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こっちを向いてよ


◆こっちを向いてよ◆ 

祐哉は入部する部活を探していた時に一つ上の先輩、伊織に一目惚れをした。それ以来隙あらばアタックをしている。
困惑しつつも後輩として仲良くはする伊織だが──


*この話は読者様であるまちこ様から頂いたキャラクター設定を元に書かせてせて頂きました。 キャラクターを拝借した形になりますが、文責はかなみにあります。

*赤→R指定



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S1.初めての旅行デート1
S2.初めての旅行デート2
S3.初めての旅行デート3

 

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こっちを向いてよSS「初めての旅行デート1」

冬休みも基本的にほぼ部活に明け暮れていた。それ自体には何の不満もない。元々アメリカンフットボールが大好きだし祐哉と付き合ってからも部活をおろそかにするつもりはなかった。
ただ、と隣でとてつもなく嬉しそうにしている祐哉を見て伊織はぎゅっと口元をきつく閉じた。そうでもしないとこちらまでにやけてしまう。
ただ、中々二人の時間が取れずでおそらくフラストレーションを溜めているであろう祐哉を思うとたまには休みを取って通常休みと共に祐哉との時間をたっぷり過ごすのも悪くない。

なんて、違うな。
俺も祐哉と一緒に過ごしたいのだから。

先ほどから嬉しさを隠そうともせず色々話しかけてくる祐哉を見ながら伊織は思った。
連休を使って二人はテーマパークへ来ていた。実はずいぶん前から予定していたため、二人とも小遣いを頑張って貯めての一泊旅行でもある。
基本部活中心だと練習試合などを除いて普段はあまり電車を乗り継いで出かけることもないため、移動するだけで既にテンションは上がっていた。だからだろうか。祐哉に「これ買って着けたい」と言われたテーマパークキャラクターの耳付きカチューシャを、いつもなら「絶対嫌」と言うであろう伊織も抵抗なく着けていた。テーマパークマジックもあるのかもしれない。
最近は男だけでもここで過ごす人が増えたと聞いていた通り、伊織たちも特に変に目立たない。いや、違う意味では目立っているのだろうか。背だけでなく顔面偏差値も高すぎる祐哉をチラチラ見てくる人は少なくない。ただそれは今に始まったことではないので伊織も気にしないようにしている。というか嫉妬はどうしてもしてしまうが、モテる相手を好きになりしかも付き合ってしまったなら言っても仕方がないと諦めているというのが近いかもしれない。

「さっきのさ、落ちる瞬間のお前の声」
「何フいてるんですか。それ気のせいですから」
「あんな高い声聞いたの初めてかも」
「もうほんと黙って……。つーか伊織先輩の三半規管どーなってんですか。何乗っても余裕そう過ぎなんですけど猫なんです?」
「んな訳ねぇだろ」

