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TAD、回路構成や電源刷新のパワーアンプ「TAD-M1000TX」

「TAD-M1000TX」(シルバー)

テクニカルオーディオデバイセズラボラトリーズ(TADL)は、TAD・Evolutionシリーズの新商品として、回路構成や電源トランスを刷新した「TAD-M1000TX」を2024年11月より発売する。価格は、シルバーが209万円、ブラックが214.5万円。

増幅回路には、入力から出力まで完全に独立したアンプをバランス接続したBTL方式を採用。正負電源の対称のほか、すべての電源回路を独立設計した。また、対称性の基準となるアースポイントを電気的だけではなく構造面から新たに設計したことに加え、ファーストステージは回路およびレイアウトを刷新し、徹底した正負左右の対称性にこだわった。

1kVAクラスの大容量トロイダル型電源トランスによる、ドロッパー方式の電源回路を改良。電源トランスの内部巻線を直出しすることで、引き出し線との接点を極力削減し高純度化を追求するとともに、直出し線のターミナル、基板マウントターミナル、締結ビスに非磁性のメッキと無酸素銅(OFC)を採用し、磁性歪を徹底的に排除した。

また、トロイダルコアの断面をスクエア型からリング型へと刷新。巻線との結合を向上させリーケージと振動を大幅に減少させることで、純度が高く、応答性に優れた電源供給を可能とし、正確なスピーカー駆動を目指した。

ブラック。既発売のプレーヤー「TAD-D1000TX」やDAコンバーター「TAD-DA1000TX」、プリアンプの「TAD-C1000」と組み合わせた際に統一感のあるデザインになっている

低損失と高速性を兼ね備えた超低オン抵抗・リードレスパッケージのパワーMOSFETを採用したクラスD出力段は、シンプルなシングル構成とし、応答性が高くしなやかで力強い音質に貢献。定格出力500W/4Ω×2chのパワーをドライブする高い出力性能を備えた。

ボディは、スパイク内蔵型インシュレーターによる3点支持構造を採用。床からの振動影響を低減した、ISOマウントを実現。荷重ポイントの明確化や床からの振動の影響を低減することにより、アイソレーション性能を強化。音の情報量、力強さ、空気感を向上させた。

また、ラックマウントされた際に、アンプ背面に接続されたスピーカーケーブルへのストレスを軽減するため、Referenceシリーズで採用する強固で高品位な大型スピーカーターミナルを採用。機械的、電気的な接続安定度を向上させることで、スピーカーケーブルの能力を最大限に引き出す仕様とした。

スピーカーの各ユニットと各アンプを直結することで、ユニット間での干渉を排除し、セパレーションを向上するバイアンプ機能を搭載。本機を2台使用したバイアンプ接続をすることで、「アンプとスピーカーが持つ本来の性能を引き出し、歪の少ない澄んだ音を再現」するという。

定格歪率は0.05%以下(1kHz,4Ω)、SN比は112dB以上。周波数特性は10Hz~50kHz(+0dB-3dB)。利得(Gain)は、29.5dB。入力端子(感度)は、バランス時で1.5V/100kΩ、アンバランス時で0.75V/50kΩ。消費電力は250W。外形寸法は440×479×148mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は29kg。