ギルバート 都響 ゲルシュタイン(p)ニールセン&ラフマニノフ(7月14日・サントリーホール) | ベイのコンサート日記

ベイのコンサート日記

音楽評論家、長谷川京介のブログです。クラシックのコンサートやオペラなどの感想をつづっています。

元東響コンサートマスター水谷晃が、ゲスト・コンサートマスターとして初めて都響のトップに座った。都響の弦が東響のように絹の響きに変わった。それが都響の各セクションにまで浸透し、都響全体の音もより緻密で磨き抜かれ、都響本来のパワフルな力と相まって素晴らしい相乗効果を生んだ。

もちろんアラン・ギルバートの指揮があるからこそだが、それでもコンサートマスターによって演奏がここまで変わるのかという驚きがあった。

 

ギルバートと都響は、またひとつ上の段階に進んだのではないだろうか。前半のニールセンは素晴らしかった。北欧的な透明感と同時にどこか温かいものが底流として流れている。
「交響曲第5番」の最後は、緊張と集中の中に喜びが生まれていた。つらいことがあろうとも前向きに進もうというメッセージがギルバート都響の演奏から伝わってくる。

 

キリル・ゲルシュタインを迎えたラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」はこの作品の理想の演奏のひとつ。ゲルシュタインはラフマニノフの化身のように、作品が身体に入っていて、演奏に風格がある。強靭な打鍵は16型の都響を凌駕していた。

 

詳しくは「音楽の友」コンサート・レヴューに書きます。

 

日付が変わって今日7月15日(土)14時からも同じプログラムでサントリーホールで公演がある(都響プロムナードコンサートNo.403)。これは必聴のコンサートだと思う。

会場:サントリーホール
指揮/アラン・ギルバート
ピアノ/キリル・ゲルシュタイン
ニールセン:序曲《ヘリオス》op.17
ニールセン:交響曲第5番 op.50

写真©都響

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