初めて知った。
技量を磨くには経験を重ねるしかないのか、一度経験すれば後は自分で腕を磨くことが出来るのか、それも一度やってみないと分からない。
だが、チェリーボーイが一人だと心許ない。
出来れば同じチェリーボーイを巻き込みたい。
司は類を見る。
「なあ類。 お前も行くだろ?」
「行かない。」
「はあ? お前もチェリーだろ?」
「う~~ん。 チェリーと言えばそうかもしれないけど、卒業済みと言えばそうかもしれない。」
類の返事に三人は首を傾げる。
その理由にあきらが思い至った。
「もしかして自慰で卒業済みと思ってんじゃねぇよな? あれはノーカウントだぞ?」
「知ってる。 でも俺は行かない。」
「ここなら周りの目を気にする事ねぇし、遠慮なく声をかけられるぞ?」
「俺の事は良いから、お前ら三人で行って来いよ。」
どんなに誘っても類は興味を示さない。
その為、三人は諦める。
ただ三人は既に行く気満々だ。
「そうか? まっ、類がそう言っているしそうするか?」
「お前は慎重だからなぁ。」
「そうだな。 司の話を聞いてからでも良いが後悔するなよ。」
「後悔はしない。」
「そっか。 じゃあちょっと行ってくるわ。」
三人は食後すぐに出て行った。
類は、ソファーへ移動した後テレビをつけるが何も目には映らない。
俺自身はチェリーだけど経験はかなりあると思う。
もちろんそれは楓弥の経験だけど、あの時の感覚はおかしいぐらい夢の中で感じていた。
楓弥が夢精をしたあの日から閨事教育が始まったから。
今では考えられないようなことをされた。
アレを縛り上げたり叩いたり、それでどうなるのか?と思うがあれで鍛えていたつもりなんだろう。
しかも口に含んだり扱いたり、とにかくきちんと子種が出るか確認された。
次に女中が代わる代わる自分の足を開いてその部分を見せて、無理やり挿入させられた。
しかも達する前に抜かれて生殺し。
蒔乃との初夜が出来なかったことから再び閨事の再教育が始まり、同じように自分の体の上を這いまわった。
そのどれもが苦痛だったが、跡継ぎを残す役目もあり種馬としての役割も受け入れていた。
けど蒔乃と閨事をしたときは苦痛など全く感じなかった。
二度しか抱けなかったけど、特に二度目はおかしいぐらい体が喜びを感じていた。
それが今の自分にも残っている。
まるで自分が沢山の女性を相手にしたかのような感覚だ。
その苦痛と快楽の両方を覚えている。
だから俺自身はチェリーだけど楓弥としての俺はかなりの数を熟したベテランだ。
もちろん技量はあまりないけど、それでも好きな女性相手なら自分本位にはならないと思ってる。
好きな女性が自分の技量で喜ぶ姿を見ているから。
やばっ、、、
蒔乃との行為を思い出した。
夢で見た快楽にここまで溺れているんだから、親友達に知られたら呆れられるだろうな。
それこそ「それを夢精というんだよ」とか言われそうだ。
その日の明け方、三人は帰ってきた。
三人共満足したのかどうなのか分からないが、爆睡して昼過ぎまで寝ていた。
その為ウインドサーフィンの勝負は午後からとなり、前夜の疲れが残っているのか類が一位となり、次いで総二郎、司、あきらの順だった。
つくしは祖父と共に鎌倉の大仏と鶴岡八幡宮など王道の鎌倉観光をする。
もちろんすごい人だ。
だが初めて見る大仏や大きく綺麗な寺に感嘆の声を上げ喜んだ。
そしてあっという間にGWが終わった。