八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。


(右から:たまたま挨拶に来られた近所の別荘族Aさん、Aさんのひ孫(生後3か月)、Aさんのお孫さん(20歳)、お嫁さん、孫、私 Aさんは私とほぼ同年齢なのにもうひ孫がいらっしゃる)

 

 長男一家、お嫁さんのお母さん、同じく妹さんの一行6人が八ヶ岳南麓の我が家にやってきた。

 孫が別荘に来るのはこれが初めてとあって、我が家は歓迎の準備で大わらわ。

 家内は朝からパエリアを食べてもらおうと仕込みにかかり、私はバーベキューの準備にとりかかった。

 まずは久しぶりに珪藻土七輪とバーベキューグリルを物置からとりだしたが、どちらもちゃんと使えるようでひと安心。

 

(奥能登珪藻土七輪 7年前に購入したもの)

 

(デッキの下に長年放置したグリルは足が折れそう)

 

 メイン食材は「肉のわたなべ」で購入した牛ヒレ肉だが、生来ケチな私はいくら孫一行とはいえこんな豪勢なものをホイホイと食わせる気にはならない。

 若者たちには牛モモ肉を食わせ、ヒレはお嫁さんのお母さんと私たち夫婦で楽しむというセコいながらも現実的な二段構えとした。

 

  

(最高級和牛ヒレ(上)1枚200g前後 モモの方が少々小さいのが難点)

 

 これだけでは安心できない。

 子供たちが小さいころ回転寿司や焼肉に行く時には事前にパンや肉まんを食わせたものだが、それを思い出して若者3人にはまず厚揚げとソーセージをあてがうことにした。

 

(このソーセージも高価だが牛肉に比べれば屁のようなもの)

 

 これでもまだ不安だ。

 さらにジャガイモとキノコのホイル焼きも食わせることに。

 

(ホイル焼き6人分は結構手間がかかるが背に腹)

 

 準備万端相整っていよいよバーベキュー開始。

「ちっ!」

 焼き方に任命した長男は食材一式を一瞥するなり、

「オヤジも変わんねえなあ、昔からの手口じゃん。全員で一緒に食えばいいんだよ」と同時に各種食材を焼き始めた。ああ、親の心子知らず。

 

 焼き方が大皿に乗っけてくれる食材を全員で食い散らかす。

 旨いよ、美味しいわと食い物はみるみるうちに6人の胃袋へ。

 さすがにこれ以上は腹に入るまいと思ったところにパエリアが登場した。

 

(エビは「ひまわり市場」でわざわざ予約したもの)

 

 どうやらパエリアは別腹らしい。

 これもレモンだけ残してあっという間に6人の胃袋へ。

 

 よく食ってよく飲んでよくしゃべって。

 孫の初訪問は楽しい秋の一日となった。

 

(パパに抱っこされてごきげん また来てね)

 

             

 

(暖かく迎えてくれたフレンチレストラン「contrast」小池シェフご夫妻)

 

 先日清里の鰻の名店「風に吹かれて」に行った時のこと。

 オーナーの三上さんが、

「ご自宅の近くにレストランがオープンしましたので一度覗いてみてください」と勧めてくれたのがフレンチレストラン「contrast」。

 どれどれと、さっそくこの日ゴルフ友のAさんご夫妻をお誘いして昼メシを食いに行ってみた。コースは5500円の一番安いヤツを予約した。

 

 ところがまあこの辺でしょう、と当たりをつけていた場所は全く違っていて、約束の時間に15分ほど遅れてしまった。

 途中何度か店に電話したが、腹が立つことに誰も出ない。

 やむなくお詫びかたがたAさんに電話をして場所を教えていただいた(汗)が、なんのことはない、レインボーラインからタルトの名店「Joshua Tree」のほぼ向かいの砂利道を入ればすぐのところだった。

 

 カフェが併設されたお店にはクルマがずらり。

 日は浅いが早くも人気店になっているらしい。これでは電話に出られないわけだ。

 

(カフェ(予約不要)にも旨そうなものがずらり)

 

 本日のコース、まずはアミューズから。

 インドのウンダラいう揚げものにコーンポタージュ風のものを詰めたものと、鮎の魚醤風味のカンダラ。カンダラの方は日本酒が欲しくなる味だ。

 

