ド迫力の伊福部曲。邦画 『キングコング対ゴジラ』
東宝の 『キングコング対ゴジラ』 (1962年)を観ました。
日本で初めて、アメリカのキングコングを邦画に登場させた作品です。
今なぜこの映画かというと、先日YOUTUBE
い曲を聞いたのです。
『キングコング対ゴジラ』 の中で、コングを崇めるファロ島原住民が踊って唱うスペクタクルシーンがあります。
そのシーンで大合唱される、伊福部昭作詞(何語か分からない) 作曲の、ド迫力のテーマ曲でした。
確か 『モスラ』 (1961年) でも、謎の島の原住民の舞踏があったような・・・
作曲家も、エキストラも、昭和30年代あたりのモンスター映画は 後の 「東映まんが祭り」 とかの頃とは違って、本気度が違います。
こういう群衆を使うスペクタクルなシーンは、今ではなかなか作れないようですね。
どうしてもやりたいときは CG合成にしちゃうとか、でしょうか。
ちなみに、ファロ島島民を演じていたのは、東宝芸能学校の生徒ということです。
えらく目立つ、センターの色っぽいダンサーは、往年の名女優 根岸明美 (2008年没) でした。
本作、さすがに特撮技術は古いですけど、ただゴジラが出てきてシェーをして、キングコングと出会ってプロレスをする、というほど子供だましの映画ではありません。
経済企画庁が 「もはや戦後ではない」 と言い切った時代、 私もその頃に生まれておりますけど、当時はまだ海外旅行に行ける人は少なく、禁断の南の島とかいう設定はエキゾチックで、すごく好奇心をあおるものでした。
大ダコが島の村を襲うシーンとか、当時の観客は目を見開いたでしょう。
また自衛隊のゴジラ掃討作戦も、土木工事で大きな窪地を作ってガス室状態を作ろうとするわけですが、なかなか大がかりです。
ついでに言えば、建設機械のミニチュアが凄すぎます。
油圧技術がなかったころの機械式ショベルとかが出てきますが、そのミニチュアの精度が高いんです。
こんなんが作れるのに、なんで戦車とかがおもちゃっぽいのか、不思議です。
さて、本作の主演は東宝を代表するスター陣。
高島忠夫、浜美枝、佐原健二
今観ると、すごく豪華ですねぇ。
浜美枝扮する桜井ふみ子は、ゴジラの東京南下から逃れようと京急(かな?) に乗るんですが、キングコングがその列車を持ち上げ、彼女を掌に乗せてしまいます。
もう、コングの着ぐるみが稚拙で稚拙で、そこはどうしようもない作品ですが、それでも、キングコングが女性を握って動き回る、アメリカ版コングの名シーンを再現しています。