意外にも祐哉は絶叫系はさほど得意ではないようだ。いくつか乗った後に顔色が少々優れなさそうな様子に伊織も心配になり「休憩するか?」と聞いた。

「しませんよ。何言ってるんですか」
「意地にならなくてもいいだろ」
「違いますー。意地じゃないですー」
「何だよじゃあ」

思わず笑うと祐哉が少し身をかがめてそっと囁いてきた。

「先輩がほんっと楽しそうだからそれ見てたいんです」
「っチャラい」
「何で!」

久しぶりのこういった場所だけについ普通に楽しんでいた伊織は今更ながらに「好きな相手と来ていたんだ」と思い知った。変に顔が熱くなる。まさか自分が恋人とテーマパークで一緒に過ごす日がやって来るとはと改めて実感すると緊張さえしてきそうだ。とはいえ相手はさすがにもう付き合いも慣れている祐哉なので実際のところそれはないが、そわそわはした。
気を取り直して次のアトラクションを目指す。普通の遊園地と違って絶叫系以外にも色々と楽しめる乗り物はある。あまり温い感じは男二人で楽しむには少々居たたまれないものもあったりはしたが、それでもそれなりに楽しめた。祐哉が事前に時間指定予約券を取ってくれているおかげで大抵のものは酷く並ばずに乗れた。その合間に別の空いていそうなアトラクションへ向かったり食事をしたりして二人は十二分にテーマパークを満喫した。途中テーマパークのキャラクターたちを見かけると一緒に写真も撮った。被り物の中の人は大抵ノリがいいからか、つい変なポーズをしても合わせてくれたりして撮るだけでも楽しかった。土産は家族だけしか買っていない。学校の友人は大抵部活の仲間でもあるため、土産物が被ると一緒に行ったとバレてしまうからだ。

「別にバレてもよくありません?」
「よくない」
「俺、本当は皆に言って回りたいくらいなんですけど」
「とてつもなくやめてくれな、それ」

皆がいいやつなのは伊織も分かっている。だがさすがに祐哉と付き合っているとは言う気はない。伊織が元々ゲイかバイだったなら考えも違ったのだろうか、祐哉以外男に興味がないから隠したいのだろうかと考えてみたことはある。だがそうじゃない自分がどう思うかなど分かる訳がない。ただ、ゲイだったならそれはそれできっと苦しんでいただろうし、やはり言えない気はした。
ゆっくりと最後のパレードも楽しんでからテーマパークを出ると少しだけそこから離れたところにあるホテルへ向かう。学生の身ではさすがにテーマパーク最寄りのホテルは手が出せない。頑張れば何とかなるのかもしれないが、貴重な資金は他にも回したい。

「お風呂、一緒に入りますよね」
「何当たり前のように。入らないけど」
「何で! せっかくのお泊りなんですよっ? 普通入りますよね? お風呂広いですし大丈夫ですよ」
「何が大丈夫なんだよ。遠慮しとくわ」
「は? 遠慮される意味が分かりません。だって今更じゃないですか、俺、伊織先輩の体、もう隅から隅まで知ってま──」
「そういうこと言うなよもう!」

一気に熱くなる顔を感じつつもじろりと睨むとむしろ嬉しそうに笑われた。伊織は祐哉を無視して一人で入った。










二人のその後が読みたいとリクエスト頂いて。
頂いたのは少し前で書いたのも少し前ですが更新順の加減でずれました。









2020/02/18




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こっちを向いてよSS「初めての旅行デート2」

いっそ大きな大衆浴場なら普通に入られたと思う。背はもっと伸びるはずだと今も尚思ってはいるが、運動している体は綺麗に引き締まっているし別に自分の体にコンプレックスは特にない。公共の風呂に抵抗はないし、こういう時は男同士は楽なのかもしれない。
いや、付き合う前や付き合った当初なら大衆浴場だろうがプールだろうが馬鹿みたいに意識してしまい、自分の未熟さ故に油断ならなかったが、さすがに今ではそれくらいなら普通に過ごせる。
だが祐哉と二人きりの風呂などまだ無理だ、落ち着かない。確かに隅から隅まで見せているだろう。だがそれとこれとは違う。

「絶対普通に入るだけじゃ済まないし……」

呟いたところで体の奥がぶわっと逆立つかのような感覚がした。

祐哉とはめでたく、と言っていいのか、そういった関係にもなっている。部活をやっている高校生としては中々そういう時間を取れないが、何とかそれなりにしているように思う。
最初は中々だったし散々だった。一応お互いに抜くくらいは付き合って間もなくするようになったものの、そこから進まない。祐哉も男との経験はさすがになかっただろうし伊織に至っては誰とだろうがない。その上ひたすら積極的だったはずの祐哉が遠慮というか、変に伊織を気遣って出来ない様子だった。
伊織としては上になるか下になるかも考えていなかったが、おそらく祐哉の中では伊織が下以外考えもしていなかったのだろう。からの気遣いのようだった。

