こんにちは!Drあねごこと棟田です。

 

私は寒がりという話をしましたが、

 

うちの次男は全然上着を着ません。

「いらなーい」「だいじょーぶぅ」「きらいなの!」など何重にも否定してくるのでどうしたもんかな・・と頭を抱えます。

 

でも公園に行くと半袖のお子さんとかもいて、「みんなそーよね!」と勝手に勇気をもらってます。

 

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走るとすぐぽんぽこおなかが出ちゃう!

 

 

さてさて、現代人の寒がりといえばヒートテックですね。

私もたくさん持っていてお世話になっているのですが、皮膚科医としては、どうだろう?

というお話しをさせてください。

 

  そもそもヒートテックとは

 

2003年にユニクロから東レとの共同開発で発売されました。

薄い生地なのに暖かいというのが売りで爆発的に売れましたね。

1個も家にない人はいないのではないでしょうか。

 

現在は各社から同様の商品が発売され、どこでも手に入る同様の商品がたくさんあります。

 

みなさん、どうゆう機序でヒートテックが暖かいのか知っていますか?

 

吸湿発熱線維という原理について説明します。

 

もともと、ウールが暖かいのはなぜだろう?というところからこの研究開発は始まっています。天然繊維である羊の毛は吸水性があります。

繊維が水分を吸収するときに反応を起こしてエネルギーが発せられることで、熱を発生するのです。

 

同じものを化学繊維で作ってみよう!もっとそのエネルギーを出せるようにしよう!というのがヒートテック。細かい線維にして水分を吸収する力を高めました。

ただ、線維が水分を吸収している間にだけ熱エネルギーがでるものなので、限界まで水分を吸収し終えたら、その効果も同時に終わってしまいます。

 

そこでヒートテックはもう一工夫してくれました。

一度吸収した水分を外に放出することで、また水分を吸収し、熱エネルギーを何度も出すのです!

ポンプのように水分を通過させ熱エネルギーを継続して出す仕組み すごい!!

 

 

いやいやいやいや、本当にそうでしょうか。

肌の丈夫な方は大丈夫かもしれません。

 

皮膚は熱エネルギーと引き換えに水分をどんどん吸収され、外に放出されているのです。

特に冬場の乾燥が強い日本では、皮膚の水分は限界まで吸い取られてしまいます。

 

ヒートテックを脱いだ時、
白い粉が舞ったことありませんか?
ヒートテックの裏が真っ白だったことは??

 

 

 

これはかわいそうに、水分を抜かれてしまった皮膚たちの叫び声です。

 

そんなこと1回もないわ!という方はヒートテックに向いている強い肌の持ち主。

存分に着ていただいて良いと思います。

 

ただ、乾燥して肌が痒くなったり、赤くなっている方は、いったんこういった作用のある化学線維の素材はやめて綿などにしてみましょう。(綿にも吸水性はありますが、ヒートテックほど効率的にはなっていません)

 

 

 

  静電気に注意するには

 

空気の乾燥する冬は静電気も起きやすいですね。

 

ヒートテックを着ていると静電気が起きやすいと感じる方、多いのではないでしょうか。これはヒートテックだけが原因ではありません。

 

そもそも、線維にはマイナスの電気をためやすいものプラスの電気をためやすいものとの二種類があります。

 

ポリエステルアクリルはマイナスになりやすく、

ナイロンウールレーヨンシルクなどはプラスになりやすいのです。

(綿と麻は帯電しにくいです)

 

そのため、この2種類を混ぜた重ね着すると静電気の発生を誘発しやすい環境となります。(ポリエステルのスカートとナイロンのタイツが最もわかりやすい例ですね)

 

静電気も痒みの原因となりますので、冬の重ね着の組み合わせに気を付けましょう。

分かりやすく言えば、ヒートテックのインナーを着たときは上に着るものも同じようにポリエステル系の化学線維でできたものがおすすめ。

ウールのニットなどを組み合わせると静電気がバチバチになります。

(そして綿のインナーは帯電しにくいので、上に着るものを選びません。)

 

 

 

  乾燥対策に加湿器

 

皮膚の乾燥は、やはり冬の空気の乾燥が主原因。

予防には加湿器が有効です。

 

研究データでも以下のような結果が出ています。

・湿度30%以下の部屋で眠ると肌の水分量は24%低下する

・湿度40%の部屋で過ごすと湿度70%の部屋で過ごすのと比べて顔の小じわが23%増加し、弾力も落ちる

 

あと、最近だと、新型コロナウイルスも室内の湿度が40-60%だと感染者も死者も減るとの報告がアメリカから報告されましたね。

 

加湿、いろんな意味で大事です!

 

加湿器には「超音波式」「気化式」「スチーム式」があります。

前の二つの方が静かですが、入れている水分の中に雑菌が入っていると、その雑菌がばらまかれてしまうので、清潔を保つことを意識する必要があります。

 

スチーム式は雑菌がばらまかれるリスクは低いですが、出てくる蒸気が熱く、子供が興味を持つとやけどのリスクがあります。

 

我が家で使っているのは三菱重工のroomist。

蒸気を55度以下まで下げてくれているので、やけどのリスクが低いです。

 

 

同じスチーム式だと象印さんの加湿器はお手入れが簡単で有名ですね。

 

私のようにずぼらで毎日フィルター掃除やタンクの掃除が億劫な方はぜひスチーム式をおすすめします。

スチーム式は音が大きめ、電気代がかかるなどのデメリットもありますが、菌が撒かれて健康に害がでるのは残念ですので。。。

 

 

  肌の洗い方も大事。

 

皮膚は本来、適度な汗(=水分)をだして温度管理をし、脂(=油分)を出して乾燥を防ぎます。

ただ、現代人は化学線維の暖かいインナーで水分を飛ばし、一生懸命身体をあらって脂を落とし、皮膚を乾燥させてしまっています。

 

乾燥はバリア機能が壊れ、神経が過敏になり、痒みを起こしやすいですし、かぶれもおこしやすくなってしまいます。

 

痒くなって、掻いてしまうと、余計に肌は荒れてしまい、、と悪循環。

 

日本人はお風呂が大好き。体もきれいに洗うのが大好き。

特に肌がかゆいと、きれいにしよう!とすごく丁寧にあらってくださる方がおおいですが、そもそも肌はそこまで洗う必要はないんです。

 

普通の日常生活であれば石鹸でごしごしする必要はありません。石鹸を使うのは脂の出やすい頭、ワキ、陰部、汚れやすい手足くらいで大丈夫。

 

石鹸で洗う場合もリキッドのボディソープをそのまま使うのは界面活性剤の濃度が高すぎます。

必ず泡立てて使うか、泡で出るタイプにするか、固形石鹸を使いましょう。

 

ナイロンタオルで背中をごしごしは厳禁。百害あって一利なしです。

教科書にも「ナイロンタオル皮膚炎」という病気が載っているくらい。

ながっぽそいナイロンタオルは昭和に置いてきてください!!

 

あと、入浴時間は5-10分くらいにしてください。(長時間お湯につかっていると肌は乾燥しやすくなります)

 

 

まとめ

 

やばい、長くなりすぎた。

乾燥肌におすすめの生活習慣をまとめました。

 

①インナーは綿にする。

②静電気がおきないように重ね着の素材に注意する。

③加湿器を使う。特に寝室は湿度が大事。

④身体は洗いすぎないようにする。長風呂注意。

 

 

 

いつも丁寧な診療を心がけています。
私の皮膚科をよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

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