じゃあ冷め話を。 

違う大学同士だったけど、研究分野が同じで知り合った彼。 
女と間違えるほどの美形で、常にマルイ系のファッションに身を包むイケてる男。 
私と並んで歩くとどう見ても野獣と美男子で不釣合いだった訳だが、色々あって付き合う事に。 
一年が経ったある時、二人で東急ハンズに行く機会があった。 
彼が買いたい物がある、といってカッターナイフなどの刃物売り場に入っていった。 
ついていくと、そこには医療用の携帯ナイフが。 

「これをいつも持ち歩いているんだ」 

彼はそういって、普段は絶対触れさせてくれない左腕の袖をまくった。 
そこには無数の切り傷が。 

「不安になるといつでもここを切れるようにしているんだ」 
「医療用ナイフだと一応安全だし、傷跡が残らない」 

・・・って、傷跡バッチリ残ってたけど。 

それまでリストカットなんていう言葉すら知らなかった私には物凄いショック。 
しかもその日から、何故か『理解者』扱いされた私の携帯に長文メールが届くようになり・・・。 
「氏にたい」「また腕を切ってしまいそうになる」「切っちゃった（写メが無かった時代なので画像は無し）」など。 

美形で頭も良い彼が、付き合う異性は私が初めてである理由が分かりました。 
冷めるというより、頭をぶん殴られたようなショックで目が覚めたと言った方が正しいかも。 
とにかく大変な人でした。もちろん別れるのも。 
そんな事があってからは、身分不相応な相手とは付き合わないようにしておりますw