みなさん、こんばんは。
中央市場でーす。
クレジットカードの控え、毎日のレジ締めのレシートなど毎日のように店には記録された紙が増えていくのですが、これら一つ一つの保持期間ってのは2〜10年と様々です。これを一纏めにしていたので、捨てる年ごとに仕分けをしてたら一日経ってしまいました。いい機会だから今までのを全部そうしようと思ったものの、なかなかの量があります。面倒臭いが、いつかはやらんといかん。捨ててもいいもの、取っておくべきものを一つ一つ確認しながらやるしかない。
そんな中、朝っぱらから
『コントロールが入るぞ!』
と市場の住民の1人が伝えてきた。市場ってのははっきり言ったら競合店の集まりでもあるじゃないですか。しかし、こう言う時には何故か団結する不思議な現象が起きます。警察などに対しては面白いくらいにこのような噂が瞬く間に市場を駆け抜ける。
コントロールと言ってもいろんな種類があって、例えば賞味期限のチェックから雇用がちゃんとされているか書類を見る、店頭でどれだけ店から通りにはみ出しているかをメジャーで測るなど様々です。今日のコントロールは扱う商品がその店にとって正しいかと言うものでした。勿論抜き打ちです。
今回のは結構な店舗が槍玉に上げられました。
ある八百屋ではドライフルーツを売っていたってことで20日間の営業停止。またある飲食店では通りにテーブルを出して営業していたためやっぱり数日間の営業停止。ある菓子屋ではオリーブオイル、バルサミコ酢、ワイン、冷たい飲料を売っていたためこれまた営業停止。
以前もお話ししましたが、お店は経営者が変わってもその前にあった店と同じ食材を売らないといけないと数年前に決まりました。よってそれに違反する店は取り締まりの対象になります。他には扱う商品によっては免許が必要です。例えばうちの店では乾燥ポルチーニ茸を取り扱っておりますが、店の中で誰か1人でもキノコの免許がないと販売できません。幸いうちはバルバラと私が持っています。
これらの取り締まりに対し、
『ちょっと厳しくないか?』
そんな声もあります。気の毒だとかあんまりだとか。
でもね、ルールって秩序を守るために必要なものですから、たとえ不愉快なものでも守らないと罰則があるんですよ。うちも以前は店頭から通路に飛び出た商品に対し、罰金とか払いましたもん。でも、もう払いたくないよねーってことになって少しずつルール内の30センチをなんとかギリ守っている状況です。ちなみに前回だったか前々回だったかうちもしっかり調べられて、お褒めを頂いたので、今日は誰もコントロールに来なかったな。
だから自業自得と私は思っちゃいます。納得いかなかったら遥か昔にストライキで市場を閉めて、市場の住民たちみんなでヴェッキオ宮殿までデモをしたアレ、復活よ。ま、前回失敗したからもうやらないと思うけど。
いろんなコントロールの中、こうしなさいと注意やアドバイスを頂くこともあって、そう言うときは次の日には対応できるように毎回改善して来ました。何も頭ごなしに、『うりゃー、コラ〜!!』と怒られる訳ではなく、まずイエローカードが出て、その後レッドカードになるパターンもあるんです。先方も一度ミソがついたらやっぱりブラックリストに載せるんですよ。ただ、今回のはそれはそれは問答無用にバッサリやった感はありました。
怖いな。これ、市長が変わったからもあるのかな?言ってもここ、フィレンツェ市の敷地だもん。
『オオカミが来たー』ってのは聞いたことがあるでしょうが、
『コントロールが来たー』で震え上がる市場の住民たち。
どこもうちの店はちゃんとしてると思っててもどこで刺されるかわかりませんから、やっぱりピリッとはしますね。罰金もなかなかの金額ですし。
見た目ではいつもの市場にしか見えないとお客さんたちは思うのでしょうけど、その実色々あったんですよ、今日の市場。
な、面白いでしょ。
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