フォーレは、1922年、楽譜出版社の社主デュランから、「ラヴェルのようなピアノ三重奏曲を書かないか?」と、言われ、老いに伴う衰えと闘いながら、約6ヶ月かけて作曲されました。
それは、最晩年に書かれた弦楽四重奏曲と並ぶ、名作となりました。 必要最低限の音から、深い音楽を引き出すもので、フランス近代のピアノ三重奏曲としては、ラヴェルのものと並び称されるものです。
選んだ演奏は、現代の、フレンチ・ピアノズムを継承するエリック・ル・サージュと、エベーヌ・カルテットの第1ヴァイオリンとチェロのものです。 ル・サージュの、透明感あふれるピアノと、ジャズなどの新しい要素も取り込みながら、21世紀のフランスのスタイルを追求するエベーヌ・カルテットのメンバーとのコラボは、伝統と、現代性が、見事にコラボしています。