松茸






 以前シロマツタケモドキの話を記事にしていたが、今回は正真正銘松茸である。しかし残念ながら1/2の確率を外してしまい(なんか自分の人生、二者択一は見事なほど外す気もする(笑)80%は外す人生を送っている気がする)昨日たまたま行かなかった場所に松茸が生えていた。おかげで虫にかなりやられてしまっており、50%は虫食いだったものの、さらに持って帰るまでに崩れていき、最終的に残ったのは20%もないほどだったという。
 人生、悪いことが起きた場合の備えはそこそこやっているものだが、もしも万が一いいことが起きた場合にどうするか?なんて備えはあまりしない気がする。

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 もはや松茸の残骸といった感じである。虫にやられ、跳ね上がった土にまかれ、ボロボロな上に連れ去られ、かろうじてこうしてありはするものの、もはや原型はとどめていない。


 ①におい
 ・においはかげば一発でわかる。
 「軍人さんの靴下のにおい」などと言われるものだからどんな感じなんだろうか、さぞやくさかろうなあと思っていたが。
 くさいというよりは強烈なにおいである。たとえて言えば、洗濯物を後で洗おうとビニール袋に入れて結んでおき、そうしておいたところがすっかり忘れてて5日くらい経過した時のアレにかなり近い。
 あ、いけねすっかり忘れてたと慌ててほどくも、とりあえずかいでみるとやや遅れて強烈なアンモニア臭が鼻をガツンと襲うかのような感じが非常に近い。そういう強烈な感じのにおいである。
 じゃあくさいかというとそうだとも言い切れない。強烈なんだが、……あれ?なんかカニの風味に似たにおいがするぞ?という感じ。もうにおいであのカニが妙に粘っこくて手についてべとべとするような感じが伝わってくる感じのにおいである。この強烈さとカニのような感じが特徴らしい。

 ・で、このにおいの強烈さが厄介でもあり、また非常に美味しいところでもある。
 どういうことかというとこのにおいを一回かぐと鼻が「マヌーサ」がかかったようになって、感覚が狂うのだ。このにおいというのがしつこく鼻の奥でくすぶり続けることになる。これによって、赤松のにおいと合わさるとあちらこちらに松茸が生えているという錯覚に陥るのだ。あれ?あっちからもにおう、あれ?こっちからもと探すのだが、松茸はない。ないんだけどマヌーサのせいで松茸の幻を追ってしまうという非常に不気味な状態に陥るのである。
 しかしこれが不快かというとそうでもない。それどころかこれが非常に心地よい状態であり、オレはタバコ吸わないから知らないけど、多分タバコ吸うとこうなんだろうなと思うほど気持ちがいいのである。特に赤松の香りをかぐとものすごく相性がいいらしく、非常に高揚感のある幸せな状態になることができる。恐らくこれは一種の真実で、「香り松茸」などというものの、そんなに松茸のにおいがいいわけではない。外国では忌み嫌われるにおいなんだそうである。しかしその真の良さを探そうと思うと、恐らく赤松のにおいと合わせてセットで考えろということなのだろう。
 そういうわけで、人生で初めて「空気が美味しくて幸せ」な境地に陥ることができたのである。

 ②味
 で、気になる味である。
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 塩かけて焼いたもの。塩かけたら中の虫が外に出てきたので、それを取ってから焼いた。
 で味だが、とんでもなくおいしかった。まさに「オレに触ると手がべたつきますよ」と主張しているカニという感じの味わいだった。これは確かに秋の味覚、クリとかそういうものに負けず劣らずその存在感を主張していたし、まさに異彩を放っていた一品だった。ちなみに柄は全く美味しくない。鶏肉とかによくあるような感じの骨部分という感じだった。食べられる骨部分みたいな感じか。


 で、思ったのはこれを取ってすぐに食べないで遠い場所へ送るとか、保存して後で食べるなんてのは果たしていい食べ方なんだろうかと今回しみじみ思った。何しろ取って一時間程度のもので、新鮮そのもの、これがうまくなければいったい何がうまいのというもので、実際うまかった。遠くへ、時間をおいて、なんてやったらそりゃあうまさも半減どころの話ではない。いや、それよりも何よりも、「におい松茸」の本当のうまさというのがどうしても切り離されるとわからなくなる。空気感を切り離して味だけで松茸なんてやるってのは、この松茸の真のうまみを逃してないかと。全体像を外して味だけもってきて松茸、なんてのでは興ざめもいいところである。
 そういう意味では、まだこれは真のうまさが伝えられてない食べ物の一つなんじゃないのかと思った。


 ・松茸が絶滅危惧種になっているということだが、それにしても今回痛感したのは、その地に伝わる伝説とか伝承、そういったものがいかに重要かということだった。ここの土地はもともと別のものを大々的に作っていた土地なのだが、それにまつわる話がここまで松茸と密接に関係していようとはという感じだった。それを変な切り口で質問して聞いていたところ、ああそういうことかとなってここに行き着いたという。
 何事においても実体験というのは非常に重要だというのがよくわかる話でもある。





この記事へのコメント

  • ココ

    こんばんは♪
    夏にちょっと病んでて、最近コロナになり
    低空飛行でしたが、最近回復してきました。
    ゆっくり過去記事読ませて頂きます^ ^
    Xのコメントめちゃくちゃ面白くて、元気でました。ありがとうございます😊
    2023年09月19日 22:44
  • きんた


    >ココさん
    >
    >こんばんは♪
    >夏にちょっと病んでて、最近コロナになり
    >低空飛行でしたが、最近回復してきました。
    >ゆっくり過去記事読ませて頂きます^ ^
    >Xのコメントめちゃくちゃ面白くて、元気でました。ありがとうございます😊

    おおー1カ月遅れで気づきました(笑)(^^;)すんませんね!
    自動承認されるコメントとされないコメントがあってこの違いはなんだろうという発見に繋がりましたよ(^^;)
    こちらこそ時々寄らせてもらって元気貰ってます。こちらこそいつもありがとうございます(^^)
    2023年10月12日 00:32
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