リアル志向の着ぐるみ。『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦 ! 南海の大怪獣』
いや~、懐かしい。
私 子どもの頃、「夏休み東宝チャンピオンまつり」でこの映画を観ています。
『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦 ! 南海の大怪獣』(1970年)。
もうストーリーは全然覚えていない・・・と言うよりも、子どもにはストーリーなんて理解できません。
大きな銀幕に映し出された、デカい怪獣が暴れ回っている映像、それに興じてしまうだけなのです。
特にこの映画に出てくる紋甲いかが巨大化してしまった “ゲゾラ”。
私の記憶の中では、上部の胴体と下部の足、それに挟まれた目の部分が一体化されておらず、ブカブカと独立して動くのです。
この着ぐるみの独特なデザインと操演による動きが大好きになり、当時私はゲゾラのソフビをねだって、買ってもらいました(今残っていたら、けっこうな金額のお宝でしょう)。
なぜこんな怪獣が出現したのか。
映画冒頭、木星調査用の無人宇宙ロケットが発射されます。
3年半後に戻ってくる予定でしたが、アメーバ状の宇宙生物が入り込んで方向を変えさせ、地球に戻ってきてしまうのでした。
セルジオ島近海へ着水して海中に沈んだロケットから宇宙生物が出てきて、イカに憑りついたのがゲゾラ。
カルイシガニに憑りついたのがガニメ
このガニメの着ぐるみの形状が、なんかすごくよく出来ています。
ガニメばかりでなくゲゾラも操演とカメラワークが上手で、人間の二本足がうまく隠れて見えません。
リアル志向です。
宇宙生物は分裂してマタマタガメに憑依し、カメーバも生まれます。
こいつはハンサムなヤツで、首がニューッと伸び縮みします。
セルジオ島には原住民がいて、『キングコング対ゴジラ』(1962年)で原住民が踊って唱うスペクタクルシーンで使われた曲が再利用されます。
その島は観光地としての開発計画があって、日本人らも上陸していました。
さぁ、三大怪獣と宇宙生物相手に、彼らはどう立ち向かうのでしょうか。
子供の頃は、そんなストーリーに関心はありませんでしたけど 。