前回姜維を考えたが意外とおもしろかったので2~3個考えてみたい。
次は楊修タイプ。
楊修
おめでとうございます。
あなたは楊修タイプです。
非常に頭が切れるタイプで、物事の本質を誰よりも早く的確に深くつかみ、なんなら英雄曹操の攻略本すら編み出してしまいます。1800年後の家庭教師や塾講師にぜひ欲しいタイプで、その才能は今なお嘱望されるでしょう。
①楊修といえば「鶏肋」が有名です。これによって曹操の意図を唯一掴むことに成功し、そしていち早く退却の用意を始めます。そんな神業めいた行いができた人間は曹軍100万とはいえ一人くらいのもので、あなたの才能は100万人に一人くらいの価値があるともいえるでしょう。
ただ問題はここからで、物事にとりあえず当たるだけという人もいればあなたのように解決できる人もいるわけですが、しかしそれにより滅んでしまうと。曹操の逆鱗に平気で触れてしまうわけです。100点満点の解答を取ったからって調子に乗って怒らせて処刑される。こうしてせっかくの才能がありつつも歴史から姿を消してしまうわけですが。
適当に目先のことだけ対処する人間もいますし、解決できる人間もいますが、時と場合によって解決が最適解であるとは限りません。楊修にとって解決はゴールでしたが、それは同時に人生のゴールをも意味しました。しかし本来ならばそこはスタート地点であるべきではなかったでしょうか。知的好奇心を最大の喜びとする人にとってそれは非常に難しいことですが、その段階ではまだ素材は素材に過ぎない。そこからいかに料理していくかが大きく問われるといってもいいのではないでしょうか。つまり素材の真価を見出す目利きの才能には秀でていても、料理の才能には全く秀でていないと言えるでしょう。
かの名宦官である趙高は「馬鹿」という言葉の語源としても有名ですが、時と場合によって100点が0点に、0点が100点になるという不可思議現象があるのがこの世だという事実はこの人にとってより重要ではないでしょうか。素材である魚がいかに優秀であっても対象の口の中に入ってナンボであるということです。
②曹操攻略本を編み出し、曹植に読ませていたことは有名です。この攻略本を作るという感覚は現代人に通じるものがあり、現代人の感覚に極めて近いものがあるといえるでしょう。またそれだけ対象を、曹操という英雄でさえ客観的に的確に捉える能力があったことも確かです。そしてそれによって捉えた対象を一度分解して再構築し、それを伝えるべき人たちに伝えるという能力などは予備校教師にまさにピッタリでしょう。それはつまり教えられる人々の能力もきちんと把握しているということを意味しているためです。
上記の「馬鹿」の故事さえきちんと踏まえられれば、処刑されることさえ恐れなければ、まさに教師に最適な人材だといえるでしょう。
③しかしそれをするにも新進気鋭の精神が必要だといえます。従って一番誇るべきなのは知的好奇心につられてでもなんでもホイホイとその対象を間近でよく観察しようとするその度胸と根性なのではないでしょうか。その意味では教師はまだまだ枝葉の領域であり、冒険家や開拓者の方が向いているのではないでしょうか。それならば「馬鹿」の故事を気にする必要もありません。何者にも気を使うことなく、伸び伸びと生きていけるのではないでしょうか。
④禰衡や張松などのごく限られた一部の人から絶大な支持を得ます。曹操もその才を一時は愛していたということです。その才能を遺憾なく発揮すれば生涯友に不自由することはないのではないでしょうか。広い世界のことですから何とも言えませんが、そのあまりにも突出したガタガタ六角形を魅力とする人も中にはいます。そういう意気投合できる仲間を早めに見つけ出すことが人生のカギとなるのではないでしょうか。「蓼食う虫も好き好き」の精神でたくましく生きていきましょう。
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