中学受験で算数が苦手な場合の対応策に関する専門家のアドバイスを紹介した上でコメントしたいと思います。
専門家のアドバイス
算数が苦手なお子さんに是非目標としてほしいのは、模試などの正答率50%以上の問題を確実に解けるようになること。
正答率50%以上の問題は基礎であり、多くの中位校ではこのレベルの問題が正解できれば合格点が取れる。
これより難しい正答率49%以下の問題は間違えてよいと割りきって大丈夫。
その代わり正答率50%以上の問題は確実に得点ができるように、徹底的に対策する。
点数が上がればお子さんも「苦手だと思っていたけど結構できるかも」とやる気も高まっていくので、保護者はお子さんをほめて自信を持たせてほしい。
多くの塾で行われる月例テストや週例テストの結果を活用して、正答率50%以上の問題でお子さんが間違えている問題をピックアップし、解き直しや類題に取り組むことで解ける問題を増やしていく。
月例テスト、週例テストは毎回ファイルして得点が特に悪い単元はないか注意し、穴となっている単元を見つけたら、休みの日などに集中的にその単元に取り組むなど計画的に穴を埋めていく。
さらに基礎問題が充実している問題集に取り組むと、効率的に力が付けられる。
たとえば『単問チェックで中学入試基礎固め』シリーズは、1問1答形式で問題ごとに☆の数で難易度が示されているので、☆が1つないしは2つまでの基礎的な問題に取り組むとよい。
算数で点数を取るのが難しい場合、志望校の入試結果をみて、国語、理科、社会で何点積み上げれば合格者平均点に達することができるかを見定め、他教科でカバーできるように対策する。
算数が弱い分を他教科でカバーして合格者平均点に届く学校はどこかという観点でも学校選びをするとよい。
コメント
何をもって「算数が苦手」とするかあいまいです。
科目の点数は客観的ですが、子どもが苦手意識を持つというのは主観の問題だからです。
点数が取れないから面白くなく、苦手に感じるということだと思います。
わからない部分を残して先に進み、またわからなくなるのでやっても面白味がなく、手ごたえがない。
当然、テストの点は伸びません。
正答率をみながら間違えた問題をチェックするというのは正攻法。
弱い部分、ヌケ・モレがはっきりわかります。
模試の正答率と偏差値の関係については以前ブログで書いたことがありました。
それ以上に重要だと思うのは、不正確の原因の究明です。
考え方は合っていたか、途中式は合っていたか、そもそも全くの「お手上げ」だったのか。
単なる計算ミスや転記ミスなのか、問題文を読み間違えたのか。
間違えた問題の正答率のレベルとその原因によってとるべき対策が異なってきます。
早急な対策が必要なのは、正答率が高い問題をボロボロ落としていて、それが根本的な理解不足によるケース。
特に、速さと比や相似図形のような「超重要単元」の場合は重点的な対策が必要です。
こうした対策は、塾の通常授業に加えてプラスで行う必要があるため、本来、時間的に余裕がある、冬休みとか夏休みに集中的に行うのが得策。
小5の春休み(小6になる前)までに「穴」を潰しておくのがベストですが、小6になってからも模試で「穴」が見つかるので、その都度潰していくしかありません。
「正答率49%以下の問題は間違えてもいい」とは決して思いませんが、まずは正答率50%以上の問題を完璧に出来ることを最優先する(割りきる)、という考え方はわからなくもありません。
経験上、正答率50%以上の問題を完璧にすることは決して簡単なことではありません。
「基礎問題が充実している問題集」として紹介されていた、『単問チェックで中学入試基礎固め』シリーズについては、次回取り上げたいと思います。
実際に本屋で手に取って見てみましたが、かなり使える問題集だと思います。