ユウト君の様子は↑に書いたので、ここでは母ちゃんの観劇記を。
ヴォルフガングが京本大我さん、男爵夫人が涼風真世さんでした。(アマデは男の子)
観る前、市村(正親)さんと祐さん(山口祐一郎さん)は声がもうキツイんじゃなかろうかと心配していました。
何しろ市村さんは70代、祐さんは60代後半ですから。
もちろん、今でも祐さんの大ファンなんですよ。
そこはまったく「揺るぎはしないわ〜」←すみません、わかる人だけわかってください
市村さんには驚かされました。
以前より声が綺麗じゃありませんか!!もちろん、力強さという点では昔の方がいいんだけれど、我が子を心配する父親感は今の方がいい。ご自分のお子さんのことを考えたりしていたのかな?と思ったりもして。
「心を鉄に閉じ込めて」で、「感謝忘れず人の役に立て」というところがありますけど、昔からこの「感謝」の部分で音が高くなるところが好きでした。今回もここがすごく良くて泣きそうになりましたよ。
「感謝忘れず人の役に立て」。何かやってもらってもあまり感謝しないユウト君に聞かせてやりたい あ、隣で聞いてた
祐さんは1幕、喉の調子が悪そうでした。風邪気味なのかな?と。年齢のせいか体調のせいか、声量も以前ほど出ていないし、伸びやかさがなかったので。
2幕は聞かせどころがあるので心配していましたが、途中休憩の後はしっかり取り戻しているあたり、さすがプロです。
まだ声出るんだな。そんなに心配しなくてもよかったみたい
それにしても相変わらず祐さんの立ち姿の美しいこと…
あの人はなぜあんなに皺がないんですか?!
68歳ですよ?
そして相変わらずのオーラよ…。
ファン歴◯十年ですが、また惚れ直したよ
(祐さんの男の色気全開だった「マディソン郡の橋」。また観たいなあ〜)
逆の意味で驚いたのは涼風真世さん。
どんな歌でも軽々と歌っていた姿はどこへ?!
高音がきつそう。よもや涼風さんのそんな姿を見ようとは
いや、もちろん今でも歌上手いんですが、前が凄すぎたから。
でも、美しさは健在。ユウト君が40代だと思ってしまったのもわかる。
昔妖精、今✖️✖️とあなたは仰るけれど、あなたは今でも妖精ですっ!
大御所3人以外の人の話を。
ヴォルフガングの京本大我さん。
まあ、この役は初めてのようだし、こんなもんか
高音は聞いてくれと言わんばかりに張り上げるけれど、低音が出ない。
だから、「影を逃れて」の出だしはキツそう。聞かせどころなのに。あとは歌のタイトルを忘れましたが、「父よ、あなたと分かり合える時が来るのを〜」で始まる曲の出だし。大事なシーンだし、もう少し低音をしっかり出せるようにならないとね。
ユウト君が「モーツァルトが急に弱ったように見えた」と言っていましたが、こういう苦悩するシーンを歌いこなせないことが原因の一つではないかと思います。あの複雑な役をまだまだ消化しきれていないかな、とも思ったし。(若干19歳でこの難役を初演で演じて違和感なかったアッキーはやっぱり天才!)
でも、今年の公演を乗り切ったら、一回りも二回りも成長しそうな伸び代は感じます。だから小池さん(演出)に選ばれたのでしょう。
頑張れよー。と親戚のオバチャンみたいな心境になりました。
まあ、18000円✖️2人分払って「頑張れよー」のレベルじゃ困るんですが、他の皆さんとオーケストラ、作品自体に払ったお金ということにします。(辛辣ですみません)
ナンネールの大塚千弘さん。かつてはコンスタンツェを演じたことある彼女。
声や仕草に落ち着きが出ていました。コンスタンツェよりナンネールの方が合う。曲が彼女の声に合うのかな。市村さんとの息もぴったり。
コンスタンツェの役は、真彩希帆さん。
歌上手いですね。演技力もある。初演(と1回目の再演)の西田ひかるさんみたいな感じ。西田ひかるさんはコンスタンツェには上品すぎると思ったけど、真彩さんは適度にガサツにしていてそこがいい。
コンスタンツェの年齢を上手く演じ分けていて、モーツァルトと出会ったばかりの子どもっぽい時代、恋愛してちょっと女になった頃、不安定になる夫を支えていた頃、夫の遺体を掘り起こそうとする医師に協力する時…と、全く違和感なく時の流れを感じさせてくれます。これは歴代のコンスタンツェの中でダントツかも。
宝塚の人はやっぱり安定感があるし、上手くていいですね!彼女の「ダンスはやめられない」は必聴!
シカネーダー役は遠山裕介さん。
この役は申し訳ないけれど、吉野圭吾さんのイメージが強すぎて
派手に歌って踊って手品までみせちゃう圭吾さんのシカネーダーに慣れてしまっていると、他の人はみんな色褪せて見えてしまう。すみません、これは遠山さんが下手だとかいうことじゃないんです。むしろ、歌は遠山さんの方が上手くて、「本当はこういうメロディだったのか!」って驚いた
「ちょっぴりオツムにちょっぴりハートに」なんていい例。圭吾さんのを観た方はお分かりだと思いますが、彼は音を変えまくるから。なんかのインタビューで、演出の小池さんに「それ以上音を変えるなら、どこかを正しい音に戻して」と注意されたとか話していましたが、そんな感じで、あの印象的なハスキーヴォイスで歌って踊る(踊りが上手い)もんだから、インパクトがすごいんですよね。一方、遠山さんのは正統派な印象。面白みは減ってしまいますが安定感はある。もし今でも圭吾さんのシカネーダーだったら、主役を喰いそうなほど場の空気を支配してしまうから、今回のヴォルフガングには遠山さんの方がいい。
あとね、アルコ伯爵役の中西勝之さんについても一言。
この役、祐さん扮するコロレド大司教との絡みが多いのでつい注目してしまうのですが、中西さんのアルコ伯爵は今までで一番祐さんとの息が合っているように思いました。
声が好きです。はっきりした、低音が魅力的な声。アルコ伯爵の歌って少ないんですが、難しそうなんですよ。だから歴代の人が音を外したり、低音が聞こえなくなったりすることが多かったところを、軽々(じゃないのかもしれないけれど)歌っているので、凄いなと。
久しぶりに観劇記を書きました。
まだ書き足りないところはありますが、長くなったのでこのへんで。
母ちゃんがおすすめするアッキーのヴォルフガングが聞けます。
2枚組の方は圭吾さんのシカネーダーも聞ける
2枚組はコンスタンツェが松たか子さんですが、ハイライト版の方には西田ひかるさんの「ダンスはやめられない」が入っています。