大阪桐蔭、東海大相模、青森山田は順当に
■3回戦で広陵と東海大相模が激突へ
夏の甲子園は8月13日に出場49校の初戦(1、2回戦)が終了した。
V候補・有力校では、大阪桐蔭(大阪)、東海大相模(神奈川)、青森山田(青森)などが順当に初戦を突破。一方では報徳学園(兵庫)、智弁和歌山(和歌山)、花咲徳栄(埼玉)が初戦敗退するという大番狂わせもあった。8強入りをめぐってまだ波乱は起きるのだろうか。快進撃チームの出現やスター選手の誕生で、これからもっとおもしろくなるー。
V候補・有力校の初戦結果
【1回戦から】
春夏連覇をねらう健大高崎(群馬)は第1日に英明(香川)と投手戦を展開し、1-0の辛勝で初戦を突破した。2回戦では強豪の智弁学園(奈良)と対決する。
第2日に優勝候補の大阪桐蔭が登場し、興南(沖縄)を相手に5-0で快勝した。2回戦では小松大谷(石川)と対戦する。
また、第2日には京都国際(京都)も札幌日大(南北海道)を7-3で下して2回戦に進出、次は新潟産大付(新潟)と対戦する。
【2回戦から】
第6日から2回戦がスタート。守りの堅い広陵(広島)は熊本工(熊本)を相手に2-1のロースコアで初戦勝ち。東海大相模は今大会第1号本塁打を放つなど4-0で富山商(富山)に快勝した。勝ち上がった両校は3回戦で8強入りをかけて激突する。
青森山田は9-1で長野日大(長野)に圧勝。打線は本塁打、長打を含めて11安打9得点、先発したエースの右腕関浩一郎投手は無四球1失点で完投勝利。投攻守ともにレベルの高さを見せつけて3回戦に進出した。3回戦では初出場で初勝利した石橋(栃木)の挑戦を受ける。
東京勢2校が5年ぶりにそろって初戦を突破した。早稲田実(西東京)は鳴門渦潮(徳島)を8-4で破り、関東第一(東東京)は4-0で北陸(福井)に快勝した。早稲田実は2回戦では鶴岡東(山形)と、関東第一は3回戦で8強入りをめざして明徳義塾(高知)と対戦する。
■全国区の花咲徳栄、報徳学園、智弁和歌山がまさかの初戦敗退
予想外の大波乱もあった。夏の全国優勝経験がある花咲徳栄は、初出場の新潟産大付に1-2でまさかの惜敗。2回に先取点を奪って先行したものの、6回に追いつかれ7回には逆転を食らって逃げ切られた。県大会では一度も先行を許さなかった強力打線の花咲徳栄だったが、終盤になっても打線は不発のままで逆転はならず。
新潟産大付は11安打を放ち、強力打線の花咲徳栄の7安打を上回る攻撃力を発揮した。県大会では強豪校を相次いで倒して頂点に立ち、その勢いのまま全国区の強豪を撃破して甲子園初勝利をつかみ取った。
また、優勝候補でもあった報徳学園は32年ぶりに出場した大社(島根)に1-3で破れて初戦敗退。報徳学園は今大会屈指の右腕・今朝丸裕喜投手を先発としてマウンドに送ったが、県大会で29盗塁をマークしている大社が機動力を駆使した果敢な攻勢で2点を先取。最後までリードを守って63年ぶりに夏の勝利をもぎ取った。
花咲徳栄は県大会では2度のタイブレークで勝ち上がって優勝、報徳学園もタイブレークで1勝して甲子園出場をつかみ取ったという共通点があった。両校の相手は初出場、32年ぶりの出場ではあったが、いずれも県大会を制した代表校。終盤に逆転を許さなかったという結果をみると、予想以上に強いチームだったということだろう。
初戦の終盤に登場した智弁和歌山もまさかの初戦敗退となった。2回戦で霞ヶ浦(茨城)と対戦し、延長11回タイブレークの末に4-5で敗れた。5回表まで3点をリードされ、しかも相手の先発投手の球速100㌔台のカーブやチェンジアップに戸惑って5回にやっと初ヒットが出る始末。それでも8回裏に2者連続の本塁打を放って3点を奪って、同点に追いついて延長タイブレークに持ち込んだ。しかし、延長11回に霞ヶ浦が粘り強く2本のタイムリーを放ち、その裏に1点を返すも逆転はならず悔しい敗戦となった。
花咲徳栄、報徳学園、智弁和歌山は優勝争いに加わると予想されていた有力校だったのだが、いずれも早々と甲子園の舞台から姿を消した。
■初戦で多かったロースコア決着
出場49校の初戦をみると、ロースコア(2点以内)で勝負が決まった試合が6試合あった。また、接戦試合も4試合あった。「今夏は混戦模様」という予想を裏付けるデータになるのだろうか。
▽ロースコア試合
健大高崎(群馬)1-0英明(香川)
新潟産大付(新潟)1-0花咲徳栄(埼玉)
岡山学芸館(岡山)1-0聖カタリナ(愛媛)
鶴岡東(山形)2-1聖光学院(福島)
創成館(長崎)1-0白樺学園(北北海道)
広陵(広島)2-1熊本工(熊本)
▽ 接戦試合
西日本短大付(福岡)6-4金足農(秋田)
中京大中京(愛知)4-3宮崎商(宮崎)
大社(島根)3-1報徳学園(兵庫)
霞ヶ浦(茨城)5-4智弁和歌山(和歌山)