(ウンダラ(右)は卓球サイズ、カンダラは美白クリームなんかの試供品サイズ)

 

(女性陣はスパークリングワインで乾杯 ウンダラもカンダラもワインとの相性抜群の由 それはよござんしたね) 

 

(ウンダラの中身 パンが来てなかったので指ですくって食っちゃった)

 

 続いては「八ヶ岳湧水鱒のマリネ梨(豊水)と水ナスコンソメジュレ」。

 甘い味としょっぱい味のミックスは私は苦手だが、「生ハムとメロン」、「パイン入り酢豚」や、トーストにバターとジャムを塗るタイプの方にはお勧めの味だろう。

 

(透き通っているのは水ナスか)

 

 料理はマダムがかいがいしくサーブしてくれ、その都度シェフの小池さんが中身を説明してくれる。

 聞けばシェフは今からちょうど30年前、新宿パークハイアットのオープン時にレストラン(たぶん「ニューヨークグリル」だろう)で働き始めたそうで、その後フランスに修行に行ったりフレンチの名店「ミクニ」で腕を磨いたりして、やがて清泉寮のシェフとなり、この7月についに一国一城の主となったそうな。

「するってえと、清泉寮時代にお2人は出会った、ってことですか」

「いえ、東京時代に」

 もっと根ほり葉ほり聞きたいところだが、シェフご夫妻を我々が独占することは許されない状況なのが残念だ。

 

 本日のスープをはさんで登場したのは「パリパリの生地で巻いた本日の魚とセップ茸(和名ヤマドリダケ、伊名ボルチーニ茸)のリゾット スダチとハーブのバターソース」。

 

(本日の魚はサンマ)

 

 旨い。

 私的にはこれが本日のベストプレートだ。

 パンをお代わりして皿をピカピカに磨き上げた。

 

 続くメインは5種類の中から選ぶスタイル。

 

 

 Aさんと私は追加料金なしの「クリスタルポークのロースト」、女性陣は+2420円(!)の

「オマール海老のポワレ」を召し上がった。

 

(これまたソースがパン泥棒ときてる)

 

 オマール海老のポワレも少し食わしてもらったが、旨いことは旨いが+2420円はいくらなんでも高すぎだろう。

 

(どうだまいったか)

 

 この追加料金だけで「あめみや」や「コジシタ八ヶ岳」の海老フライを3回食えるではないか。まあそんなこと言い出したらフレンチなんて食えないけど。

 

 食後の飲み物は実際に香りを確かめて注文できるという、なかなかシャレた方式だ。

 

(4人仲良く冷たいチャイをチョイス)

 

 デザートは「橋爪農園(どこだ?)のブドウのババ(サバランみたいなシロップ漬けの焼き菓子)ココナツアイスクリーム添え」。

 

 

 旨い。

 最後のプチフールまでなんとか完食した4匹のちいちいふぐは立ち泳ぎしながらよろばうように店を出た。

 

(ガラスの皿がなんとも美しい)

 

 この味、このボリュームで5500円はリーズナブルだ。

 小池シェフによるとカフェのランチはカレーに力を入れていて、インド風のキーマもしばしばこさえるとのこと。

 

 八ヶ岳南麓からネパール人のこさえるインド風カレー(インド人や不思議ちゃん系の日本人がこさえる本場の味に忠実なインドカレーは残念ながら私の口に合わない)が姿を消してだいぶ経つ。

 

 これは一度食いに行かなくてはなるまい。

 

(ごちそうさまでした!)

 

             

(清里アーリーバードゴルフクラブにて)

 

 八ヶ岳南麓の地元のゴルフコンペに参加させていただいた。

 16年前から始まったこのゴルフ大会は今日が100回目とのこと。

 皆さんお忙しい中でここまで大会を継続できるのはゴルフ好きのメンバーの熱意はもちろんだが、幹事さんの努力に負うところが大きいだろう。

 

 朝4時に起きてまずはそらの介護を済まし、おっとり刀で「丘の公園清里ゴルフコース」へ。ここでじっくり練習しようという算段である。

 1カゴ(30球)かせいぜい2カゴのつもりだったのだが、左足によく乗れてすこぶる調子がいい。

「この感覚を忘れてはなるまじ」とさらに1カゴドライバーの練習をしていざ出陣。

 

