焼山寺の納経所では、だいたい、クルマで来たかとか、人数は? と住職に聞かれる。クルマで来たものは駐車場代を払います。
山を切り開いで駐車場を造り、駐車場から三門までの参道も整備しているのだから、その費用として、という意味もあるし、林道の維持管理費用でもあります。
人数を聞かれるのは納経長の数と参詣者の数の整合性の問題です。四人や五人くらいのグループでお参りに来ながら七冊や八冊も納経帳を出す不正も、たまにあるらしい。
私の場合はたった一人で来て、納経帳一冊出すだけですから、何の問題もありません。
もうじゅうぶん時間をかけてお参りしたので、納経が清んだら駐車場へ急行して、さっさと次の札所を目指します。第十三番札所から第二十三番まではすでに前日にお参りを済ませたし、一番から第七番までも済ませました。だから、目指すのは第十一番札所の藤井寺です。
美郷東山峠経由とか、梨ノ木峠経由とか、進む方向としては近道に見えるルートは幾つもあるのですが、それらは酷い難路です。
道が狭く急傾斜、急カーブが多すぎる。人里離れすぎる。といった問題点があり、またカーナビで選ばせたら、童学寺トンネル経由の道でした。
焼山寺から童学寺トンネル経由と言っても二通りありますが、私がこの時通ったのは、神山中学の近くから鮎喰川沿いに進む道でした。
これがまた狭くて走りにくい道。ただし、対向車にも歩行者にも滅多に出会いません。
童学寺トンネルの手前もまた桜の名所として有名で、この季節の歩き遍路に対しては、この道を通ることを勧めます。クルマで通る場合もお勧めです。
別格霊場の童学寺には立ち寄らず、そのまま石井の街のほうへ。
国道一九二号線に出ます。JR石井駅と下浦駅の間です。
そこから西へ進みます。
鴨島駅の近くから藤井寺まで迷ったことがあるのでカーナビを頼りましたが、何度も通っている道なので、クルマで東側から来ても大体わかりました。藤井寺でも境内の桜が満開でした。