沈む前の強い光を放つ太陽。白い舳先に板張りの甲板、円形に並べられた藤製の椅子に座ってくつろいだ雰囲気の中、”初めて来たけどアセアンを違った方角からみれて嬉しい”と答えるのはブルネイの王子マーティン王子、”経済だの治安だの難しいことを束の間でも忘れさせてくれる”と奥さんと寄り添って幸せそうなフィリピンのマルコスジュニア大統領、”写真では見たことあったけど実際にみると本当にいい”とこぼれるような笑顔をみせるシンガポールのリーシェンロン首相。
5月10日にフローレス島ラブアンバジョで開催された東南アジア諸国連合の首脳会議の後、主催者のジョコウィドド大統領は、各国首脳をサンセットクルージングでおもてなししていた。使用したのはピ二シ船。
#plau penisi komodo
何世紀にも渡って、アセアン諸国の島々を渡って貿易を牛耳って来た、海洋民族ブギス人の船だ。釘なし設計図なし、大工さんの感と経験だけで作られる。ユネスコの無形文化財にも登録されている。
バリ島、ロンボック、と東へ行くほど空の色が青く濃くなる。ヌサテンガラ州東にあるフローレス島、プラブアンバジョは、コモドドラゴンやピンク色の砂浜で知られる秘境、コモド諸島を散策するクルージングの起点となる港町だが、これまで飛行機を乗り継がなければならなかったり、インフラが十分でないことで、訪れる人も限られていた。
アセアン会議開催に向けて、道路や空港、港の機能も観光向けに整えられ、ジャカルタからプラブアンバジョへの直通便が開通、大きなホテルだけでなく、現地の人が自宅をリノベーションした安価なホームステイ式宿泊施設も沢山出来て、アセアン首脳会議開催地として知名度も上がり、現在人気上昇中の観光スポットとのことである。
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