 会場の「清里アーリーバードゴルフクラブ」は秋晴れの絶好のコンディションだ。

 ところがスタートホールでヒールに当たったティーショットは無情にも左サイドのドンブリ(地元用語でラフに多いすり鉢状の窪地のこと)へ。いきなり9を叩いて劈頭から暗雲が垂れ込めた。

 

 こうなるともういけない。

 一度切れたスイッチはいったいどこにあるのかさっぱり分からない。

 3発連続OBだのなんだのをやらかして、ハーフのスコアはなんと64(涙)。2年前にゴルフを再開してからこっち、最も悪いスコアとなった。

 

(友がみな我より上手く見える日よ)

 

 セブンイレブンのバターチキンカレーを食いながら(←アーリーバードにはレストランがない)、缶チューハイ(ゴルフ場で1缶200円)をグビリとやったがそんなもんで傷心が癒されるものではない。

 ままよと後半は缶チューハイをもう1缶買ってコースへ向かった。私のゴルフは前半で終了、あとはハイキングに過ぎない。

 

 ところが後半のスタートはボギー、ボギーと来て、ショートホールではバーディ+ニアピン賞まで取る始末。上がってみたら44とゴルフ再開後のベストスコアとなった。

 

(グロス108ネット80(HC28) そこそこまで順位があがったはず)

 

 う~む。

 いったいスイッチは私の身体と心のどこにあるのだろうか。それは判然としないが、どうやら「もういいや」と脱力できたのがよかったらしい。

 生来緊張体質の私はやる気をなくしたうえにアルコールで頭がぼんやりしてくるくらいがちょうど塩梅がいいらしいのである。「インテリの哀しさ」つうヤツでしょうか(違うだろ~)。

 

 コンペが終わっていつもの懇親会場での表彰式。

 後半上位陣がスコアを崩し、意外なことにタナボタで優勝してしまった。

 こんな晴れがましいことは3年ほど前に大泉囲碁部の大会で優勝して以来のこと。

 前半ボール探しに駆けずり回ってくださった同伴者の皆さんのおかげです。ありがとうございました(この方たちはお気の毒に前半で消耗したせいで後半スコアを崩した)。

 

 優勝賞金5000円、ニアピン1000円の計6000円の雑所得はゆるふわ生活に突入してから11年、初の金銭収入だ。

 

 秋の椿事、おかげで楽しい1日となった。

 これからもラウンドの時は缶チューハイを飲むことを心に誓った。

 

             

(清里で最も高名な観光名所 ビートたけしのカレー屋跡)

 

 八ヶ岳南麓生活が長くなり、髪の始末に困っていたところ、ブログをご覧になったお2人から

よい床屋を紹介していただいた。ひとつは清里駅前にあるという「高原バーバー」、もうひとつは日野春駅前の「カットハウスタシロ」。

 今回はついでにゴルフの練習ができることから、清里に行ってみることにした。

 

(いつもお世話になってます)

 

 まずは丘の公園清里ゴルフコースへ。

 練習場で60球ほど打ってから顔見知りのフロントのお姉さまがたに特別な、特別な許可をいただいて、パットの練習もさせてもらった。

 

(グリーンの芝の長さは3mm、カラーは5mm位だろうか)

 

 予約の時間になったのでいざ「高原バーバー」へ。

 マップで見ると店は清里駅からビートたけしのカレー屋方面に入ったところにあるのだが、それと思わしき場所にはショボい喫茶店風の建物があるだけ。窓際の席から目つきの悪いおっさん2人が凝っとこちらの様子を窺っていた。

 

(床屋のサインポスト風のものもあるにはあるのだが)

 

 思い切って近づいてみるとやはり床屋だった。

 おっさんの一人がマスターで、もう一人は理髪を終えたお客さんらしい。

 

 

(「こうげんバーバー」なのか、「タカハラバーバー」なのか)

 

 かくかくしかじかで、と告げるとマスター曰く散髪だけなら2000円、髭も剃るなら+1000円とのこと。しばらく髭の手入れもしていないので髭剃り付きにしてもらった。

 