だったらお前が下になれ、とは思わず結局先へ進めたのは伊織だ。だって仕方がない。男同士での行為について恐怖もあったが、高校生の性欲を舐めてもらっては困る。それにプラス、相手が女だろうが男だろうが好きな人と最後までしたい気持ちに違いはない。
進めたはいいが何度か挑戦しても中々出来なかったし、ようやく祐哉のものを受け入れられても予想より痛くて苦しかった。それはそうだろう。出すところに入れるのだから。ただ、尚更自分が受け入れる側でよかったとも思った。祐哉に痛い思いをさせたくない。自分が痛いほうが何百倍もましだ。それに祐哉は今にも泣きそうな顔で「受け入れてくれてありがとうございます」なんて喜んでいた。それだけでも痛い思いをして最後までしたかいがあると思えた。

そんなだったのに、その後回数を重ねるごとに痛さよりも気持ちよさがじわじわ勝っていった。正直信じられなかった。尻の穴にあれを突っ込まれて、それが気持ちいいなんてAVの世界観だけの話だろうとさえ思っていた。ちなみに男同士のそれはすぐに見る気が失せたので男女ものでのアナルプレイ視聴なのだが、はっきり言って演技であろう女優や女優に指などを入れられている男優よりも自分のほうがよほど気持ちよさを感じているのではないだろうかなどと伊織はそろそろ思っている。

「先輩、風呂長い。溺れてるのかもっていい加減様子見に行くとこでした」

風呂から上がれば祐哉が駆け寄ってきて伊織をぎゅっと抱きしめながらそんなことを言ってくる。

「どうやって風呂で溺れんだよ……。長いのは仕方ねえだろ。……準備もしてたし……」
「はぁっ? もー。先輩がやる気満々なのは嬉しいけど、こんな機会めったにないんですよっ? こないだ絶対俺にそれさせてって言いましたよね?」
「やる気満々とか言うな。それにその時俺は嫌って言ったよな」
「おまけに何でまた服着てるんです」
「次お前入ってる間、俺に裸で待ってろってか」
「だから一緒に入ればいいんですよ。あと、バスローブあるじゃないですか」
「あんなの着たくない」
「もー先輩わがままばかり」
「なぁ、わがままか? これわがままか?」

付き合う手前にあれほど伊織は逃げ回っていたとは思えないほど、お互い気安く言い合う。その内祐哉は「別にお布団の中で裸で待っててくれてもいいんですからね」などと言い残すとバスルームに入って行った。
普段高校生のしかも男同士でラブホテルなんて中々使えず、どちらかの家で家族のいない隙を狙っての行為が基本だけに、伊織はテレビをつけてもそわそわ落ち着かなかった。普通のホテルなのであらかじめ持ってきていたローションやコンドームを用意しバスタオルをシーツに敷くと、結局服を脱いで布団の中で丸まっていた。

「言われた通り裸で待っててくれたの? 先輩どしたんです、可愛い」
「別にお前の言う通りにしたつもりじゃねえよ」
「じゃあ、何ですか」

出てきた祐哉が嬉しそうにベッドに入りながら聞いてきた。入る際に掛け布団の隙間が空いたため、すうっと冷たい空気が伊織の体を撫でる。

「寒い」

中に入ってきた祐哉に触れると人肌がとてつもなく気持ちがよく、ぎゅっと抱きしめると抱き返された。

「わ。甘えてるんです?」
「違う。寒いの、お前が布団ちょっと上げたから」
「えー、それだけ?」
「そんだけ」
「まぁいいですよ。じゃあ今から暖まることしましょう」
「ここでお前が『俺が暖めてやる』とか言い出したら凍えるとこだった」
「うわー、もうちょっとで言いそうでした」
「馬鹿だろ」

布団の中で絡まりながら、ひたすらそんなことを言っては軽く唇を啄み合った。だんだんと体と、そして心も暖まってくる。

「伊織先輩。大好き」
「ライト消さねえ?」
「ここは俺もって返すとこですよ」
「……後で返すし」
「後っていつ? 行為中?」
「いいからライト消せ」
「もう。雰囲気!」

