小学校高学年の時、家族で居酒屋に徒歩で行った。
そこで当時低学年だった弟が、知らんおっさんに女の子に間違われた。
酔っ払った母はそれを笑って、弟がすっかりすねてしまった。

帰り道、弟がすねて父とくっついて帰路を急いだために、
俺は母と一緒にゆっくり歩いて帰っていた。そこで母が、

「私そんなに酷いことした?」

と聞いてきたので、すごく素直に

「酷かったと思う。すごく酔っ払ってるんだなって思った」

と答えると、母は

「酷い。何でそんなこと言われなくちゃいけないの」

と言って半泣きになって、俺をほっぽって走って家に帰ってしまった。

幸い家まで数十メートルの距離だったし、歩き慣れた道だから怖くもない。
ただ俺は母を泣かせた、大人になんて口きいたんだって罪悪感から泣きながら家に帰った。



そこでどうやら母は父にもいさめられたらしい。
帰ってすぐに部屋にこもった俺たちの所に来て母は

「私は弟を女の子に間違えたおっさんを笑ったんだ!アンタもそう思うでしょ!?」

って俺を怒鳴ったんだ。俺は怖くて

「はい、そうです」

しか言えなくて、でもそしたら怒りの矛先は隣りにいた弟に向かった。

「アンタが自分が笑われたって勘違いしたから、私はお父さんにもお兄ちゃんにも怒られた!
アンタ私のこと嫌いなんでしょ!?」

って。そこからは

「もういい。アンタたちが私のこと嫌いなら私出て行くから」
→俺たちは怖くて何も言えなくて黙る
「本当に出て行くからね!」と母が部屋を出ようとする
「待ってお母さん、どこにも行かないで、ごめんなさい」
俺と弟が泣き叫ぶの繰り返し。

今思い返すと、母が笑った理由が何にせよその結果弟がへこんだら
フォローすべきだったし、その後に俺を置いてけぼりにしたり、
俺たちを怒鳴ったりしたのは理不尽に思える。

そうやって消化しきれればいいのに、
あの日、走って帰ってしまう母の背中がどうしても忘れられない。

「酷いことをしてしまった」

という後悔や、大人が泣いてしまった衝撃や、自責の念がぶり返す。
でもどう考えても酔っ払いが理不尽に怒っただけの出来事。

だから、夜道を歩くときたまに思い出しては、そういった気持ちと
理不尽さへの腹立たしさから胸糞悪くなっている。
そういう気持ちを吐き出したかった。それだけ。


774 :名無し2016/07/29(金)
チラシの裏【レスOK】二十九枚目