「スミマセン、ゴルフの練習してきたのでちょっとエアコン入れてください」

「あ~お客さんゴルフやるの。オレも昨日(=床屋の全国休業日)『富士見高原』でゴルフだったよ」

 

 それからこっち、話は弾みに弾んだ。

 清里鰻の名店「風に吹かれて」の近くで生まれ育ったというマスターはあの店はこう、この店はどう、と界隈の事情に通暁している。

 

「マスターはここでずっと商売やっているの?」

「もう53年、いえ54年になるかしら」

と答えてくれたのはテーブル席に陣取って話に加わる奥さんだった。

「あの頃はすぐそこにパチンコ屋が2軒あってね。皆さんパチンコの行き帰りに寄ってくれたのよ」

 清里の栄枯盛衰を知る奥さんは遠くを見るような顔(たぶんそうだろ)をした。

 

「マスター、ゴルフやるなら『清里アーリーバードゴルフクラブ』が近くて安くていいんじゃないの」

「あすこは会員権が紙くずになったからね、あまり行きたくないね」

 バブル期アーリーバードの前身「野辺山カントリー」の会員権は1000万円まで上昇した。マスターが買った時は300万円弱だったというからまだしも不幸中の幸いだったわけだ。

 清里の栄枯盛衰を(以下同じ)。

 

「髭はオレと同じくらいで4mmでいいかな」

「そうね、いや3mmにして。すぐ伸びちゃうからさ」

 

(カラーの芝だと少々長すぎ)

 

 散々面白い会話をして、終わるとコーヒーが待っていた。

 旨い。

 お客さんには必ずコーヒーを出しているのだという奥さんによると、豆は先代から贔屓にしている韮崎の某珈琲店の「高原バーバー」オリジナルブレンドの由。毎月4kgのコーヒーをお客さんに出しているそうな。

 

(いろんなお菓子は「ご自由にどうぞ」)

 

 値段も安く腕もよくて話が面白い上にコーヒーまで出してくれるとあって、残念ながら「八ヶ岳南麓理髪店巡り」シリーズはわずか1回にて完結とあいなった。

 

 kevinさん良店をご紹介いただきありがとうございました。

 manaさんご厚意に応えられずど~もスミマセン。

 

 

(ラフは・・・)

 

(きれいに整備されましたとさ)

 

             

(八ヶ岳高原海ノ口自然郷・八ヶ岳高原ロッジへ向かう道 同管理事務所HPより)

 

 ゴルフ友Aさんの別荘に泊めていただくことになった。

 Aさんのお習字トモにしてシイタケ友でもあるBさんと3人で翌日ゴルフを楽しもうという企画である。

 

 Aさんの別荘は野辺山の「八ヶ岳高原海ノ口自然郷」にある。

 隣接する八ヶ岳高原ロッジを含む総面積は200万坪(東京ドーム140個分らしい)、ガーデニングや植栽も制限されていて高原の自然がそのまま残っている静かな環境に約1000戸の別荘が点在している。

 

 男3人とあってメシをどうするかが問題だ。

 我が家周辺ならちょっと歩けばいくらでもレストランがあるが、Aさん別荘付近ではメシが食えるところは八ヶ岳高原ロッジ(高い)だけらしい。

 ここは一番下界に住む(?)私が何か差し入れを持って行くことにして、まず真っ先に浮かんだのが数年前に頼んだところすこぶる旨かった「プロシュッテリア・モリモト」のオードブル盛り合わせ。

 ところが電話してみるとテイクアウトは受けないことになった由。残念~。

 

 さあどうしよう。

 ふと思いついたのが牡蠣の名店「コジシタ八ヶ岳」である。

 オードブルのテイクアウトを果たしてやっているのか、やっているとしても定休日にそんなもん受けてくれるのか(普通受けないだろ)、甚だ怪しいがノブコさん(マダム)の侠気に頼ってかくかくしかじか告げると快諾していただいた。

 あ~ありがたや、牡蠣トモ(友じゃないでしょうが)。

 

 当日まずは翌朝のパンを「バックハウスインノ」で受け取り、新宿から電車で来るBさんを迎えに小淵沢駅へ。その足で「コジシタ八ヶ岳」に向かった。

 

(「CLOSED」になってんじゃん(当たり前だ))

 

 店内に入れていただくとすでにオードブルは出来上がっていた。

 

