遠く離れたおじいちゃんと触れ合える端末があったらなぁ…そんな思いを描いた小5の作品「さわれるテレビデンワ」が絵画展で最高賞

 2024/07/16 16:30
「未来の科学の夢絵画展」で特別賞に選ばれた大迫樹生さんの作品(発明協会提供)
「未来の科学の夢絵画展」で特別賞に選ばれた大迫樹生さんの作品(発明協会提供)
 遠く離れた祖父と、画面を越えて触れ合える端末があれば-。「第46回未来の科学の夢絵画展」(発明協会主催)で、鹿児島市の玉江小学校5年・大迫樹生(いつき)さんが描いた作品が最高賞の一つに選ばれた。8月に台湾である「世界青少年発明工夫展」にも出品される。

 大迫さんの作品名は「さわれるテレビデンワ」。端末の画面から飛び出した祖父の手が、自身の頭をなでる場面を水彩で描いた。新型コロナ禍で県外に住む祖父母に会う機会が減り、「会えない人に触れたり、物を渡せたりするテレビ電話があれば」と考えた。

 絵の構図に悩んだが、最初に描いたのは祖父の「ほめる時になでてくれる温かい手」。母の暢子(ようこ)さん(42)は「これほど会いたいと思ってくれていたとは。祖父の手によく似ていると感じた」と明かす。

 絵や工作が好きな大迫さんは、県発明協会が小学生向けに開く年間講座「鹿児島少年少女発明クラブ」に4年生で入会。課題として昨年、科学の夢絵画展に出品する作品作りに取り組んだ。指導した黒丸米行会長(68)は「画面から手が出るアイデアがいい。受賞はほかの児童の意欲にもつながっている」と評価する。

 絵画展の小・中学校の部には6157点の応募があった。大迫さんは11ある最高賞の中の朝日新聞社賞に選ばれた。初めての大きな賞に「びっくりしたけれど、うれしかった」と喜ぶ。

 8月に台湾である世界大会では、英語でのビデオ審査に挑戦する。スピーチの原稿は、暢子さんに手伝ってもらいながら書き上げ、動画を提出。「どれだけ科学技術が発展して便利になっても、人の温かさが大切」との思いを込めた。

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