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ハンドジェルや洗剤はOK? リングが傷む原因と正しいセルフケアの方法

心得ておきたい注意点を、ダイヤモンドジュエリーのスペシャリストが伝授!

新型コロナウィルス感染症の拡大を受けて、ソープでの手洗いや、抗菌ハンドジェルを使用する回数が一段と増えている今。ふと「大切なリングは、着けたままでいいの?」…そんな疑問が頭をよぎった方もいるのでは? そこで今回は、基本のジュエリーケアを押さえつつ、“ウィズコロナ”時代に気を付けたいお手入れ方法をレクチャー。選び抜かれたダイヤモンドだけを取り扱う「フォーエバーマーク」認定ジュエラーのトミヤコーポレーション常務取締役・古市明子さんにASK!


Q.1 そもそも、ダイヤモンドの輝きが損なわれる原因は?

「安定性の高いダイヤモンドは、基本的に変質や腐食がなく、キズにも強い宝石。ただ、油となじみやすい“親油性”という性質があるので、油分の高い化粧品や日焼け止め、ハンドクリーム、汗や皮脂などが付着すると、まるで膜が張ったように、ダイヤモンドの輝きが鈍くなってしまいます」と古市さん。      調理や食器洗いでも油分が付着するので、ダイヤモンドリングをつけたまま家事をするのはNG。香水やヘアスプレーにも油分が含まれるので要注意!


Q.2 マリッジリングは着けっぱなしでもOK?

「プラチナや18金ゴールドはダイヤモンドと同様、基本的に腐食の心配はありません。が、日常使いで生じる小さな傷に、皮脂や油が入り込むことで、金属の輝きが鈍くなります。また18金ゴールドには、シルバーや銅といった酸化や硫化する成分が割金として使われるため、時間の経過で変色することも(古市さん)」 それぞれ変質ではないので、洗浄することで大半の問題は解決するそう。ただ長時間放置してしまうと油汚れが固まったり、ゴールドは内部まで変色してしまうこともあるので、自宅でまめに洗浄するのがおすすめ。


Q.3 コロナ禍で頻繁にソープで手洗い。着けたままはNG?

「リングを外さなくとも、石鹸の成分がダイヤモンドや地金の品質自体に影響を及ぼすことはありません。リングを着けたまま手洗いをしたときによくあるのは、“手荒れ問題”。リングの下に滑り込んだ石鹸が手に長く付着することで、水ぶくれのようになることがあります。そうなった場合は、完治するまでリングの着用は停止しましょう。悪化したり繰り返す場合は、アレルギーの可能性もあるので、皮膚科に相談してください(古市さん)」


Q.4 抗菌ハンドジェルはリングを傷つけそうなイメージだけど?

「ハンドジェルの成分であるアルコールやエタノールは、ダイヤモンドや地金の汚れを取るときに使用するものなので、品質自体には影響はありません。ただ、まんべんなく手で伸ばすときに、皮脂がつく可能性があります。気になる方は外すことをおすすめします(古市さん)」      ちなみに、手すりやドアノブなど、身近なモノの表面の殺菌消毒に有効とされる“塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)”は、18金ゴールドの割金で使われる銀に反応して塩化することも。塩化による黒ずみはかなり手強いので、使用する場合は外すか、手袋をはめて。


Q.5 外出自粛後、真っ先に行きたいプールや温泉。着けたまま入るのはアリ?

「ダイヤモンドやプラチナに関しては、変質・変色という点では問題はありません。18金ゴールドは、温泉成分の硫黄に反応する銀が含まれていることがあるので、黒ずみの原因に。洗浄で元に戻るケースも多いですが、気を付けておくとよいでしょう。つけたまま水に入ることの1番の問題は、水に入っている間にダイヤモンドが石座から取れる可能性があること。これはプールや温泉に限らず、普段の手洗いでも起こりうることです。     


ダイヤモンドのリングは普段身につけるうちに、石留めが緩んでいる場合があります。弊社ショップに洗浄にいらしたお客さまのうち、約2割の方の石が動いていて、洗浄機の中で石が取れてしまうことも。水の中で落ちた石を探すのは、本当に大変。そんな危険を避けるために、リングは外して入ることをおすすめします(古市さん)」      外す際は必ずジュエリーポーチに入れる習慣をつけると、紛失の心配もなし。


Q.6 ダイヤモンドリングを自分でお手入れする方法は?

「ダイヤモンドも地金も、中性洗剤(刺激の少ない食器用洗剤)を数滴垂らしたぬるま湯を洗面器に張り、柔らかいブラシで磨きます。表面はもちろん、汚れは石座の下に溜まりやすいので、爪の間からていねいにブラッシングしてください。汚れが落ちにくい場合は、短時間つけ置きしてブラッシング、を繰り返して。ブラシは使い古した歯ブラシでもいいですが、歯磨き粉が残っていた場合、その研磨剤でダイヤモンドを傷つけてしまうことも。不安なら新しいものを用意しましょう(古市さん)」  


水ですすいだ後、柔らかい布で水分を拭き取れば、見違えるほどキレイに。どうしても落ちない汚れは、ジュエリーショップの超音波洗浄に任せて。半年に1回、ショップで洗浄するのが理想だそう。大切なリングを長く楽しむためにも、ぜひこまめなケアを心掛けて!


お話を伺ったのは… 古市明子さん

今年で88周年を迎える岡山の老舗ジュエリー&ウォッチショップ、トミヤコーポレーションの常務取締役。自社ブランド「ベルブランシュ 」の ディレクションのほか、「フォーエバーマーク」のセールスアンバサダーも務め、同ブランドのダイヤモンドジュエリーのデザインも数々手がける。2017年に男児を出産し、育児をしながら仕事に奮闘中。

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