スロヴァキア・フィル ダニエル・ライスキン 笹沼樹(チェロ)(7月6日・サントリーホール) | ベイのコンサート日記

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音楽評論家、長谷川京介のブログです。クラシックのコンサートやオペラなどの感想をつづっています。

スワロフスキーが指揮した7月2日と較べて、スロヴァキア・フィルの音が大きく変化した。プログラムの違いもあるが、指揮者の個性の違いが大きい。スワロフスキーが東欧伝統の響きを引き出したのに対して、ライスキンの指揮はより現代的で機能的。民族色豊かなスロヴァキア・フィルの音に輝きと洗練、ダイナミックな切れ味をもたらした。

 

笹沼樹(ささぬまたつき)をソリストとしたドヴォルザーク「チェロ協奏曲」は、両者の一体感が素晴らしかった。木管の味わいが深い。笹沼はサムライのような気合の入った演奏を展開したが、音がもっと前に出ても良かったのでは。

 

ドヴォルザーク「交響曲第9番《新世界より》」は、スロヴァキア・フィルの民族的な響きとライスキンの切れ味がバランスよく組み合わされ、ルーティンに陥らないフレッシュな演奏となった。

 

スロヴァキア・フィルは5年ぶりの日本公演。翳りのある魅力的な音を持っており、集客のため定番のドヴォルザーク、スメタナ、チャイコフスキーは外せないとしても、他のレパートリーも聴いてみたいオーケストラである。

 

詳しくは「音楽の友」コンサート・レヴューに書きます。

 

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