自民党派閥「為公会(いこうかい)」(現・志公会=麻生派)の政治資金パーティーを巡る裏金疑惑で、麻生派に所属していた元議員が毎日新聞の取材に対し、2017年以前の派閥のパーティー収入のうち
⭐ノルマ以上に売った分の資金を、政治資金収支報告書に記載しない裏金として扱っていたことを認めた。
元議員は「不記載が違法だと思っていた所属議員は誰もいなかった」とも語り、当時の麻生派内で裏金作りが広がっていた可能性にも言及した。
麻生派は17年7月に山東派などと合併し「為公会」から「志公会」に名称を変更。志公会になった18年以降はパーティー収入の還付金の収支を派閥・議員双方の収支報告書に記載しているが、為公会だった17年以前は記載がない。このため、為公会時代は
還付金を裏金にしていた
のではないかと一部報道や野党から指摘されてきた。
取材に応じた麻生派の元議員は、17年以前から同派に所属していた閣僚経験者。派閥のパーティーについて「(パーティー券を売って)みんな一生懸命お金を集めていたが、他意はなく、(裏金作りは)意識的にやっていたことではない」と説明。ノルマ超過分の収支報告書の不記載については「議員本人は選挙のことしか頭にない。はっきり言ってみんなそれどころではない」と述べ、「
👑後になって違法だったと言われてもみんな困る
」と強調した。
麻生派の裏金疑惑を巡っては、22年に政治資金規正法違反で略式命令を受けた薗浦(そのうら)健太郎元衆院議員の元秘書が東京地検特捜部の調べに対し、所属していた為公会のパーティー収入から17年に分配された380万円を事務所の裏金をためる口座に入れたと供述していたことが判明。別の麻生派議員の現職秘書も「麻生派のノルマと還付の仕組みは17年のはるか以前からあった」と取材に証言している。
17年以前の還付金の収支報告書への記載状況について、志公会事務局は毎日新聞の取材に「為公会は事実上活動を停止しているので、わかる範囲で回答する」とした上で「法令に基づき適正に収支報告をしてきたと承知している」と答えた。【黒川晋史、大場弘行】
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