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十字架のカルテ 知念実希人

高校生のとき親友を殺された凛は、何らかの理由で犯人の名前が開示されないことに不満を持っていました。

医学部を卒業し、凛は精神科医として働き始めます。そして精神鑑定医を目指すべく、彼女が働く病院の院長であり精神鑑定の第一人者である影山に弟子入りを志願いたします。

歌舞伎町で無差別殺傷事件を起こした白松。事件当時名乗りを上げる所をカメラに撮られ大騒ぎに。意味不明な発言を繰り返し、事件以前統合失調症と診断されていた。影山に鑑定が依頼され面接と並行して白松の周辺を調査していく「闇を覗く」
我が子を殺し自室から飛び降り大怪我をした横溝。産後うつと診断され不起訴になると思われたが、突如悪魔に脅されたと言い始める「母の罪」
引きこもりの弟が同居の姉を刺す事件が発生。幸いにも命に別状なく、彼女の証言によると弟は「ぶっ殺してやる」と叫んだとのこと。しかし彼は明らかに統合失調症を発病しており、その発言は病状とそぐわない。そこで家族に話を聞きに行く「傷の証言」
傷害致死事件の裁判で犯人側は心神喪失による無罪を主張。しかし影山は詐病であるとするが、事件直後「殺すつもりはなかった」と言っていたと証言する被害者の父親が、その証言を翻す「時の浸蝕」
被害者を殺害したときの記憶が無いという桜庭。彼女は9年前にも女子高生を殺害し、解離性同一性障害で不起訴となっていた。果たして今回も同様に不起訴となってしまうのか?「闇の顔」

統合失調症という単語がよく登場します。酷くなると幻覚や妄想の症状が出ます。精神鑑定にて統合失調症と診断されるとほぼ不起訴となるそうです。

精神科というと縁遠いものという印象だったのですが、なんと統合失調症は100人に1人が発症するとか。しかもですよ、治療せず重症化すれば手遅れになり社会生活を送れなくなります。

精神科にかかることへの忌避感を何とかすることはできないものでしょうか。

読み終わるとともにタイトルの十字架の重みが増します。事件の関係者は、もうどうすることもできない「たら」「れば」をずっと背負って生きなければならない。想像を絶します。


十字架のカルテ (文春文庫 ち 11-3)





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