太田忠司「和菓子迷宮をぐるぐると」 | 読後つれづれ

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太田忠司「和菓子迷宮をぐるぐると」

 

ランチの煮魚を食べながら、その作り方を科学的に検証してしまうほどの理系大学生・涼太。

ちょっと変わり者と言われる彼が出会ったのは、あまりに美しい「和菓子」だった。

その「美味しさ」にも魅せられてしまい、すっかり和菓子の世界の虜に。

勢いのあまり大学院に進まずに和菓子職人になることを決意し、製菓専門学校に入学してしまった。
個性豊かな学生たちとともに和菓子作りに精を出すが、和菓子はとにかく答えがない。

なんとか自分の和菓子を作ろうと苦心するも、全てを1か0かで考えてしまう理系的思考が、数値だけでは測りにくい和菓子作りの邪魔をして――。

 

 

図書館の電子書籍で読了。

このお話って、これ↓と同じみたいですね(「お気に入り」に保存してありました)

 

 

文庫化の時に、題名変えたんですかね~あせる

(まぎらわしい…)

 

 

お菓子にまつわるお話は数あれど、理系男子のお話は珍しい。

ただ、ちょっと思ってた話と違うなぁ~、と。

お菓子修行メインの話かと思ってましたが、どっちかといえば製菓学校のアオハル話でした。

その学校の性質上、まわりは女性の友人ばかり。

彼女達の人間関係話の方が多かったかも。

 

涼太が憧れる和菓子職人の弟子、ティンさんのキャラは嫌いでしたが、

よくいるタイプをわざと描いたのかも。

涼太の伯父が人気作家、母親が人気女優というのは、現実味がなくて不要な設定だったかなぁ~。

 

でもお話は読みやすくて面白かったです。

前に進む若さ、そして悩みもあり、十代後半~二十代前半の人に読んでほしいお話です。

 

その道で精進する大人達の言葉は、含蓄あるものが多く。

「人間は結局、手持ちのカードで勝負をするしかない。だったら持っているカードで最高の手を見つけるほうがいい。」

自分ができないことに憧れ消耗するより、できることを極めた方がいい。

経験を積んだ人が言うからこそ、響きますね。

 

その一方で、まだまだ若い涼太の言葉が心に響きました。

たとえ親であっても自分の人生を決めさせてはいけません。

その人はあなたの人生にずっと責任をもってくれるわけじゃないですから。

自分で決めるのはたしかにしんどいです。だけど大切なことですよ。大切だから逃げられない。しんどい。だったら自分で決めてしまうほうがいいです。

決めてもし違っていると思ったら、またやり直せばいい。洋菓子作りをやってみて、駄目だと思ったら和菓子に転向してもいいし、全然別のことをしてもいいです。

今のことは今の自分に決めさせて、将来のことは将来の自分に決めさせれば。

「今のことは今の自分に決めさせて、将来のことは将来の自分に決めさせれば」

 

いい言葉ですねぇ~。

自分の子供に対しても、こんな柔軟な気持ちを持ち続けたいです。

 

 

そして餡子を炊きたくなりましたおねがい

 

 

 

 

 

 

 

  翻译: