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「大地の子」を見ての感想

夏はやはり終戦記念日を身近に感じる時期ですが、先月より月曜の夜BSプレミアムで
山崎豊子氏作の「大地の子」を再放送していて拝見してます。
1996年に初めて放送されたときに父が感動して電話してきました。
「大地の子を見たか?お父さんは自分のことのように感じて終戦のときの
満州を思い出したよ。」と。そのとき父は15才でした。
父は幼少期に高知から両親と三人で満州鉄道の職員の肩書きで日本人学校の
教師として渡ったのでした。
当時はお手伝いさんもいる暮らしだったそうだ。父と祖父たちの満州時の写真は
たくさんあって、小学校に奉職しながら家でピアノを教えていたらしく
「おさらい会」をしてお弟子さんに囲まれた写真が印象的でした。
満州人に支えられて病弱だった祖母もそれなりに良い暮らしをしていたらしいです。

「大地の子」の陸一心こと松本勝男は残留孤児となって中国人に育てられるが
一つ帰国の時期を違えれば私の父たちも家族がちりぢりに別れなければならなかったと
聞いていました。
無蓋列車に乗り継ぎ 日本への船にやっと乗ったのは終戦から1年以上たってからの
ことだったそうです。
その間に祖母の容体は悪くなり衰弱し、他の船中で亡くなっていく人を見ながら家族は
とにかくこの人を日本の高知に返そうという一心で必死に励まし看病しながらの帰還
でした。
その頃の記録は父の原稿に残っているので今もう一度読み返し書き直そうとしています。
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昨日の大地の子第九話は続けて見ることができないほど辛い話でした。
録画してあるのであとでまた見ることにした。この年になると
こうして今ここに存在する自分はこの私の父の家族の帰国によって繋がれているのだ、と
改めて感慨深く思い返します。父の母である私の実の祖母はなんとか帰国して間もなく
父の目の前で息を引き取ったというのです。
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8月は少しずつここにも書かせていただきたく思います。

by akageno-ann | 2021-08-17 08:50 | 随筆 | Trackback

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