2021シーズンのルヴァンカップは、名古屋の優勝で幕を閉じた。

 ロティーナが清水の監督に決まり、個人的には、ヨーロッパの監督という共通点から、ロティーナ清水はマッシモ・フィッカデンティ監督率いる名古屋のようなイメージのチームになっていくのかな、なんて想像していた。組織的な守備を構築し、滅多に失点をせず、1点でも奪えばウノゼロで逃げ切れるような、そんなチームである。

 蓋を開けてみたら、ロティーナ清水は、堅守は完成せず、またカウンターにも徹し切れず、何とも中途半端な状態のまま低迷することとなった。

 マッシモ名古屋について、当S研では今年の5月18日に、「気休めだけど… 名古屋もマッシモ就任直後は酷かった」という記事をお届けした。そのマッシモ名古屋がカップ戦優勝という花を咲かせたので、その記事を以下のとおり再掲載することにしたい。

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 名古屋戦のあと(5月15日のJ1第14節の名古屋戦で清水は0:3と惨敗)、ロティーナ監督は、「(名古屋との差は)1ヶ月や数ヶ月で埋まるような差ではないと思う」とコメントした。まさにその通りであろう。

 ただ、それと同時に、所長が個人的に思うのは、「マッシモ・フィッカデンティ監督就任直後の名古屋も、相当酷かったけどな」ということだ。

 そこで、2019シーズン途中に、マッシモが指揮を執る前後の、名古屋の戦績を振り返ってみよう。上の表がそれである。この年、名古屋は風間監督の下でチームは崩壊状態に陥り、夏までには完全に残留争いに巻き込まれた。そして、9月13日に我が清水に引導を渡され、風間氏は解任となったわけである。

 大量失点が続いていたので、名古屋が白羽の矢を立てたのは、守備構築に定評のあるマッシモ・フィッカデンティだった。その結果、名古屋は風間時代から一転して守備的になったが、失点禍は収まらなかった。マッシモ就任後の名古屋の成績は、1勝・3分・4敗。こうして、この年、名古屋はほうほうのていで何とか残留したが、フィッカデンティ監督の手腕には疑問符が残ったのである。

 ところが、翌2020シーズン、名古屋は本当に堅守のチームとなり、リーグ最少失点を達成して、3位と躍進する。ドン引きという印象だった2019シーズン終盤から、攻撃力も加味され、バランスの良いチームになった。

 願望込みで考えれば、現時点のロティーナ清水は、2019シーズン終盤の、マッシモ名古屋のような状態と言えようか。チームスタイルを大きく変えようとする時には、たとえ守備構築に定評のある指揮官が就任したとしても、一朝一夕に堅守が達成できるわけではない、という。

 まあ、気休めの、安心理論だけどね。

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