わざと唇を尖らせながら、祐哉が布団から少し身を乗り出してベッドのヘッドボードにあるライト調整に手を伸ばした。










書いたものをいつものようにミムさんに読んでもらってたら、一話目の時点でこの二人は男子高校生って感じ強いって言われ。
BL関係なくDKのじゃれ合いがとても大好きだけにちょっと嬉しかったです。









2020/02/19




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こっちを向いてよSS「初めての旅行デート3」

 *R-18指定あり注意

今回のお話は性的表現が含まれる部分がございます。
18歳以上でR指定大丈夫な方のみおすすみ下さい。




 

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こっちを向いてよ4

練習試合をした際にコーチやキャプテンは新入部員たちの適性を見ていた。
その結果、祐哉がラインバッカーと言われたのは伊織からしても納得出来た。

ラインバッカーはオフェンスが繰り出すプレイ全てに関わるポジションだ。オフェンスの司令塔がクォータバックなら、ディフェンスの司令塔はラインバッカーだと思われる。
リーダーシップだけではない。
ランプレイにおいてはタイトエンドやフルバックのブロックに打ち勝つ強さや勇気が必要になる。パスプレイにおいては各所へのパスを阻止することが求められる。
頑強さに加えてオフェンスに対して即座に反応できる俊敏さと守備範囲の広さも必要で、ラインバッカーがキャプテンを務めていたりするチームも多い。
そんなラインバッカーは祐哉に合っていると伊織は思う。

一見、というか実際チャラい上に調子のいい甘えたといった認識を伊織は祐哉に対して持っているが、意外にもしっかりしており判断力もあるとも思っている。
また運動神経がよくて何でもこなす上に頭もいい。
何というか、あえて例えるならば人懐こいけれども優秀な大型犬のようなタイプとでもいうのだろうか。

ただ本人にラインバッカーが合っているとは言っても、そういった長所を伝える気はない。意地悪をしているのでも嫌がらせをしているのでもなく、ある意味保身の為だ。伝えた途端、考え過ぎかも知れないが押し倒されて結婚でも迫られそうな怖さがあるのだ。

だいたい、何故自分なのか。
伊織は何度もそう思った。

告白された時、本人に確認したので祐哉がゲイではないことは知っている。ついでに言うとバイでもないらしい。それなら伊織も対象外だろうと百万回だって言い聞かせたい。
そもそも自分は可愛い顔をしている訳でもないと伊織は微妙な気持ちで思う。
もちろん可愛い顔だったら良かったなどと思っているのではない。ただ何とか男を捨て置いたとしても、祐哉がゲイでもバイでもないなら尚更、女に見えるような可愛いさもないのに何故なのだと疑問しかないのだ。
小学生である妹はまだ「お兄ちゃん好き」だと言ってくれるが、それ以外で女にモテた記憶がない伊織としては、まさか男から告白されるなんて思ってもみなかったことだった。

最初はとりあえずドン引きだったのだが、次第に半信半疑にもなった。
告白された時に即答で断りを入れたというのに、祐哉は全く堪えた様子もなく平然としていた。本当に好きなら、断っておいて言うのもアレだが、落ち込んだりするものではないのか。今ではアメフト一筋の伊織だが、中学の頃に好きな相手が出来たものの相手に彼氏が出来てしまい、告白することもなく勝手に失恋した時はかなり落ち込んだほろ苦い思い出がある。
だが「お前、俺のこと好きってのほんとは冗談だったんだろ?」などと言おうものなら鬱陶しいことになる。

「気持ちをちゃんと言葉にしたのにまだ伝わってないんですか? なら、もっといくらでもどんな手段でもひたすら俺、伊織先輩に好きだって伝えますけど」
「いや、悪かった……遠慮させてくれ……」

