たまたま見かけた記事の紹介です。

 

「レナウン株式会社」は

「株式会社レナウン」とは別企業、

前株と後株の違いで何が変わるか

 

この記事は、分量から言っても

「レナウン」の話より、

「前株」「後株」の話が中心です。

 

で、一般の方は、「前株」「後株」

と言われても分からない方が

むしろ多いと思います。

 

かくいう私も、司法書士事務所に

勤務してから聞いた記憶があります。

 

記事にある通りで、「株式会社」の場合、

商号(=会社名)のどこかに、

「株式会社」を含めなければなりません。

 

(会社をお客様としているお仕事を

されていれば、ご存知の方も

いらっしゃるかもしれません。

間違えると失礼になりますので。)

 

ただ、前に付けるか、後に付けるか

(あるいは中間に入れる)は、

会社が自由に決められます。

 

そのため、前か後か、正確に

知らせる必要がある場合は、

「前株で」「後株で」のように、

電話等では伝えます。

 

そして、記事にある通り、

カタカナ名では前株が多く、

漢字名が多い古い会社では

後株が多いというのは、

私の感覚でも同じですし、

会社設立、あるいは会社名の変更

(正式には商号変更)の際は、

最終的にはお客様に決めて頂きますが、

やはり感覚としては、お客様も

語感から、上記のように

される方が多い気がします。

 

なお、株式会社以外でも同様の規定が

あることが多く、合同会社

有限会社(←こちらはもう作れませんが)、

また一般社団法人・一般財団法人等も

同様です。

 

一方、例外もあって、宗教法人

必ずしも入れなくても良い扱いで、

むしろ、入っていない方が

圧倒的に多いかと思います。

 

さて、数年前ですが、

有名企業のレナウン

倒産したというニュースには

驚いた方も多かったと思います。

 

こちらを見ますと、その辺の

経緯も書かれています↓。

 

 

↑によると、

2024年8月の最後配当をもって

株式会社レナウンの破産手続きは終結し、

年内に法人格も消滅

122年に渡る歴史に幕を下ろす。

とあります。

 

そうなると、最初の記事は

若干誤りがあるかな、と思います。

 

社名の前に株式会社を入れる

「前株」と後ろに入れる「後株」では

まったくの別会社となるが、

 

とありますが、今回もし、

以前と同じ「株式会社レナウン」

という会社名としても(可能です)、

別会社であることは変わりません。

 

(もしかしたら、「別会社」

というより、「別会社名」という

意味かもしれませんが……。」

 

例えば、新旧分離という手法があります。

 

極端な債務超過に陥ったが、

事業は黒字基調を維持しているような

場合に、当該法人が行っていた事業と

社名については新たな法人(以下「新社」)

を設立し引き継がせる一方、

それまでの法人(以下「旧社」)は

債務弁済のみのために存続させる

経営再建の手法である。

新旧社両社の商号については、

旧社商号に「新社」を加えた名称を

新社商号とする場合と、

旧社の商号を新社が名乗り、

旧社が商号変更する場合の

2つのケースが主に見られる。

 

毎日新聞社
「株式会社毎日新聞社」(旧法人)は、

読売・朝日との熾烈な競争などで

債務超過に陥ったため、1977年、

新聞・本を出版する通常の新聞社の

業務を実施するための新法人として

「毎日新聞株式会社」が設立された。

同年12月1日、旧法人は「株式会社毎日」

社名変更して債務返済に専念、

新法人は「株式会社毎日新聞社」

に社名変更し、旧法人から

事業一切を引き継いだ。

 

(私が子供の頃、毎日新聞を

取っていたので、記憶にありました。)

 

つまり、A社があったところ、

新たにB社を設立して、

その後、B社をA社に社名変更

A社をC社(あるいはB社でも)に

社名変更するという手法です。

 

また別の例ですが、例えば、

A社がB社を吸収合併すると、

A社が存続し、B社は解散となります。

ところが、吸収合併と同時に

会社名をB社と変更することがあります。

 

この場合、吸収されて解散したB社と、

A社が社名変更したB社とは、

法律的には別会社です。

 

こちらにこんな例があります。

 

わかしお銀行との逆さ合併
同行が保有していた資産の含み益

(約2兆円)を帳簿上に現実化させ、

旧・住友銀行が保有する有価証券の

含み損(約8000億円)を

一掃させる為の手段として、

旧・太平洋銀行の承継銀行として

旧さくら銀行が設立したわかしお銀行

SMFGの完全子会社化した上で、

わかしお銀行に対して三井住友銀行

が逆さ合併することを2003年1月に発表。

同年3月17日付けで

三井住友銀行(初代法人)は

逆さ合併により消滅し、

わかしお銀行が

三井住友銀行(2代目法人)へ商号変更

 

もちろん、法律から離れた

一般の知識としては、

「同じ会社」と考えても

良いのかもしれませんが、

法律的には、別の会社と

扱われる、というわけです。

 

後半はちょっとややこしかったかも

しれません。すみません。

 

 


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