古家苺佳と大林瑤子(医師)
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◇お迎え
翌日のお迎え時は午前中晴れていたのにお日様が顔を隠して
どんより曇り空だった。
眞奈は比奈ちゃんと砂場で遊んでいた。
「ママ、もう少し遊んでてもいーい?」
「いいよぉ~。比奈ちゃんちのママが迎えに来るまでね」
そう言って大林さんを待っていたけれど、1時間過ぎても
彼女は現れなかった。
「眞奈、お買い物して晩御飯の用意もしなきゃいけないから
ぼちぼち帰ろっか」
「はーい。じゃあ、比奈ちゃんばいばいっ」
「ばいばい」
ちょっと比奈ちゃん、寂しそうだ。
一度は眞奈と帰りかけたんだけど、なんか気になって比奈ちゃんに
訊いてみた。
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「比奈ちゃん、ママいつもは早く迎えに来てるのかなぁ?」
比奈ちゃんは答えず、首を振った。
「眞奈、少しだけここで待ってて」
私は娘にそう言い残し、先生を探しに行った。
◇ ◇ ◇ ◇
「先生、私大林さんとは少し面識があるのですが、比奈ちゃんのお迎えは
いつも何時頃来られてるのでしょう?」
「あぁ、眞奈ちゃん比奈ちゃんと仲いいですものねぇ。
今も、しばらく一緒に遊んでて。
大林さんはフルタイムのお仕事をされているので大抵19時ギリギリまで
お預かりしてます。
それで有給取られてたりする日はお休みさせてますね。
お家でゆっくりされてるんだと思います」
「他にも19時まで残ってるお家の子はいるんでしょうか?」
「週に2、3回遅くなる子はいますけど、19時までっていうのはないので、
最後は比奈ちゃんひとりになってしまうんですよね。
でも私たちがいますので大丈夫ですよ」
「あぁ、そうですよね。
先生方がいらっしゃるのに込み入ったことを訊いて失礼しました。
あの、今日もお世話になりました。失礼します」
「さよなら。お疲れ様です」
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