『肯わぬ者からの手紙』第52信(『週刊金曜日』2023年8月18日号)[全文]
2023年 08月 25日
『肯わぬ者からの手紙』第52信
米国に命も魂も奉る邦で
核廃絶を語り続ける為に
(『週刊金曜日』2023年8月18号)[全文]
『週刊金曜日』2023年8月18日号に発表した、連載『肯(うべな)わぬ者からの手紙』第52信《米国に命も魂も奉(たてまつ)る邦(くに)で/核廃絶を語り続ける為に》の全文を公開します。
今回の稿の最後を、私は、次のように締め括りました。
《そして福島第一原発の汚染水海洋放出に高浜原発再稼働、さらには原発新設まで……。私は「3・11」直後、東京電力を「人類の敵」と規定したが、その呼称はもはや、必然の滅亡へ向かう日本国家そのものに当て嵌(は)まりそうだ。》
そしてまさしく、昨24日から、岸田文雄政権は、国内外の反対を押し切り、安倍晋三以来の国家無視の〝閣議決定〟の独裁によって、東京電力・福島第1原発事故の汚染水の海洋放出が強行されています。
安倍晋三の不明により、予備電源を用意しなかったことに直接起因する、そもそもの事故それ事態もさることながら、今回の汚染水海洋放出強行は、地球環境と全人類への暴虐にほかならない、おぞましい大罪です。
これは十五年戦争の根本責任のありかを淵源(えんげん)とする問題でもありますが、その成れの果ての現在にあっては、安倍や岸田が「責任」なる語を舌先に弄ぶときほど、言葉が貶(おとし)められることはないでしょう。
この恥ずべき国に生まれ、そこに帰属し続けざるを得ぬ者として、最終局面ともいうべき位相での抵抗が問われています。
現在、準備中の言葉と絵画によるアピール『死の国からも、なお、語られ得る「希望」はあるか?』展(本年10月28日〜12月24日/足利市立美術館)は、内外に発信する、その糾明の作業の1つの端緒とするつもりです。
これについても、今後、さらに御案内します。
1994年以来、26年にわたって続けてきた平和記念公園での絵本『さだ子と千羽づる』(SHANTI=シャンティ=絵本を通して平和を考えるフェリス女学院大学学生有志=著/オーロラ自由アトリエ刊)の朗読会は、今年も最終段階で直面したコロナ禍の深刻さから、熟慮の末、断念せざるを得なくなりました。
ただし、赴けなかった広島の動きは、可能なかぎり把握に努めています。
広島の状況は、とりもなおさず日本の現在をそっくり凝縮しており、さまざまな予兆に満ちているところから、来月の第53信でも詳述します。
同号「編集後記」で、颱風(たいふう)6号直撃中の沖縄本島南部からの今回の私の送稿について、担当の小林和子さん(前・編集長)が、お書きくださっています。
一昼夜の停電後のインターネット環境〝総ダウン〟の上、倒木にふさがれて車も出せないなか、救援に駆けつけてくれた友人の住まいからようやく原稿と写真を間に合わせるという、私自身、これまででも最大級の困難のなかでの作業でした。
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