(「よそ者のホタテグラタンに詰め寄る牡蠣の集団」といった佇まい)

 

(パンは「バックハウスインノ」のバケット)

 

(お品書きまで用意してくださった ノブコさんありがとうございます)

 

 お礼もそこそこに一行は脱兎の勢いで野辺山へ。カキフライが冷めないうちにどうか着けますように。

 

(広大な敷地にひっそりと佇むAさん宅)

 

 クルマを飛ばすこと小一時間、料理教室に通ったこともあるというAさんは鯛の昆布締めを用意して迎えてくれた(写真撮るの忘れた)。

 まずはビールで乾杯して昆布締めは日本酒で。

 旨い~。ありがとう社長~。

 

 コジシタ特製オードブルはまずは白ワイン、並行して赤ワインも飲み始めたので胃の中でロゼになってしまうというていたらく。

 さらにAさん「砂肝のコンフィ」なんていういかにも料理教室仕込みっぽい秘密兵器(同上)まで繰り出したから、閑静な別荘地が阿鼻叫喚となったのも止むを得まい。

 

(ボケの予感そんな気分~いつもと違うでしょ~ BGMは何故か尾崎亜美)

 

 散々飲み散らかし、食い散らかした翌朝はこれまたAさん特製の「ニンジンのポタージュ」がやさしく迎えてくれた。

 Aさんの才能か、はたまた料理教室の指導の賜物か、これまた流石の味である。

 

(インノの「オリーブ」でいただきます)

 

 いざ出陣というところで我が家で不測の事態が生じて急遽私は家に戻ることになり、ゴルフは参加できなくなった(涙)。

 結局Aさんの別荘で食い倒れただけの恥ずかしい一晩となってしまった。

 

             

 

(毛根から生えた頭髪を思わせる白駒池の樹林帯)

 

 八ヶ岳南麓生活が長くなって困ること、そのひとつが理髪に行けないことだ。

 私は何の因果かつむじが頭頂部と額の上辺りに2つあるせいもあって、事情が分からない床屋に行くと滑稽な髪形(「滑稽なのは髪型じゃなくて存在そのものだろ~」と外野の声)にされてしまう。

 

 小学生の頃は「週刊ベースボール」と「月刊ゴング(プロレスの専門誌)」が読みたくて床屋に行くのが楽しみだった(その後「プロレスは八百長だ」と教えられて「ゴング」には興味を失った)。

 

(「月刊ゴング」1968創刊その後週刊化されたが2007年廃刊 グレート草津とビルロビンソンのファンだった私はゴングでその勇姿を追想するのが好きだった)

 

 中学高校の時分は床屋代をもらっても飲み食いに使ってしまうので髪は伸び放題、級友の多くも同じような状態だった。

 

 現役時代はいわばマナーとして仕方なく床屋に通ったが、今は違う。1か月に1回は床屋に行かないと高齢化とともに髪の成長(と喪失)が場所によって異なるので落ち武者のようなざんばら髪になってしまう。

 

 とはいえ、そらの容態を考えるとしばらく東京には戻れない。

 どうしたものかとふと鏡を見ると、なんだか髪が増えているではないか。

 

(ほら増えている 小汚い写真でど~もスミマセン)

 

 じっくり観察してみると、単に髪が伸びただけでなくバーコード状だった前頭部の髪密度が濃くなっているようだ。

 思い当たることはただひとつ、今年になって育毛剤を換えたことである。

 

 私の家系はハゲが多く、亡父も両祖父も若い時分からハゲていた。

 思春期ど真ん中だった高校生の私は「このままではデブとハゲの二重苦に生涯苦しむことになる」と一念発起、雨が降っても槍が降っても毎日かかさず「カロヤン(第一三共ヘルスケア)」を頭皮にすりこみ続けた。

 

 以来50年、おかげで私の頭皮にはなんとか髪が残っている。

 そうは言ってもカロヤンはいささか高い。

 今さらハゲようが関係ないわ、とより安い「SUCCESS育毛トニック(KAO)」に乗り換えたのが奏功したようだ。

 

(右(無香料)は現役 左(フルーティシトラス)は予備 ウェルシアはレジが混むのでなんでも買いだめする)

 