ただでさえ断ったにも関わらず隙あらば祐哉は諦めていないと言動で示してくるのだ。触らぬ神になんとやらで伊織は流すことにした。

流していると、祐哉は結構いいやつだったりする。
普段は「伊織せんぱーい」とやたら甘えてくる部分もあるが、本人の見た目や性格だけでなく実際後輩でもあるので正直伊織も可愛いなとは思う。これは他の部員も思っているようで、祐哉は部内でも可愛がられている。伊織と同じクラスの女子が言うには「カッコいい上に背も高いのに母性本能も擽られる」のだそうだ。母性愛はさすがに伊織は持ち合わせていないが、分からないでもなかった。
またラインバッカーというポジションを推されるだけあり、先ほども述べたがあれでも結構しっかりしており、一年生という後輩ながらに頼り甲斐もある。祐哉にならプレイを預けても大丈夫だという安心感というのだろうか。

だからなのか。
気づけば告白された当初にしていた警戒はともすれば薄れるどころか忘れがちになる。
いや、むしろ忘れていいのではと思うこともある。
だがそうすると油断した頃に祐哉が油断ならない言動をしてきて否応なしに思い出すのだ。

そういえばこいつは俺が好きだったな、と。

そして改めて意識する羽目になる。
まさかわざとじゃないだろうなと考えてみたこともある。
わざと油断させ、そしてあえて思い出させる。その度に、出来れば後輩として以外考えたくないし流したいと思っている伊織は祐哉をむしろ何度も意識することになる。

「いやいや、まさかな……」

いくら伊織に「好きだ」などと言ってくるよく分からないヤツでも、あんなに人懐こそうで甘えたな後輩がそこまで考えている筈はないだろう。
わざとな訳がない。多分、恋愛慣れしていない伊織が未熟なのだろうと、そして結論付けた。

「Down! Hut!」
クォータバックのスナップカウントに伊織はハッとなる。

先程祐哉が声を掛けてきた。

「同じオフェンスに立てないなら、せめてどんな攻撃にも対応出来る男になりますから見ててくださいね」

ニッコリ微笑んだ後にマウスピースを付け、ヘルメットを被った祐哉をまた意識してしまい、集中が疎かになるところだった。
冗談ではないと伊織は気合いを入れ、練習とはいえ試合に集中した。

キックオフ以外のプレイはスナップから始まる。スナップというのは攻撃開始地点にいる、基本センターポジションの選手が敵側のディフェンスと向き合いながら、股の間から後方にいるクォータバックにボールを投げ渡すことを言う。
バスケットボールでのジャンプボールに多少当たるのだろうか。とはいえジャンプボールではボールは中立だが、アメフトのスナップではオフェンスのボールと決まっている。ディフェンスはその後動いたボールを奪うか阻止するのがプレイとなる。
そしてこのスナップのタイミングを合わせる為にクォータバックが大声でカウントを合図するのがスナップカウントであり、伊織たちオフェンスはスナップを見るのではなくこの合図に合わせてプレイを開始する。

そのクォーターバックからのパスに気づき、既に走り始めていた伊織はボールを受け取った。瞬時にブロッカーが作ってくれた隙間を見いだし走り抜ける。
ディフェンスが止めに仕掛けてくるのをすり抜け、ひたすら走る。
あともう少しでタッチダウンだという時、伊織のコースを読んでいたらしいディフェンスの一人がタックルを仕掛けてきた。

ボールを持っている時にタックルされたタイミングでダウン、要は一回の攻撃が終了となる。その為いかにタックルを避け少しでも長い距離を獲得出来るかがポイントにもなる。
スピードを緩めて、もしくは緩めないまま避けるか立ち向かうかパスをするか。瞬時に判断しなければならない。

って、祐哉か……!

ディフェンスの相手が祐哉だと分かった時点で、スピードを殺さないままのカットバックという急激な方向転換のタイミングを逃した。










ボール運動は得意なのですがテニスだけは駄目。
多分何人かまとめて教えてもらった時に利き手が逆で最初から混乱したせいだと思ってます。サウスポー辛い。









2018/03/11

 

 

 

 

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