今回は、朝ドラ「あまちゃん」のロケ地と、公共交通を使う場合の周り方をたっぷりご紹介します。
袖ヶ浜として登場する最大の聖地が、小袖海岸です。バス約30分。便は非常に少なく、平日は駅へ戻るバスがないと言ってぐらい(タクシーだと片道3000円ぐらい)。そのため私も、バス便が増える週末に行ったぐらいです=久慈駅12時発、小袖海岸14時と、時間的にもちょうど良い。
バスを待つ間は、駅周辺を見て歩きましょう。②の交流センターで『あまちゃん ぐるっとマップ』というイラストマップほか資料をもらってから、スタートしましょう。久慈市内のあちこちに、イラスト入りロケ地看板が立っています。
①三陸鉄道・久慈駅 喫茶(リアス)は実際にはありません。駅構内には、軽食&うに丼売店と小さな土産コーナーがあります。
②JR駅には何もないけど、その右隣にある駅前観光交流センターでは、さまざまな展示があり、たっぷり楽しめます。特にドラマのセットを詳しく紹介した展示は見もの。下は、現在再放映中の「東京編」のセット紹介。
③駅周辺
北三陸観光協会の設定だった駅前ビル、店のシャッターに描かれたあんべちゃんなど。看板のイラストは味があって、かわいくて大好きになりました。
あんべちゃん、大好き!
さあ、いよいよ小袖海岸に着きました(ここまで来たバスの乗客は、もちろん全員巡礼者)!
バス停の目の前から始まって、あちこちにドラマ関連の記念碑が建っています。それを一つ一つ見つけていくだけでも楽しい。
ドラマでは元気な女性たちが闊歩していますが、実際はウミネコとカラスの鳴き声が響くだけの静かな漁港です。目に付くのは、男性漁師さんばかり。あまちゃん巡礼者には慣れているようで、観光客を珍しそうに見る人はいません。
そして集落の一番奥にある小袖海女センターの前が、アキたちが潜ったあの海。エメラルドグリーンの美しさは、アキでなくても「潜りてぇ!」と叫びたくなります。
上から海中をのぞきこむと、海藻がワサワサ生えていて、こんなの食べてるんだから三陸のウニが美味しいはずだわ!と納得。
小袖海岸のシンボル・夫婦岩も、絵になります。なおOPでアキが走っている白い灯台へ至る堤防の道は、通行止めになっていて、上がることはできません。
私が行った時は、三陸特有の「やませ(春~夏に吹く冷たい風)」が吹き下ろしてきて、あたりはたちまち白く煙っていきました。その中で松を生やした岩山が浮かび、その間に碧色の海面が広がる様は、幻想的な絵のようでした。
日本の海岸のこういう風景を見るたびに、「人魚が出てきそう」と思います。洋の東西を問わず、人魚は本来ロマンチックなものではなく、海のあやかしの一種です。★私は実は、ちょっとした人魚フリーク。
海女センターでは、海産物や加工品を少し売っています(小袖海岸で唯一のショップ)。私は、乾燥したふのり(海藻の一種)を買いました。少し水で戻すと、磯の香りがふわあと広がり、今でも小袖海岸の美しさが脳裏によみがってきます。
車や自転車で訪れる人たちもいて、ドラマ放映から10年経っても、まだこんなに見に来る人いるんだと思いました。最盛期は「小袖に行くバスはたいてい満員だった」とバスの運転手さん。ロケ当時は、「あそこに小泉今日子がいたぞ!」とか、町は大騒ぎだったそう。
再放映を見ていると、やっぱり私にとっては朝ドラの最高峰です。こうしてドラマの舞台を直接見ることができて、本当に夢のようでした。
次はいつ行けるかわからない久慈、急いで通り過ぎたくなかったので、現地に一泊しました。
夜は、YouTubeで見つけた「寿々喜」という居酒屋さんへ。値段や好みを伝えると、見つくろって出してくれます。私はとにかく「三陸の魚介、特にウニを存分に食べさせてください!」とリクエスト。私は子供の時から、魚卵系が大好きで、親せきたちから「この子はきっと飲兵衛になる」と言われたほどでした(実際は、酒の味は好きだが、遺伝的にたくさん飲めない)。
写真は、上左がこの店名物のドンコのたたき、右が愛しのウニちゃん(てんこもり)、下がツブ貝。いやあ、至福の味でした!
この他に、天然ホヤ(東京でもよく売っている養殖ものとは、外見も味もちがいました)、久慈の地酒などをいただきました。大将と女性スタッフたちは愛想が良く、カウンター席が大きいので、お一人様も入りやすい。お値段も手ごろ。予約はした方がいいでしょう。
久慈はわりと大きな町なので、飲食店は他にもたくさんあります。交流センターで、飲食店マップももらえます。
遠野もそうでしたが、岩手の人って親しみやすく、良い人が多いように感じました。