 男の髪に対する執着は女性にはなかなか理解できないだろう。「男の3大コンプレックス」といえば、チビ・デブ・ハゲである。

 

 高校1年の夏休みのこと。

 学校のプールサイドで級友A(=チビ)、私(=デブ)、B(=ハゲ)の3人で「この中で最も悲惨な人生を歩むことになるのは誰か」を論じ合ったことがあった。

 

 「オマエたちはまだいいよ、誤魔化せるからサ。チビにはトップシューズ、ハゲにはアートネイチャーがあるじゃん。ああ、かわいそうなオレ、誤魔化しようがないよ」

 私がそう喝破するとA、Bが血相をかえて反撃してきた。

「デブは遺伝子の問題じゃないだろ!オマエの問題なんだよ」

「本人の生きる姿勢がダメなんだよ。オマエは万事努力が足りないんだよ」

 ふ~ん、オレはそういう風にみられてたのか・・・。

 

(あれから50なん年 Bはハゲをトレードマークに出世街道を驀進した)

 

 ゴホン、少々話がそれたが、髪に悩む世の男性諸氏にはコイツを一度使ってみることをお勧めしたい。

 

             

(シュウメイギク 菊ではなくキンポウゲ科(アネモネの仲間))

 

 暑い夏が続く中、我が家の庭でシュウメイギク(秋明菊)が咲いた。

 どうやら秋がやってきたらしい。

 

 このシュウメイギクは八ヶ岳南麓に住むきっかけとなったペンション「ブロッサム」の庭から移植させていただいたもの。一昨年の秋にピンクの花をつけた株を覚えておいて翌年の初春に株分けしてもらった。

 我が家の庭に君臨する厄介者のヒメヒマワリも何年か前に「ブロッサム」で株分けしてもらったものだが、想像を絶する繁殖力に手を焼いている。

 

 今年は出遅れた感があったコスモス(秋桜)も満開になった。

 

(こいつはキク科)

 

 家を建てた当時厄介者とは知らずにせっせと種を蒔いたりしたものだから一時は目も当てられない惨状を呈したコスモスだが、庭の王者こそヒメヒマワリに譲ったものの今でもあちこちで威張っている。

 

 8年前に「ブロッサム」から新築祝いでいただいたブットレアも満開だ。こいつはアゲハ蝶の好物なのだが、今年は殆ど見かけなかった。

 

(暑すぎたせいか今年は昆虫類が全般に少ない感じ)

 

 草むしりを一度もしなかった今年の夏。

 どうやら逃げ切りの夏になりそうだ。 

 

(そういえばホンモノの芝刈りも一度もやってない)

 

             

(叙々苑「キムチチゲ」)

 

 夏の暑さをしのぐ食いものといえば、カレーに代表される辛いものだろう。

 辛い物は発汗作用で体温を下げてくれるし、初夏には新陳代謝が活発になることで熱中症予防にもつながる。

 

 我が家ではカレーだけでなく、真夏にキムチチゲを食うことが多い。

 残念ながら夏になるとスーパーからは鍋の素が消えてしまうので、Amazonで叙々苑の「キムチチゲ」(←これ旨い)を大量に購入してストックしている。

 

 つい先日も暑気払いと称してゴルフ友のAさんと我が家でキムチチゲを楽しんだばかりだが、

この日は気温が下がって肌寒い一日となったことから「冬の食い物」としてキムチチゲを食うことになった。

 

(気温が20℃を切ると暑さに慣れた身体にはこたえる)

 

 我が家のキムチチゲはいたって簡単。

 豚肉(しゃぶしゃぶ用が相性がよい)、豆腐、キノコ(エリンギが合う)、もやし、ニラ、その他ツマミになりそうなものをブチ込んで煮るだけ。翌日は残った汁でラーメンが楽しめるというオマケつきのうれしい食い物だ。

 

(夏のニラはイマイチ旨くないのが玉に瑕 この日のゲストは油揚げとさつま揚げ)

 

 旨い。ビールにも日本酒にも焼酎にもぴったんこ。

 夏に他の鍋は食いたいと思わないが、キムチチゲは別格だ。中でも叙々苑のもの(「辛口」に限る)がおすすめなので是非お試しください。

 

             

 

(キャンベルズアーリー)

 

