右胸、右肋骨、右脇腹から右肩甲骨下までが、痛い……
激痛だ……
夜中と明け方が最悪だ。
抗がん剤投与後の、浮腫防止のために利尿剤を服用しているので、夜中に一時間おきくらいにおしっこのために起きている。
その度に、激痛、起き上がるために体の向きを変えるだけで激痛、起き上がるときに激痛、トイレまで歩いていくのに激痛、布団に戻って横になるのに激痛、寝る姿勢を確保するまでに激痛……
一時間おきに、この激痛が繰り返され、朝起きたときにも激痛……
日中になると、多少、痛みが和らいでいくけれど、座ったり、立ったり、姿勢を変えたり、反射的に何かに反応する動きをしたときに、激痛……
右腕を上げるのも、きつくなってきてしまった……
通院治療に移行して、診察や抗がん剤治療、輸血、検査等々、通院して次の通院日が必ず指定されて予約診療となっている。
抗がん剤治療の後等に、もし高熱が出たり具合が悪くなった場合は、電話して診療を受けていいと言われている。
実際には、私は予約日以外には診療を受けたことはなかった。
発熱があっても、痛みがあっても、次の診察日に話せばいいやと思ってきた。
でも、今日はもう、我慢できなかった。
午後になってから病院に連絡して、受診することにした。
今週の金曜日に、ペット検査という放射性物質わや注射しての癌細胞と痛みの関わりを調べる検査をすることになっていたけれど、今の痛みが金曜日まで毎日続くなんて、耐えられないと感じた。
2時に主治医の診察を受けて、レントゲンを撮って、その結果を主治医のところに戻って見せてもらった。
骨折だとか砕けていたりとか、腫瘍が骨に、といった最悪の事態ではなかった。
たぶん、という言い方しかできないのだけれど、神経痛系統だろう、という判断しかできないようだ。
私は、最悪の事態側を予測していたので、気分的には楽になった。
けれど、逆に考えると、最悪の事態側ではないのに、この激痛だ……
対処の方法もないわけだ。
今までの痛み止は、効いていないわけだ。
さらに強い痛み止を処方することも、主治医は提案してくれたけれど、副作用として、かなりぼおっとするようになる、注意力や集中力は散漫になる、眠気がひどくなる、ということを覚悟しないといけない。
私はしないけれど、その痛み止を服用している間は車の運転はしてはいけないそうだ。
そして、服用を始めたら、痛みが収まってからもしばらく服用を続けないといけないらしい。
ただでさえ、このところぼおっとしている、注意力や集中力が散漫で、一日じゅう眠い状態のちゃりこ父。
強い痛み止を処方してもらうのは、やめることにした。
結局のところ、骨折はしていない、骨は砕けていない、という安堵、安心だけを得て帰ってきた。
一方で、骨折しておらず砕けてもいないにも関わらずマックスの痛みに襲われている、という理不尽さ、不可解さ、と共生していかなければならない。
痛みはメンタルが楽になって多少緩くなったような気がしていたけれど、夜になると、また痛みはそのままの強さになった。
痛さ、苦しさ、辛さ、変わらずに続いていく……
イレギュラー受診も、痛み自体には、全く効果はなかった……
痛みには、“忍”の一字しかないのか……