8月に読んだ本などのレビュー。
8月に読もうと思っていたのは、学生が出てくる本。
夏休みって何してたっけ?なんて考えてたら、意外と覚えてない事に気付いちゃった。
ちゃんと絵日記とか、書いとけば良かったな・・・
8月のキーワードは『夏休み』なのだ。
■カカシの夏休み 2000年発行 重松清 1963年岡山県津山市
私の重松清さんのイメージは国語の先生なんだけど、本書の登場人物はその通りの小学校の教師だ。
同級生の告別式で20年振りに再開した4人。自分達には戻れる故郷が無い。
かつて住んでいた所は、ダムに沈んでしまっているのだから。
故郷を失くしてしまった自分達の心に燻って、燻っていた気持ちは何なのか?
生徒に隠している事のある『ライオン先生』、息子が虐めた相手が自殺してしまった話の『未来』を含む短編集。
■まほろ駅前 多田便利軒 2006年発行 直木賞受賞
三浦しをん 1976年東京生まれ
便利屋を営む多田啓介。
高校時代の3年間に、一度もしゃべっている所を見た事が無いって変わり者の元同級生、行天春彦との再開。
多田が便利屋になった理由や、行天のプライベートの事が少しずつ分かってくる。
高校卒業後は、普通に大学を出て普通の仕事をして、普通の結婚をすると思ってた二人の同級生だったが、実際には色々あったのだ。
中年になった二人のかけあいがコミカルで興味深い。
■ぼくは勉強ができない 1995年発行 山田詠美
平凡な高校生の殆どは、自分は非凡でありたいと思っている。
30年も前に発行された本なので、今の高校生に当てはまるのか疑問だけど、それって大人の持つ高校生への偏見なんだと思う。
最初は今の高校生を代弁する(と言っても30年前の高校生をだけど)内容なのかな?って思ってたけど、そうじゃない。
大人が読んで、今の高校生への接し方をどうすればいいのか?とか考える気付きになるんじゃないかなって本。
■ぼくらの七日間戦争 1885年発行 宗田理
宮沢りえさんのデビュー作となった角川映画の『ぼくらの七日間戦争』は1988年8月の公開。
管理教育に抑圧された中学生が、教師や大人に対して戦いを挑む、ひと夏の冒険的なストーリーだった。
でもね、原作版はちょっと違うんだよなぁ。
作者が1928年生れって事もあるだろうが、中学生が謀反を起こす姿を、かつての学生運動と照らし合わせている感覚はピンとこない。
登場する子供達にも感情移入できない原因にもなっている。
子供って、もっと単純でシンプルな感情で動くんじゃないかな?
例えば、友情とか正義感とかね。
■さよなら神様 2017年発行 麻耶雄嵩
先月読んだ神様ゲームの続編。
作者の思惑にハマって、続けて読んでしまった。
自らを神様という鈴木太郎。
『犯人は〇〇だよ』最初に犯人が誰か判明してしまう。こんなミステリがあるだろうか?
そして、鈴木は本当は何物なのか?
それが気になって仕方がなくなるシリーズだ。
しかし前回も呟いたが、小学生の身の回りで殺人事件が起きるストーリーは好きじゃない。しかも、掛け合いの内容が小学生の会話じゃないし・・・
せめて登場人物の設定は、大学生くらいにして欲しかったな。
夏休みになると聴きたくなる曲
夏休みになると聴きたくなる、甘酸っぱい気持ちを思い出す曲がある。
①FANKY MONKY BABYS 『告白』 2008年
1977年の夏、高校3年生だった男子が、31振りに学校に行ってみるってストーリーのMVでどうぞ。
夏が来るたびに思い出す。あの時の告白を、君はまだ覚えていますか?
②Bobby Caldwell 『 Special To Me 』 1978年
これを聞くと、盆踊りだったか?花火大会だったか?の帰り道の事を思い出す。
8月のロードショー『春に散る』
■春に散る 2023年8月公開
原作:沢木耕太郎 監督:瀬々敬久
出演:佐藤浩市、横浜流星、片岡鶴太郎、哀川翔、窪田正孝、山口智子、橋本環奈
今年の4月に原作を読んで、映画を楽しみにしてたんよね。
上下巻800ページ以上の長編小説のストーリーを、映画ではスッキリとまとめている。
スピード感のあるボクシングのトレーニングや試合シーンをたっぷりと見せてくれて、140分の上映時間を短く感じさせる作品だった。
不満なのは、広岡の得意なクロスカウンターを教えるシーンが無い事くらいかな。
4月に読んだ原作の『春に散る』のレビューはコチラ
今月のまとめ買い 『進撃の巨人』全34巻
■進撃の巨人 諌山創(いさやま はじめ)
2009年9月~2021年4月まで、別冊少年マガジンに連載していた漫画。
今もコンビニなどで、コラボキャンペーンを行っている位、根強い人気漫画だ。
突然出現した巨人は、人を食べ町を破壊する。
人々は巨人が侵入できない壁で町を囲い、その内部で暮らし始めた。
それから100年、壁の中の暮らしが当たり前となり、壁の外の世界の巨人の恐怖を忘れかけた頃、再び現れた巨人に壁を破壊される。
さて、人類はどうするのか?そして、巨人の正体とは?
3巻まで出た頃に読んだっきりだったが、全巻まとめ買いして一気読みしてみた。
これは・・・2回読んだ方がいいな。2回目でようやく『そうだったのか!』って気付くことが多いから。
作者の諌山創さんは、大分県日田市の出身。
地元の大山ダムには、登場するエレン、ミカサ、アルミンの銅像が建っている。
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