2023.9.5一日一季語 狗尾草(えのころぐさ《ゑのころぐさ》) 【秋―生活―三秋】
利かん気の人を遠目に猫じやらし 杉山久子
第四句集 「栞」より
ねこじゃらしの俗称による花言葉は「遊び」と「愛嬌」。
職場ではいろいろな人と協調することが求められる。しかし、苦手の人とは上手くやれない。できるだけ離れておきたい。風に逆らうことのない猫じやらしのように、やり過ごしたい。ところで、狗尾草の花粉はイネ科花粉症の原因となり、くしゃみや鼻づまりを引き起こす原因にもなるとか。
*2023.8.30 川越にて
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【傍題季語】
猫じやらし(ねこじゃらし《ねこじやらし》) ゑのこ草(えのこぐさ《ゑのこぐさ》)
金ゑのころ、紫ゑのころ、浜ゑのころ
【季語の説明】
花穂が、犬の尾に似ていることから、犬っころ草(いぬっころくさ)が転じてエノコログサという呼称になった。 漢字でも「狗(犬)の尾の草」と表記する。 ネコジャラシ(猫じゃらし)の俗称は、花穂を猫の視界で振ると、猫がじゃれつくことから。
【例句】
父の背に睡りて垂らすねこじやらし 加藤楸邨
猫じやらしの先に迷惑さうな猫 仲寒蟬
猫じゃらし抜くとき猫に見られけり 金子敦
聴診器置かれし棚に猫じやらし 中野和女
いやいやをして甘ったれの猫じゃらし 武井康隆
【狗尾草の由来】
エノコログサの名前の由来はその特徴的なふさふさの穂からきています。えのこは「狗」といい、子犬を指します。子犬を犬の子、犬の子と呼ぶうちになまって「えのころ」になったと考えられます。子犬のふさふさとした尾が穂に似ていることから名前がつけられ室町時代には既にこの名前で呼ばれていました。
【粟の先祖】
意外にも、狗尾草は食用になるという。狗尾草は粟の先祖なのだ。
粟は五穀豊穣の『五穀』、米・麦・豆・粟・黍のひとつに数えられ、米と比べるとタンパク質や脂質が高くミネラルも豊富。そんな粟の先祖なのだ。
【今日は何の日】
クリーンコールデー(石炭の日)
通商産業省(現在の経済産業省)の呼びかけにより、日本鉄鋼連盟・電気事業連合会・日本石炭協会等8団体が1992年に制定。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)