「裕太のおじいちゃんって…ホント、カッコイイもんなぁ」

 この前会ってから、すっかりじいちゃんのファンになったらしい。

「ソウタは、じいちゃんがいないの?」

裕太にとっても、自慢のじいちゃんだけど…

それでも何だか意外で、こそばゆい気持ちだ。

「いるけどねぇ~

 裕太のじいちゃんみたいに、元気でシャキシャキしていないし…

 あんなに、行動力もないよ」

「そうかぁ?けっこう歳なんだけどねぇ」

 そうなのだ…

颯太のじいちゃんが、裕太のおじいちゃんよりも年上だ…と知って

から、さらにあこがれにも似た気持ちになったようだ。

 

「変わってるなぁ」

 思わず裕太は、そうもらす。

だって、自分のじいちゃんの方が、いいに決まっている…と、もはや

妄信のようにそう信じ込んでいる。

「そうか?誰だって、裕太のじいちゃんを見たら、羨ましく思うはずだよ」

「え~っ、そうかなぁ」

あんまり颯太が褒めるので、裕太は照れくさくなってしまう。

「先生も。何だかじいちゃんと気が合ったみたいだよ」

 おかしいだろ?と、裕太はごまかすように付け足す。

「やっぱり?さすが、先生~わかっているなぁ」

颯太の明るい声が、裕太の耳に、心地よく響く。

 

「ねぇ、それで…

 何か新しい展開があった?」

颯太の弾む声が聞こえる。

「う~ん、特にないかも~

 ボクには何にも、教えてくれないからなぁ」

何となく、ハッキリしない口調で、裕太はそう答えた。

 

 

 

PVアクセスランキング にほんブログ村