716　読んで思い出した話。私の武勇伝ではないけど。

バスに乗ってたら、完全に出来上がったおっさんが乗ってきた。
おっさんは、最初チラッと他の乗客に絡み、
運転手に注意されたら吸い寄せられるように運転席に近づいて
なんだかんだと運転手に絡み始めた。
「座って」言われるので運転席の横の席に座ったり立ったりしながら、
演歌がどうとか、全く脈絡の無い話をひたすら話し掛け続けるのだけど、
運転手が反応しないと（当たり前だけど）横に寄って怒鳴りつけたりするので
運転手も、無視するでも相手するでもなくって感じで適当にあしらう。
でも、適当にあしらわれてるのはやっぱり分かるらしく
おっさんは少しづつ危険水域に近づきつつあるように見えた。
真昼間のことで、バスの乗客はおばちゃん、おばあちゃんがほとんど。
私が唯一若いぐらい。これから起こるかもしれない展開をどう阻止したらいいのか、、
でも下手に手出し口出ししてなんとかなるのか？と思い、迷い始めていた。
と、バス停でもないのにバスが止まった。
運転手は、おっさんの肩をぽんと叩き「ちょっと待ってて下さいね」というとバスを降りていった。
おっさんは「なんだぁ、逃げるのか」と吠えつつ、座席に沈んでた。
程なくして「さあ、お客さん降りて降りて」いいながら入ってきた人は警察官の制服を着ていた。
動転してすっかり忘れていたけど、バス路線の横には交番があったのだ。
おっさんは交番の中に無事に格納され、
戻ってきた運転手は「お待たせしました」とだけ言って何事も無かったようにまたバスを走らせた。
そこに交番があることを考慮に入れながら、運転手は冷静に対処していたのだろうと思った。
武勇伝言うよりは、プロの対応を見せてもらった出来事だった。

なんて爽やかな対応なんだ。
さらりと対処できるとかっこいいね。