 もう8月も終わりだ。

 8月の八ヶ岳南麓は前半はやたらに暑く、後半は台風10号の影響もあって雨続き。この日一週間ぶりにようやく雨があがって晴れ間がのぞいた。

 

 さっそく溜まりに溜まったそらのタオル(シーツ代わり)をデッキで干すことに。

 なんだか「幸せの黄色いタオル」って感じかなあと思ったが、写真で見るとただの難民キャンプだ(汗)。

 

(赤いタオルのところにブドウがある 黄色いタオルの方はただの雑草)

 

 タオル干しのついでにデッキに這わせているブドウ「キャンベルズアーリー」を1房食ってみることにした。

 

(デッキ側に顔を出したブドウの房)

 

 我が家の庭にブドウの苗を植えたのは2020年6月のこと。

 綿半で買った「藤稔(巨峰みたいな大粒のヤツ)」と「キャンベルズアーリー」を植えたのだが、将来を嘱望された藤稔はその後テッポウムシにやられてあえなく八ヶ岳の土となり、ついでに植えたキャンベルズアーリーが健気に実をつけている。

 

 ブドウの生育限界は一般に標高800mと言われているが、耐寒性の強い米国種のキャンベルズアーリーは標高1000mの我が家でこれといった冬越し対策もせずに生き延びている。

 シャインマスカット、ナイアガラといった米国種と欧州種の雑種もそこそこ寒さに強いようで、我が家の近くでスクスク育っている。

 

 今年の出来栄えは中サイズが1房、小サイズが3房。施肥もせずにほったらかし状態にしているわりには立派なものだ。

 

 おやつ代わりに食ってみるとナリは小さいが味は巨峰と変わらない。

 過ぎ行く夏の香りが口の中に広がった。

 

             

 

 愛犬の介護にすっかり疲れて精のつくものが食いたくなった。そんな時は八ヶ岳南麓の誇る鰻の名店「Blowin'in the Wind」に限る。

 ハナの1130を予約して1120に店に着くとすでに営業中。11時開店だったのね。

 

 

(鰻とレコードというのが少々妙な感じ)

 

 分厚い引き戸を開けて中に入るとオーナーの三上さんがいつもの爽やかな笑顔で出迎えてくれた。

「いらっしゃい。お久しぶりです」

「相変わらず商売繁盛で。もう5年位経ったかな」

「やだなあ、おととし開店ですよ」 

 

 ああそうだっけ。初めて訪れたのは狭心症で救急搬送された夏のことだからまだ2年しか経っていないんだ。

(2022年7月オープン 初めて訪れたのはその年の9月)

 

「なんかレコードかけましょう。ジャズがいいですか」

「そうねえ。サックスがいいな(←習ってるなんて口が裂けても言えない)」

 これにしましょうか、と三上さんがピックアップしてくれたのはテナーサックスの麒麟児ウェイン・ショーターだ。

 

(「wayning moments 」1962)

 

 むせび泣くような、そしてやさしく包み込むようなテナーサックスの音色が介護に疲れた心身に沁みていく。

 

 天国ってこんな感じかな~、と浸っていると三上さんが雑誌を持ってきた。「おとなの週末」と「dancyu」に紹介されのだという。

 

 

(「おとなの週末」うなぎ特集 山梨県からは「Blowin'」のみピックアップ)

 

(特集記事の巻頭見開きにもこちらの鰻(真ん中の写真)が掲載されている(一番左は「dancyu」の掲載写真)

 

 三上さんはとてもうれしそうで、なんだか私も幸せな気分になってきた。

 記事をパラパラしていると、やがて至高の鰻がやってきた。

 

(本日の鰻「味鰻(宮崎県中村養鰻場)」)

 

 旨い。旨いよ~。

 ここの鰻もかれこれ10回ほど食っているが、いつも変わらぬ鉄板の旨さだ。

 

 カレー、餃子、麻婆豆腐、カツ丼・・・。

 最後の晩餐の候補はあまたあるが、やはり鰻が一番だろう。

 とりあえず今日から4892日後、メメントモリカウントダウンタイマーがゼロになった日の昼メシは絶対ここの鰻にすることにした。

 

(こうやって掘ったところは余計旨そうでしょ)

 

             

  翻译: