中学受験において算数は必須科目で、入試が難しい中学では、多くの場合算数の問題が難しい傾向があります。
算数の問題の難易度によって受けられる学校が決まってきてしまう面があることは否定できません。
中受算数を突破する上で計算力がベースになることは言うまでもありません。
但し、ここでいう計算力とは、単に計算スピードが他の子よりも早いということではないと思います。
中受算数において「速く正確に計算できる」という意味は、具体的には2つあると思っています。
ひとつ目は「頭の中で暗算できること」
計算をするとき、必ず「ひっ算」により求めなければならないという決まりはありません。
暗算とは、「頭の中でひっ算」をすることではありません。
例えば、125×12という計算をするときに、125=25×5、12=4×3であり、25×4が100になることから、答えは、100の5×3倍になるということをパッと頭の中で考えるイメージです。
暗算できるためには、数を分解したり、合成したり、あるいは分数を小数に、小数を分数に変換したりといったことが自由自在にできる必要があります。
言い方を変えれば、先ほどの例に出てくる、125という数をそのまま「125」とはとらえず、「25×5」、あるいは「5を3回かけた数」、あるいは「4倍すると500、8倍すると1000になる数」として見ていることになります。
こうしたことは、日頃から計算問題をやるときに意識しているかどうかで違ってきます。
もうひとつは「計算の工夫を常に考えること」
例えば、11×11+22×22+33×33+44×44-55×55 を計算するとき、
11×11や22×22を一つずつバラバラに計算してから足したり引いたりしても答えは出ますが、とても時間がかかってしまいます。
そうではなく、全体を11×11でくくることによって、残りが1+4+9+16-25で5になりますから、結局、121×5と考えることができます。
そうすればひっ算するよりもずっと早く、しかも正確に答えを出すことができます。
この「計算の工夫」も常日頃から意識していると違いますし、最初に述べた「暗算」と組み合わさることで、訓練を重ねることでどんどんレベルアップしていけると思います。