沼津市には「沼津市立沼津高等学校中等部」という「公立中高一貫校」があります。静岡県東部にはこの学校、中部では県立清水南高校中等部、西部では県立浜松西高校中等部があり、静岡県の東・中・西部にそれぞれ1校ずつ配置されている形となります。
公立中高一貫校なので、私立中学と異なり「月謝」という概念はなく、経済的な面においては通常の公立中学と同様です。だからこそ、我が家のような「貧乏一家」でも倅を進学させることができたのです(笑)。
一方で、いわゆる「中学受験」の範疇を越えた「難しさ」も、公立中高一貫校にはあるような気がしているのです。
第一に「公立」であるが故に学校同士の「情報共有」が密であるということです。特に沼津市立中においては「沼津市立」のため、公立小学校の先生方との交流も盛んに行われています。その中で受験生の「評判」や「実態」について「情報交換」されている可能性も高く、いくら受験時だけ繕っても、じつは「バレている」ことも多いのです(笑)。「素行」の良し悪しは、既に受験時には学校側に知られてしまっている可能性が高いのです。
第二に「隣接学区」の問題です。清水南や浜松西は「県立」なので、「隣接学区」という概念が薄いかもしれませんが、沼津市立中の場合は「市立」のため、沼津市以外の学区は「隣接学区」となります。三島市や清水町などがそれにあたり、受験の規定の中でも、
「隣接学区からの合格者は原則20名以内(定員80名)」
としっかり記載されています。沼津市以外からの受験を希望する子は、この点はしっかり留意しておく必要があります。
第三に試験問題の特異性が挙げられます。通常、公立中高一貫校の入試においては「適性検査Ⅰ・Ⅱ」と区分けして出題され、その中には「作文問題」も含まれます。この「適性検査」が少々厄介で、国語・算数が中心ではあるものの、社会や理科も出題され、加えて家庭科や音楽、保健体育等々の「主要科目以外」の分野からも出題されます。これら全ての面において、ひとつひとつ細かに対応していくことは至難の業ですが、それでも「ひと通り」は見ておかなければなりません。何の「受験準備」もない中で、これらを全て個人で対応するのは、なかなか難しいことではないかと思います。
さらには出願時の「志望理由書」の書き方が難しかったり(これについては、当塾では私が徹底的に指導します)、他の私立中学に比べ「倍率」が高かったりと、クリアすべき問題がいくつかあります。「公立だから、何とかなるだろ!」などという安易な考えは「通用しない!」と考えた方が賢明なのです。小学4年生頃から綿密な計画を立案し、「プロ」に依頼することが「賢いやり方」だと思います。気になる方はぜひお気軽にご相談いただければと存じます。
経済的な負担なく、恵まれた学習環境を享受できることは、お子様のみならず、保護者様にとっても「頑張るだけの価値」があることだと考えます。私の倅でさえ「何とかなった」試験ですから(笑)、しっかりした準備と時間さえあればどの子にもチャンスがあると思います。早めの「準備」を強くお勧めする次第です。
頑張りましょう!