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ビエラ初のミニLED+量子ドット4K液晶。ゲーム機能も進化

75型「TH-75MX950」

パナソニックは、ミニLEDバックライトと量子ドット技術を搭載した液晶ビエラのフラッグシップ「MX950」シリーズを、7月21日に発売する。サイズ展開は75型、65型、55型。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は30万円前後から(55型)。

4K液晶テレビ「MX950」シリーズ

  • 75型「TH-75MX950」 約53万円 7月21日発売
  • 65型「TH-65MX950」 約40万円 同上
  • 55型「TH-55MX950」 約30万円 同上

2022年に発売した4K液晶テレビ「LX950」の後継機。LX950の基本性能を継承しつつ、パネル部を大幅に刷新したのが最大の進化ポイント。

従来の白色LEDバックライト(エッジ型)を、青色のミニLEDバックライトと量子ドットシートの組み合わせに変更する事で、明るさと色鮮やかさを向上。さらに、駆動電力を明るい部分に集中させて輝度を稼ぐブースト技術を導入することで、より高いコントラスト表現を可能にした。

なお、ビエラにとって、ミニLEDと量子ドットの採用はMX950が初。ミニLEDの採用がこのタイミングになった事について、同社は「当初ミニLEDは高コストだったため、同じインチサイズの有機ELテレビの価格と比べて同等、もしくはそれを上回ることが想定された。プラズマテレビの時代から、(画質は)“自発光ディスプレイが最良”というのがビエラのスタンス。今回は、ミニLED搭載モデルを有機ELテレビよりも低く、そして現実的な価格で提供できると判断した」という。

75型「TH-75MX950」

ビエラ初のミニLEDバックライト。コントラスト性能強化

ビエラ初となる、ミニLEDバックライトを採用。分割駆動と量子ドット技術と合わせ、「液晶で最大限コントラストと色を向上」させている。また、バックライトの駆動電力を明るい部分に集中させることで、コントラスト感を高める技術も初めて採用する。

パネルは、4K/3,840×2,160ドットのVA型(倍速対応)。LEDをコントロールするバックライトエリア制御と、信号処理によるエリアコントラスト制御PROを組み合わせた「Wエリア制御」を採用し、コントラスト性能を強化。

新モデルでは、映像に応じた複数の解析パターンで入力信号を解析。その解析結果をフィードバックすることで、高精度なエリア制御を実現している。結果、引き締まった黒や黒つぶれのない陰影、細部までリアルな明暗を再現。バックライトの分割駆動によって生じるハロー現象も抑制しているという。

65型「TH-65MX950」

プロの映像制作用マスターモニターにも採用されている3次元カラーマネジメント回路(3D-LUT)を搭載した「ヘキサクロマドライブ」が進化。

色ごとの特徴を検出して補正を最適化することで、従来は色が濃すぎてつぶれていた映像は、鮮やかさを保ったまま階調表現が向上したほか、鮮やかさに欠けた映像も、階調を保ったまま、より鮮やかに映し出す。

人肌のコントラストや立体感についても、「地デジ美肌補正」により肌の色を検出して3D-LUTで処理することで、より自然な人肌を表現する。

ネット動画を高画質化する「4Kファインリマスター」は、通信速度などの影響を受けるネット動画の特性に合わせて進化。自動的に適切な処理を施すことで、ノイズを抑えながら、映像の精細感を大幅に向上させた。素材解像度を検出する「4Kファインリマスターエンジン」により、高い質感とノイズレスな画質を両立するという。

環境光センサー連動機能についても進化し、さまざまな部屋の環境に応じて、ビエラが自動で高画質に調整。例えば部屋が暗く、制作スタジオに近い環境の場合は制作時の映像を再現し、部屋が明るい場合は暗部が見えにくいため、暗部の表現力を向上させるという。

100万を超える映像のシーンから構成される学習用データベースを基に、ディープラーニングを活用してAIが学習し、生成したシーン認識アルゴリズムからシーンに最適な画質・音質処理を施す「オートAI」機能も搭載する。

HDR規格は、HLG、HDR10、HDR10+、Dolby Visionの4方式に加え、視聴環境にあわせて最適処理を行なうHDR10+ ADAPTIVE、Dolby Vision IQをサポート。静止画用のHLGフォトに対応する。

55型「TH-55MX950」

内蔵スピーカーは、LR用のフルレンジ2基とウーファーのシンプルな構成で、実用最大出力は50W。Dolby Atmosをサポート。パッシブラジエーターや、LX950で搭載していたイネーブルドスピーカーは搭載しない。

チューナーは、BS4K・110度CS4Kチューナー×2、地上/BS・110度CSチューナー×3を搭載。別売のHDDを接続する事で裏番組録画ができるほか、2K+2K放送や4K+2K放送、4K+4K放送の2番組同時録画も行なえる。

Dolby Visionゲーミング対応。ゲームメニューもアップデート

ゲーム関連の機能強化も、新モデルのポイント。

新たに、Dolby Vision画質モードにゲームを追加(Dolby Visionゲーミングは4K60pまで)。さらに、プロ向けで著名な「Calman」のゲーム用映像調整アプリ・ツールに対応し、高品位なゲーム画質を提供する「ゲームプロ」モードも新搭載した。

ゲームサウンドに関しては、2つの音声モードを追加。セリフとBGMを強調する「ゲーム(RPG)」と、足音を強調する「ゲーム(FPS)」が利用できるようになった。

項目が増強されたゲームコントロールボード

これらゲーム関連の設定を一覧表示する「ゲームコントロールボード」もアップデート。映像モードにゲームプロとDolby Vision Game、音声モードに上述したふたつの音声モード、ALLM設定が追加されたほか、4K/120Hzピュアモード時にHDRトーンマッピングがグレイアウトしなくなった。

HDMI 2.1規格は、4K/120p入力やVRRほか、ALLM、NVIDIA SPD Auto Game Mode、AMD FreeSync Premiumをサポートする。

リモコンは、2022年モデルから採用のBluetooth方式。ネット動画ダイレクトボタンは8つで、Netflix、Amazon Prime、Hulu、U-NEXT、ABEMA、YouTube、Disney+に加えて、新たにTVerが追加された(Paraviは削除)。リモコン上部には、好きなアプリを登録できる「マイアプリボタン」も備える。

リモコン

ネット配信されている番組を、テレビのEPG画面から選べる「番組表ネット動画連携」も搭載。TVer、TELASA、Huluで配信中の過去番組、もしくは配信予定の未来番組が、番組表で確認でき、各配信サービスの再生画面までジャンプできる。なお、同機能は昨年11月15日のソフトウェアアップデートで過去モデル(2020年~'22年発売のビエラ)でも対応済み。対応サービスについても、順次拡大予定という。

EPGを遡ると表示される“配信中の過去番組”。アイコンが黒い三角
配信が予定されている未来番組は、アイコンが青い三角で案内

地震などの揺れによるテレビの転倒を防止するスタンドを標準装備。スタンド底面に吸盤を備えており、設置すると吸盤が設置面に吸着する。吸盤の吸着はスイッチをスライドさせるだけで簡単にオン/オフを切り替えられる。スタンド形状は四角。スイーベルには対応しない。