古代文明の源は宇宙人ではなくスンダランドだった | 知りたがりな日本人のブログ@インドネシア

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日本語では検索できないインドネシア国内の話題を、雑談に使えるレベルで解説。

どのようにして始まり、どのように広がったのか、未だに謎だと言われている日本の縄文時代。縄文時代の始まりが紀元前1万4千年というと、スンダランドと時代は重なっている。土器が大量に見つかるということは貿易が盛んだったしるしだとどこかで読んだことがあるけれど、一体どのような関係があったのだろうか。

 

近年の人類学研究では、アフリカから人類がやってきた人類が5万年前にスンダランドに到達したことが分かっている。それ以前の説では、台湾を起点にしたオーストロネシア人が、紀元前2000年頃にボルネオ島に渡ったというのが定説だったが、新しい発見によって、実はその正反対が真実だったということもある。

 

残念ながら、アトランティスがスンダランドだった説関連の情報では、日本とスンダランドとの関係を示す直接の話はまだでてこないが、関連するのかもしれないと思われるのは、稲作の起源についての話。

 

稲作の起源は、紀元前7000年頃インドのアッサム地方や雲南省の山間部で発見され、日本に伝わったのは紀元前1000年頃、それまで日本は狩猟採取の時代で稲作は行われていなかったということになっている。

 

学校ではこんな風に習う?

 

 

この謎に直接かかわるかどうかはわからないが、スンダランドが沈み始めた紀元前12000年頃から、現在の地形におさまった紀元前4000年頃までの間に起こった大規模な人口移動が、文明の発祥につながったという説がある。

 

水深150メートル、氷河期には陸地だったとされる海底の地形を、人口衛星を使って調査した地図によって、複数の大河と支流、水路がはりめぐらされていたということが分かっている。古代ローマの哲学者プラトンの記述によるアトランティスがスンダランドだとする説によれば、そこでは発達した農耕が行われていた。

 

 

文明といえば大河沿いにおこるもの。その広大さと、沈んだ低地のほとんどが農耕に適した土地だったことを考慮すると、水害を逃れて移動した人口規模がいかに大きなものだったかということが想像される。

 

海面上昇は、いつまで続くともわからない。火山の噴火や氷河の崩落によって、一気に海面が上昇するような地獄を味わうこともあった。もしかすると陸地が全て消えてなくなるかもしれないという恐怖もあったろう。選択は二つ。高い山の上に移住するか、船で別の土地に移住するか。

 

家畜や穀物の種を伴っての人口の移動。一つのルートは、マレー半島側の海をつたって北西、インド方面へ向かった。海面上昇のトラウマを持つ元スンダランド民は、農耕に適した川の傍の低い土地ではなく、山地を選んで住むようになった。中には、チベットの高い山の方まで移動した集団もある。別のグループは、中国大陸の奥地へと入っていった。

 

中国南部の少数民族や、台湾の山の中に、複数の先住民が点在している。彼らの文化や伝統は、インドネシア国内に1340あるという民族の服装や伝統のいずれかと似通ったものがあるのもそのせいか。ボルネオ島のダヤック族も台湾の原住民も、インデアンも吹き矢を使ったという。鳥の羽を高く掲げる衣装も似ている。

Gambar oleh Darwis Alwan dari Pixabay 

 

このような連続性のない一致。シュメール人と日本人の類似など、「宇宙人が祖先」だなどといわれてきたことの多くが、実は、世界各地に離散したスンダランド人の存在によって説明が可能になるのだ。

 

西はマダガスカル島、東はイースター島まで太平洋の島々に広がったというオーストロネシア人の祖先は、中国大陸から来たという説も、土器がみつかったことが根拠である程度の話。ステファン・オッペンハイマー氏の”Eden In the east”という著書で述べられている、スンダランドからの避難民=オーストロネシア語族という遺伝子学的、言語学的な説明の方が理にかなっている。

 

著書ではさらに、ミクロネシア、ポリネシア、メラネシア、謎のラピュタ人も含めたオーストロネシア人は、好奇心や冒険心のために海を渡ったのではなくて、水害で故郷を失い、又は失う恐怖から、必要に迫られて太平洋の島々に渡っていった避難民であったということ、

 

彼らの伝統・文化、信仰に共通して、天が崩れる、山が割れる、天を支える柱といったシンボルが残っていることこそ、大洪水のトラウマが、伝統・文化の形成に深く強い動機を与えていることについても説明している。

 

エジプトの古代神話にも天を支える柱の神様が出てくる。また大洪水から船に乗った者だけが生き残ったというストーリーは、その他の古代文明に共通して存在する。著者はこれを言語学、遺伝子学、植物、動物、共通する洪水神話などから検証し、エジプト、メソポタミア、地中海に、移住したスンダランド避難民グループが、四大文明発祥の元となったと結論づけている。

 

なるほど、それで世界各地の神話には似通ったキャラクターやストーリーが出てくるというわけ。世界各地の文明が同じ一つの物語を共有しているということがリアルに感じられる一冊

 

 

分厚くてちょっと専門的だけど、世界各地の神話もたくさん引用されていて、氷河期終わりから文明発祥までの八千年間を追体験するかのような本

 

インドネシア国内には、掘り出される前のボロブドゥール遺跡のような、古代遺跡(巨大ピラミッド紀元前1万~2万5千年級)がいくらでもあるそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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