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837: 修羅場家の日常 20/03/13(金)07:52:58 ID:Ll.zj.L1

嫁さんが妊娠してからその体の変化に驚きの連続だった。




見た目ももちろん変わるが、体の中から構造がどんどん変わっていくのが感じられて、最初は怖かった。
嫁さんの体が全く別のものになるようで。
実際に嫁さんの体の構造は大きく異なってしまったと今でも感じてる。
妊娠出産した事のない女性の体には二度と戻れない、不可逆性の大きな変化は、育児中にありありと突きつけられる。
年を重ねて二十歳を超えて、あとは衰えていくだけの体から、真新しい体をもった命が生まれてくることも
考えれば考えるほど奇妙なことのように思えて、やっぱり嫁さんの体が少し怖かった。
神に感じる畏怖的な怖さ。
生まれてきた命もふにゃふにゃで、今にも壊れそうで怖かった。
生まれて1ヶ月すぎて、やっと触っても壊れないと認識できたほど。
子供を生んだことのない、なんの知識もないという義姉さんが結構荒っぽく扱っても、泣きもせず、
ミルクを飲んで、すくすく元気に育ってるのを見て、見た目に反するその丈夫さと生命力に驚く。
そしてその命に比例して嫁さんがどれほど命を削ったのかと思うとまた怖くなる。

よく、出産を終えた妻や新生児を平気で放置する父親を見るが、俺は怖くて怖くて目を離せなかった。
二人共尊い存在で、同時に儚い存在にも見えて、最初は眠るのも怖かった。
実際俺が当番のとき、ミルクを求めて泣いていたのに、起きられなくて、声に気づいた義姉さんが代わりにミルクを与えてくれた。
自分の子どもじゃない義姉さんや義母さんですら、一階で泣く声を二階の自室で耳にして起きてきたのに
俺は全く起きることが出来なくて、自分が情けなくて仕方なかった。
嫁さんにも謝ったけど、嫁さんも義姉さんも義母さんも、「これが男女差なのかもね」と言って責めなかったし、
俺が当番のときはさりげなく義姉さんが気を配るのも伝わってきて、これもなさけなかったし、ありがたかった。
義姉さんは俺たちとちがって育休があるわけじゃないから、働きながら深夜まで気を張ってくれてた。
義母さんは3日に一度は俺と嫁さんがまとめて眠れるよう、日中4時間から6時間泣かさないようにずっと育児をしてくれてた。
家事もずっとしてくれてた。

妊娠・出産・育児ってとんでもなく周りに迷惑をかけるし、支えられてできるものだと実感した。
夫婦ふたり、ましてや育休あけた男の俺が育児に対してできることなんて、誇張じゃなく、1%もないと思う。
嫁さんでも50%。
残りの49%は周りに支えに支えられて成り立ってる。
男は子供を望むが、それに応えてくれた女に対してできることのなんと少ないことか。
情けなくて涙が出る。
俺には働いて二人を養うための外貨を稼ぎ、家事をすることしか出来ない。
子供が成長したら、俺のできることは少しでも増えるんだろうか。


引用元: 何を書いても構いませんので@生活板84