調べ・見立て(見立て)
夏のボーナスの使い道は、貯金や投資?
それとも、久しぶりに旅行に行きますか。
編集長の「見立て」。#79
2024.09.03
日本労働組合総連合会(連合)は、今年の春闘でベースアップと定期昇給を合わせた平均賃上げ率は5.1%となったと発表しました。賃上げ率が5%を上回ったのは、1991年以来の33年ぶり。中小企業で働く人たちの賃金やアルバイトの最低賃金の課題はまだ残りますが、働く人たちの賃金水準を改善していく潮目がようやく訪れています。夏のボーナスについても同様です。労務行政研究所の発表では、上場企業114社における2024年夏季ボーナスの平均支給額は84万6021円で、1970年の調査開始以来で初めて80万円を超えました。
アエラスタイルマガジンWEBのアンケートでも、「夏のボーナスは出ますか?」を6月26日から問うてみたところ、「出る(昨年より増えそう)」という回答が71%に上りました。コロナ禍が猛威を振るっていた2020年の夏に同じ質問をしたときには、「出る(昨年より増えそう)」39%、「出る(昨年より減りそう)」37%、「出ない」18%、「自営なのでボーナスはない」6%といった結果でした。比較してみると、ずいぶんと改善したのがわかります。
ただ、給与やボーナスがこれ以降も上昇するかどうかは不透明です。そうした背景もあって、「ボーナスが出たら主に誰のために使いますか?」の質問に対して31%のビジネスパーソンが「貯金」と回答しています。為替や株価の乱高下もあって、ビジネスパーソンがお金の心配をする状況が続いているということでしょう。「自分のために使う」と回答した人は26%にとどまり、「家族のために使う」43%を大きく下回っています。まだまだ、ボーナスで自分の好きなものをパーっと買う状況ではありません。
尋ね方を変えて「予定しているボーナスの主な使い道は?」の質問に対しても、「投資・資産運用」という回答が36%に上りました。それに加えて、「旅行」36%もボーナスの使い道として多数を占めた回答になっています。昨年の春にコロナが5類感染症に移行したので、そこから考えると2度目の夏となりました。海外国内を問わず、観光地の混雑ぶりを見ても、数年間にわたって旅行を控えていた反動で旅行熱が再燃しているようです。
お盆には地震や台風の影響もあって、交通機関が混乱したりして、帰省や旅行も大変でした。ただ、「夏休みをいつ取りますか?」のアンケート結果を見ると、「9月以降」に休むという回答が37%に上ります。気候温暖化の影響もあって9月もまだまだ暑いので、それもまた現実的な選択と言えるでしょう。「夏休みはない」と回答した10%の読者の方々には、せめてアエラスタイルマガジン編集部から残暑お見舞いを申し上げます。