台風10号が向かってきていることで、各家庭での対策や備えをと、繰り返し伝えている場面を観て、東日本大震災のことを思い出しています。
地震はいつ来ると想定できませんから、突然、大変な状況に至ってしまいます。ですが、台風の場合はある程度の予測がたつので、もしもの場合の対応はできますよね。
台風の時だけでなく、そういったもしもの時の為の対策は、必要なものではないかと思っています。
東日本大震災が起きた時、私は障害者施設で勤務をしていました。
ですが、ヘルニアを悪化させて入院し手術を受けた後のことでした。
地震が起きたあの時間は、利用者が帰宅する為に送迎バスに乗り込む時間でもありました。施設の被害がなかったことから、送迎バスが出発したものの、地震直後の道路は混雑が激しくなり、送迎場所に到着しても、マンションに住んでいる利用者宅のエレベーターが止まってしまい、復旧ができない状況のままだったそうです。
そんな状況で利用者をバスから降ろすこともできず、階段で家まで上がる対応をする為に、職員をかき集めた話を聞いています。
1番階数が上だったお宅は、14階だったそうです。
全ての利用者が自宅に帰宅できたのは、夜10時だったと聞きました。
世の中が大混乱したあの日は金曜日でしたが、翌週になっても混乱状況は続いていました。
給食サービスの食材の搬入ができないという状況になり、給食サービスを止めなければいけなくなったあの日、障害者施設でありながら、困難事項に対応もできないなんて、何てことだ!
とご立腹の保護者がいました。
最重度の利用者さんの注入用のリキッドはあり、嚥下のしっかりしている利用者さんたちは、私たち職員と同じ乾パンのみでした。
(当時の用意はその程度だったのです・・・)
我が子は偏食が激しく、乾パンなんか食べやしないし、それしか用意がないなんてshiねと言っているようなものだ
食材の搬入が麻痺していてできない状況なら、自分たちが八百屋に行って食材を買って準備しろ
それもしないで、福祉をバカにしているのか
あの地震で学んだことはたくさんありました。
私たち職員ができること、やらなければいけないことを、確認し検討しなおしましたし、備蓄する物の内容も見直しました。
ただ、世の中が大混乱している中で、今までと同じように生活を保障できない施設は可笑しい
という言い分には、納得ができませんでした。
やれることは精一杯やっていきますし、対応しないとは言っていません。ですが、何も変わらず今まで通りの生活を保障しろという部分については、やりたくてもできないことだってあるでしょう
と思いました。
一人の利用者だけ、満足できればいいという話でもないですし・・・。
台風で避難生活を余儀なくされたご家族も、多くいる事と思います。
そんな中、急な環境の変化で避難することが難しい人もいる事でしょう。避難所に入ることもできない方もいるでしょう。
騒がしく賑やかで落ち着かない環境で、パニックになる人もいるだろうと思います。
避難することが大変な家庭があるなんて、知らない人が多いだろうし、時代が進んでも、我儘を許すからこういうことになるんだと、偏った考えで納得する人も、まだまだいます。
愛が地球を救うのなら、そういった社会的弱者の人たちを、どのように守るかを考える機会を作ってもいいのではないかと思います。