282 2019/02/11(月) 02:48
うちの爺さんはロシア人なんだ、つまり俺はクォーターなんだけどな。
先日その爺さんの故郷の長老的な人が氏んじゃったって事で、俺も付き添わされた。
はっきり言うが俺は生まれも育ちも日本だし、ロシア語なんてウラーしか知らねーのよ。
だからマジで不安しかなかったわ。
本当は少しロシア語話せる親父が行けばいいんだが、あいにく親父は仕事で俺はニートwww
まあ、俺が選ばれるのは仕方ねーわな、逆らえる立場でもねーし。
爺さんもいい歳で、杖ついてるから付き添いは必要なんだと。

んで、爺さんの故郷っつうのがもう、くっそ遠いの何のって。
飛行機2機乗り継いで、さらにバスとタクシーで行ったんだわ。
一応日本の隣の国なのに、丸1日かかったわ、んでようやく到着したのよ。




もう極寒よ、マイナス何十度の世界。 エスキモーよ、完全に。
これでもかってくらい重ね着してもまぶたが凍るようなとこ。
爺さんもさ、よくこんなとこまでくるよな、親戚ならまだしも元ご近所さんってだけでさ。
何でも「この町で一番特別だった人」らしいから、わざわざロシアくんだりまで来たんだと。
本当に何か、こういうのってあるんだなぁ、義理人情っていうの?
あ、でも町のホテルっていい意味で歴史を感じる洋館でさ、メシも牛肉を蒸かしたやつでさ。
これがまぁ口でとろけるくらいめっちゃ美味かった。 これだけが唯一のいい思い出だわ。

葬儀は教会で行われるのな、ロシアもキリスト教かぁって思った。
それにしてもすごい人数がいたわ、本当に何か地元の盟主だったんだろうな。
黒塗りの高級車から偉そうな人も来てたわ。(追突はしてないぞw)
遺影?っていうの、写真はもう本当にヨボヨボのお爺さんって感じの人、何でも103歳まで生きたんだと。
大往生だよな、こんな地でよくそこまで長生きできたなって関心したわ。



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んで、爺さんにさこの人の名前何?って聞いたら。
「パク・ヨーセン?」だか何だかって名前らしいのよ。
パク?って何か韓国みてーだなって言ったら、何でも祖先は朝鮮から来たって話らしい。
まあ陸つながりだからそういう事もあるんだなってくらいにしかその時は思わなかった。

んで、爺さんの真似事しながら手を組んで神様にお祈り?して無事に葬式は終了したんだが。
これはロシアのしきたりなんだか、地元の決まり事なのか知らないけど…
遺族が近所の家々を回って故人の思い出話をするらしいのよ。
んで、俺らのホテルにはその故人の孫娘って人が来たんだけど、これもいい歳したオバチャンでさ。
そりゃそっか、孫と言っても103歳の孫だから40~50代だろう。
んで、思い出話っぽいのを爺さんにしてるんだけどロシア語じゃん?
だから横に座ってる俺は馬の耳に念仏状態よ、はっきり言って苦痛だったわ。
そんで、その話の最中にさ、チラチラオバチャンが俺を見て話をしてるわけよ。
どうせ「あら、お孫さん、かわいいわねえ」くらいの事だろって思ってたらいきなり爺さんが。
「お前、呪いの亀って知ってるか?」って言うのよ、呪いの亀www
「いや知らん、なんだそりゃ」って言うと、爺さんは何事もなかったかのようにオバチャンとの会話に戻ったのよ。

それでオバチャンが帰った後に聞いてみたのよ。 さすがに気になるじゃん。
「呪いって何だよ爺ちゃん」って。
「パクさん何か日本人の取材で怖い話してたらしいんだが、あんまりにも怖かったから日本でも話題になったろ?って聞かれた」
っていうのよ、呪いの亀だぜ? 知らねーよって思ったんだけど、ちょっと待てよと。
浦島太郎じゃね? 亀って聞くと真っ先に思い浮かぶじゃん?
パクさん若い頃って戦前じゃん? もしその時に日本人に浦島太郎的な話して戦後に広まったとしたら…
玉手箱あけて最後は爺さんになるのも呪いっぽいし、もしかして浦島太郎の発祥の地がロシアなんじゃないか?
そう思ったら、面白いなあって。 いや、それだけなんだけどねw



290
浦島太郎はもっと古くからある伝説が元になってるみたいだから
どこかインタビュー受けた土地辺りかで『呪いの亀』の話が語り継がれてるかもしれないね
内容を聞いて欲しかったなあ
でも海外の怖い話ってあんまり怖くないよね


291
そんな辺鄙なとこに日本人がしかも戦前に取材ってのは何の取材だろう
ロシアの民俗学的な研究目的とか専門的な本に記載するためのものなんじゃないかね
そういうとこにチラッとあらすじだけ書かれてたりして
それなら一般大衆が読むものじゃないし広まりもしないんでないかなぁ

>>290
外国の話が怖くないのは日常の様子や単語から風景が想像しにくいのも大きいだろうね


293
呪いの亀、って聞いて俺はウサギと亀の話を思い浮かべたぞ

…鈍いの亀






引用: 氏ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?353