2018年【レインボーリール東京】で上映された、2016年の韓国映画。
最愛の一人息子が、親友との旅行中に交通事故に遭い、植物状態になってしまう。
やがて母は、息子を心配する「親友」との秘密の関係に気付き…ってお話です。
主人公は母のミギョン。
夫には他に女性がいて別居中。息子のスヒョンだけが生きがい。そんな高校生の息子が初めて家に「親友」を連れてくる。
それが、ヨンジュン。明るく屈託のないスヒョンと違い、少し影を感じる男の子。聞けば母を亡くしているという。ミギョンは「息子が2人できた」とヨンジュンを可愛がり、彼もまたミギョンを実の母のように慕うようになりました。
スヒョンが兵役に行った後も、仲良くヨンジュンと面会に行くミギョン。
スヒョンの除隊後、ヨンジュンは彼と旅行へ出掛けます。
初めて一緒に来た海で、はしゃぐ2人が可愛い
しかしその帰り道、2人の乗った車は事故に遭いスヒョンは意識不明、ヨンジュンも大怪我を負いました。脳に激しい衝撃を受けたスヒョンはいつ目覚めるが分かりません。
そんな中、事故現場にあったというカメラの映像を見たミギョンは衝撃を受けます。
その中には、仲睦まじい2人の写真や動画が残っていて、彼らが「恋人同志」だった事を知るのです。
回復したヨンジュンは、入院費を立て替えてくれたミギョンに必ず返すと言い、スヒョンの容態も聞きます。しかし2人の関係を知ったミギョンは「もう来なくていい、連絡してこないで」と冷たく言うのでした。
ヨンジュンが可哀想でねぇ
演じるイ・ウォングンくんがとても儚い容姿で、事故で自分だけ助かったと罪の意識に苦しみながら、愛する恋人を心配する姿が健気
入院費を返しに病院に行ったヨンジュンはミギョンに「スヒョンに会わせて」と頼むのに、彼女は「これで貸し借りはない」とカメラを返し、冷たく拒否するのでした。
過去と現在が交互に描かれる中、2人が幸せだった時や心通わせたシーンがあって、涙出ました
ある日、ヨンジュンが病院へ行くとスヒョンは既に転院。スヒョンが住んでいた部屋にも別の人が住んでいました。可哀想…
スヒョンの看病に明け暮れるミギョンは、離婚を決意。反対する妹に「自分の息子のこと、何も分かっていなかった」と話します。
母としては辛い事、とてもよく分かります彼が悩んだであろう事を、今は聞いても答えてくれないのだから。
そんな中、スヒョンを探すヨンジュン。
自らの身を売ってまで、探偵費用を稼いでいました。あーもう(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾、この辺は本当に辛かった。さらに疎遠にしていた父が亡くなり、兄からも「早く結婚しろ」と言われます。
スヒョンの病室で再会するヨンジュンとミギョン。
スーツ姿のヨンジュンは「すいません」とミギョンに謝ります。
「これで最後にします。ちゃんとお別れを言えてなかったから。頑張ります、全部忘れて幸せになります」
そう言ったヨンジュンだけど、そんなんできっこない。夜、泣きながら電話で「僕だったら良かったのに」とミギョンに言うのです。
それから2人は、一緒にスヒョンを世話するようになります。
ミギョンは変わらずヨンジュンに冷たい態度だけど、スヒョンを世話する事だけは何も言いませんでした。行く宛のないヨンジュンはやがてこの病院で働くようになります。
2人の関係も少しずつ以前のように戻っていきました。ある日ミギョンは「2人の関係はいつから?」とヨンジュンに聞きます。
「それは…彼が僕を好きになったんですよ本当です」
ミギョンはヨンジュンの事を思い「もうやめましょう、ずっといなくていい。あなたが好きな事をして。スヒョンもそう望んでる」と言いました。
それでもヨンジュンはスヒョンの側に居続けます。しかし自分の将来もちゃんと考えて、働きながら学校へ行くと決め、ミギョンに伝えました。
そんなある日、スヒョンが目を覚ますのです奇跡が起きたー。
リハビリも始め、回復していくスヒョン。歩行器で歩く彼の前に、やっとヨンジュンが
うわーん(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
これ以上のシーンはないけど、ここで冬夢は泣きました
6ヶ月後。
すっかり回復したスヒョン。ミギョンはヨンジュンを誘い、3人で飲み明かします。2人の関係が以前とは違う、と思うミギョンでしたが、ヨンジュンには優しく接していました。
しばらくしてミギョンとヨンジュンは、飲み潰れて寝てしまっていました。
彼らの真ん中でスヒョンが母とかつての恋人を見つめるシーンで終わります。
※
スヒョンは回復したんだし、母であるミギョンは既に2人の仲を知ってるんだから、ヨンジュンとは元の恋人同志に戻るんだ、と思っていた冬夢にしたら、モヤモヤなラストでした。
でもね、元々孤独を抱えていたヨンジュンが「スヒョンの介護」という世界の中で自分の居場所を見つけていたのだとしたら…これ程苦しいラストはありません。
恋人を植物状態にしてしまったという罪悪感からは解放され、以前のように接してくれるスヒョンを前に、ヨンジュンが変わってしまったのね、きっと。
彼はやっと、自分の世界を見つけたんですよ。
母であるミギョンは、そんな2人の微妙な変化に気付いていても、何事もないように接していました。母って偉大だ。
これは親子の物語の中にLGBTが描かれている作品でした。
韓国映画らしい「観た人の想像に任せるラスト」でしたが、この3人の未来には幸せがある、と冬夢は思います。
Amazonプライムビデオで見放題配信中なので、気になった方は観てみてくださいねー。
それにしても本国のポスター、めちゃくちゃ素敵じゃないですか?これが日本版になったら途端にダサくなるの何でやろね
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