▼給砂装置を以前作ったベースに取り付けることにしました。▼高山機関区の給砂装置はブロック塀で囲われていたので、再現することにしました。用いたのは津川洋行のデザインプラスチックペーパー「タイル長方形150(NDP6)」で簡単にブロック塀を再現することができました。▼給砂装置のパーツごとに塗装しました。まず、金属部分を塗料の食い付きを良くするため、ガイアノーツのガイアマルチプライマーで塗り、さらに下地を処理のため、サーフェーサーを吹き付けました。▼基本色として当初はクレオスの軍艦色2(32)で塗装しましたが、当時のカラー写真で確認すると真っ黒なので、ガイアノーツのフラットブラック(012)に塗り直しました。▼給砂装置には大きな時計が取り付けられていたので、プラ板を丸く切り取り、時計の文字盤は縮小したものを貼りました。▼それぞれ塗装して組み立て、汚しを施しました。▼苦労して作った夜間照明灯①や時計②は肉眼では注意しないと見過ごすくらいの小ささです。▼給砂装置の傍にドラム缶が置いてあったので、KATOの「スポート・変圧柱(23-228)」のオマケのドラム缶を利用して取り付けました。▼土の表現としてモーリンのリアルサンドのライトブラウンと(TR-03)とブラウン(TR-04)を用い、同社のスーパーフィクスで固着しました。これで給砂装置の情景は完成です。
○LEDの取り付け
高山機関区の給砂装置には夜間作業用に2基の照明灯が取り付けられているので後付けになりますが、再現することにしました。
▼光源はチップLEDを用いることにしましたが、このままを電球とするには大きくスケール感を損なうので0.25ミリ径の光ファイバーを利用することにし、光洩れを防ぐために真鍮パイプでカバーすることにしました。▼各パーツを組み立てたところです。▼給砂装置上部に光源パーツを組み込み、光が漏れないようにウェーブの黒い瞬間接着剤でフタをしました。▼さらに内部を隠蔽力が高いガイアノーツのアルティメットブラック(032)で塗りました。▼何とか給砂装置に光源を組み込むことができました。▼照明灯のオワン状のカサは凸凹の型を作り、0.25ミリ厚のプラ板を熱く炙って型に押しつけるヒートプレスにより量産することにしました。▼その後、円形に切り取って完成です。最終的にカサの直径は約2.5ミリになりました。
○組み立て それぞれ製作した部品を鉄塔に取り付け、基礎となる土台(厚さ1ミリのブラ板)に本体を接着して完成です。
なお、塗装は後日、給炭装置などとまとめて行うため、当分の間は未塗装のままになりますが、塗装後は素材が分からなくなるため、現時点の未塗装状態の写真は貴重ともいえます。
また、時計は本体とは別の色で塗装されているため、塗装後に取り付けます。
▼正 面。(当時の位置関係でいえば、南側からの撮影した状態。以下、カッコ内は同様)▲作業や点検のために梯子を設置しました。
▼右側面(東側からの撮影)▲正面及び背面から見ると鉄塔の形状は上に行く程、先細りの形状になっていますが、高山機関区の給砂装置の鉄塔側面形状は四角い形状になっています。これはアドバンスのペーパーキットとは解釈が異なり、楠本氏の図面と同じ解釈です。
▼左側面(西側からの撮影)▲右側面と同一形状です。実物同様に梯子を斜めに取り付けました。
▼背 面(北側からの撮影)▲梯子が無い点や作業デッキの形状が正面とは異なります。
▼少し上から見た様子▼このアングルの方が全体形状や詳細を理解できると思います。▼最後に大きさ比較のために、作品の横に500円コインを並べてみました。
○給砂パイプ 砂箱から機関車へ砂を運ぶパイプの長さは、高山機関区のものは標準的なものより長いことが写真から確認できました。短ければ、プラ棒でもよかったのですが、強度を考慮して真鍮線を用いることにしました。なお、太さは設計図などから0.6ミリ径としました。 また、先端を平たくして0.3ミリの孔を開け、0.3ミリ径の真鍮線を通して可動できるようにし、その部分は実物ではカバーが被せられているので、そのカバーを薄いプラ板で表現しました。 なお、このパイプには操作用のロープがありますが、省略しました。○作業用デッキ 砂箱の下には作業用のデッキがあり、その床面は滑り止めがあると思われるので、ハセガワのエッチングパーツ(モデリングメッシュ21菱形(M)PA-61)を貼り付けました。 作業用デッキの実物の手すりは、鉄塔と同じくアングル材で作られていますが、模型では0.4ミリと0.3ミリのプラ棒の組み合わせで再現し、デッキに取り付けました。○砂箱の手すり 砂箱の手すりは0.4ミリのプラ棒で再現し、最後の工程で取り付けました。○梯 子 梯子は悩んだ末にコバルのエッチングパーツを用いることにしました。 なお、長さが不足しているため、2つの梯子パーツをハンダ付けして接合しましたが、パーツはステンレス製なのでフラックスはステンレス用のものに代えています。○時 計 作業用デッキの下に時計が取り付けられており、高山機関区独自の装備です。プラ材で作り、塗装後に取り付けることにしました。○給砂接続部 給砂箱への砂の補充は地上の貯蔵場所である砂焼小屋からパイプを通じてエアーポンプにより運ばれています。その接続部が給砂箱の上部にあるので、真鍮線などで基本形状を作り、ブラ材とパテで成形して仕上げました。 なお、給砂装置と砂焼小屋とをパイプに見立てた真鍮線でつなげる必要があるので、後から接続部に真鍮線を差し込めるように真鍮パイプを仕込んでいます。
次回は組み立てになります。【募 集】
昔の高山駅や高山機関区、高山本線を走った蒸気機関車の写真や映像を模型製作のために収集しています。
ご提供いただける方はメールフォームにてお知らせください。
○写真資料 インターネットや本から高山機関区に存在した給砂装置の写真を集めたら8枚になったのでパソコン画面に並べてディテールの参考にしました。○鉄塔部分 インターネットで見つけたイラストが、模型を製作するための設計図としても利用できると判断し、150分の1に縮小コピーしました。
模型を製作する素材として強度面から真鍮を利用すべきですが、ハンダ付け箇所が多く、後付において先付したハンダが融けてバラバラになることを恐れ、扱い慣れたプラ材を用いることにしました。 また、実物の給砂装置の鉄塔は断面がL字型のアングル材をボルト接合により組み合わせたトラス構造になっていることから、当初はアングル材を再現してみましたが、太くなるためプラの角材としました。
製作は、設計図として利用したイラストの上に両面テープを貼り、その上にプラ材を乗せて接着していきました。使用したプラ材は、4本の脚柱を0.5×0.5ミリの角材とし、トラス構造の部材(水平材、斜材)は0.2×0.5ミリの角材を用いました。 なお、高山機関区の給砂装置の鉄塔はイラストより高いものなので、1段分高くしています。
同じものを2つ作り、水平材と斜材により連結することで鉄塔が再現できました。○砂 箱 鉄塔の最上部にある砂箱(1.25t×2)は図面や写真資料を見ながらプラ板からパーツを切り出し、組み立てました。 なお、緑色の部分はパテで、隙間を埋めるため使用しました。