特許の拒絶理由通知が来る直前に借りた本。ざっと読んで本日図書館へ返却しました。落ち着いたら、もう一度借りてゆっくり読もうと思います。



ポジティブ心理学の研究領域には3つの異なる階層がある。


主観的階層ではポジティブな体験、つまり喜び、ウェルビーイング、満足感、幸福感、楽観性、フローなどが研究対象で、「よい行いをすること」や「よい人間であること」よりも、「よい気分を感じること」に焦点を当てます。


個人的階層でめざしているのは、「よい人生」の構成要素や「よい人間」になるために必要な個人的資質を明らかにすることです。そのために、人間の強みや美徳、未来志向性、愛する能力、勇気、忍耐、許し、独創性、知恵、対人スキル、天才性についての研究が行われています。


社会的階層で扱うのは、道徳、社会的責任、教育、利他主義、礼節、寛容、労働倫理、ポジティブな組織など、社会人としての人格の向上と共同体の発展に寄与し、個人を超越していくための要素です。個人を超えた、より大きなもののために、ポジティブな行動を起こしていくことを取り扱います。


自己決定理論とは、先天的な3つの根本的欲求の存在を主張し、それらの欲求は普遍的であるとします。

自主性―自分が人生の主体者であり、行動を自分で選びたいという欲求

有能感ー自分のしていることに自信を持ちたいという欲求

関係性―自主性や有能感を持ちながらも、親密で安定した人間関係を保ちたいという欲求


ユーダイモニックな幸福は、次の方法のどちらかを実践すれば達成できる。

個人的発達とは、変わろうと努力すること、自分自身や世界について理解を深め、人として成長し、自分で選んだ分野や生きる場所でより成功を収めようと努力することを意味します。

超越とは、自分以外のものや人に献身し、自分の人生に目的を見つけ、その目的に合致した行動を取ることを指します。ただし、その目的というのは必ず、自分自身より大きなもの(子ども、意義のある仕事、より大きな共同体、信仰の道など)である必要があり、自分を見失うことなく、個を超えて、貢献しなくてはなりません。


ポジティブ心理学でのコペルニクス的大発見は、「成功するから幸せになるのではない。幸せだから成功するのだ」というもの。